<今月のおすすめ本4選> 芥川賞候補作家たちの往復書簡から心に光を灯す感動の短編集まで新年に読みたい本

アラフィー女性にこそ読んで欲しいおすすめの本を、編集部がピックアップ! 温 又柔さんと木村友祐さんが交わす往復書簡『私とあなたのあいだ』、読了後に静かな感動を覚える短編集『八月の銀の雪』など、新年から新たな気持ちで読みたい4作をセレクト。

もがきながら紡いだ作家たちの往復書簡

『私とあなたのあいだ』

『私とあなたのあいだ』

温 又柔 木村友祐

明石書店 ¥1,700

台湾で生まれ日本で育った温さんと青森出身の木村さん。ふたりの作家が1年半近く手紙を交わし、思索を深めていく。持てる者と持たざる者、日本人と在日外国人、健常者と障がい者、被災者と災害を知らない者、人間と動物……。対立して見える項目の“あいだ”に横たわるグラデーションを掘り下げることで、“誰もが楽に呼吸できる場所”を築く手がかりを探し求める。自身の弱さをさらけだし愚直なほど真摯に紡がれた言葉は、きっとあなたの心の奥底にも届くだろう。

脱アンチエイジングで楽しもう、新しい「BBA道」

『日々是混乱』

『日々是混乱』

地曳いく子

ホーム社 ¥1,400

還暦を迎えても第一線で活躍するスタイリストが、年齢に抗(あらが)わず今の自分を楽しむ新しい「BBA(ババア)道」を提唱。年を重ねたからこそのメイクやおしゃれ、旅友の選び方、心身のリセット法、変わりゆく自分や時代との向き合い方など、試したくなるアドバイスが満載だ。

魂が動くスピードは体よりもずっと遅い!?

『迷子の魂』

『迷子の魂』

オルガ・トカルチュク/文 ヨアンナ・コンセホ/絵

小椋 彩/訳 岩波書店 ¥2,500

慌ただしい日々の中で自分が空っぽになってしまったように感じたら、この絵本を開いてみて。忙しすぎる男が、いつのまにか置き去りにしていた魂を取り戻すまでの物語。ノーベル文学賞作家による文章と郷愁を誘う絵のハーモニーが、何もしない時間の豊かさに気づかせてくれる。

静かな感動が心に降り積もる5つの物語

『八月の銀の雪』

『八月の銀の雪』

伊与原新

新潮社 ¥1,600

コンビニで、満員電車で、季節はずれの海岸で、たまたま言葉を交わした他人同士。その小さな出会いが、彼らの心を覆う霧を晴らしていく。地球の中心に鉄の結晶が降り積もり続けているといった、科学的な記述がストーリーと絶妙にからみ合い、物語の深みと味わいを増している。

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