保険、投資、退職金運用について相談できるプロって?【「お金の整理のプロ」の探し方】

エクラ世代にとって気になるお金の筆頭が、現在の「家計」と将来の「老後資金」。今回は保険、投資、退職金運用についての最適な相談先を、マネー専門家の有山典子さんがご紹介。
教えてくれたのは…
マネージャーナリスト 有山典子さん

マネージャーナリスト 有山典子さん

『マネープラス』『マネージャパン』の編集長を経て独立。ファイナンシャルプランナーの資格ももち、マネー分野の記事で活躍。近著『老後のお金 備えの正解』も好評。

ケース別、頼れる「お金の整理のプロ」はこんな人!

家計・老後資金

【case1】保険を検討したい

依頼できるプロ>>保険会社、保険代理店、ファイナンシャルプランナー

無料相談ではなく、有料で相談するメリットは?

相談先としてまず思い受かぶのは、現在加入している保険会社の担当者。

「ただし、不要な保険があったとしても、ハッキリ告げてくれるかどうかは疑問。よほど信頼関係があれば別かもしれませんが、ほかの保険への乗り換えをすすめられるなどして、保険料はさほど減らない可能性もあります。

また、複数の保険会社の商品を扱う相談窓口もありますが、そちらも契約をとるのが主な仕事。保険を比較する材料集めには有効ですが、その場で契約せず、一度持ち帰って検討して」

となると、相談先は保険会社などの企業に属さない独立系のFPに?


「実は、独立系FPの中には保険の仲介を行っている人も。相談者の利便性を考えて多種多様な保険を扱っている人もいますが、保険仲介を行っていないFPのほうが無難。相談者のメリット重視でアドバイスしてくれるはずです。

なお、無料相談を行っているFPの紹介サイトもありますが、保険会社がバックについているケースも多いので、運営会社は必ず確認してください」

保険を検討したい

【case2】投資でお金を増やしたい

依頼できるプロ>>銀行、証券会社、IFA、ファイナンシャルプランナー

投資ブームに乗り遅れたら損しそう…

「低金利の今、『投資をしなければお金は増えない』という風潮が広がっています。けれど、知識がない人がいきなり始めるのは危険。まずは、投資のメリットやデメリットを理解し、現在の資産状況などに照らし合わせ、投資すべきか否かを判断することから」

投資の基礎知識は、金融機関の窓口で教えてもらえるし、無料セミナーに参加するという手もある。もっとも、投資すべきか否かを客観的にジャッジしてもらいたいなら、金融機関よりもFPに相談するほうが安心かも。

「ただ、FPは、『この株がいい』などと具体的な運用商品を紹介してくれるわけではありません。何に投資すべきかは、自分で決めるものなのです」

最近は、個人の資産運用アドバイスを行うIFA(独立系資産運用アドバイザー)も増えてきたけれど、証券会社など金融機関と提携して活動しているのが現状のよう。

「誰に相談するにしても、投資は自己責任。その覚悟がなければ、手を出すべきではないと思いますよ」

投資でお金を増やしたい

【case3】退職金を運用したい

依頼できるプロ>>銀行、ファイナンシャルプランナー

魅力的な商品を用意する金融機関は多いけれど

退職金を元手に老後資金を増やしたいと考える人は多いよう。そんな状況を反映してか、銀行などが退職金運用のための専用プランを展開している。窓口を訪ねれば、商品の内容や、ライフプランに合わせた運用などを教えてくれるけれど、有山さんは、「契約前提で訪ねるのは要注意」と。

「退職金専用プランの多くが、通常より高い金利の定期預金に外貨預金や投資信託などを組み合わせています。しかも、高金利が適用される期間は3カ月や6カ月など短期で、その後は通常の金利に戻るのが普通。そのため思ったほど利息がつかないうえ、利息分は、外貨預金や投資信託の手数料でほぼ消えてしまうんですよ」

退職金の運用もFPに相談できるけれど、ネット専業銀行などが行っているオンライン相談を利用するのも一案。

「特に、担当者を目の前にすると、情にほだされて契約してしまいそうな人におすすめです」

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