破天荒な言動が笑いを誘う!「女の生き方」を描いたマンガ2選【大人の心を救う「笑えるマンガ」】

マンガに精通した編集者や書店員などの“目利き”が、大人の女性がくすりと笑えるマンガを厳選!  今回は、破天荒な言動が笑いを誘う「女の生き方」を描いた作品をピックアップしてご紹介。

「マンガの目利き」はこの人たち!

編集者・ライター 山脇麻生

マンガ誌編集者を経てフリー。コミック評やマンガ家インタビューを手がける。初めて読んだマンガ誌は幼稚園のときに買ってもらった『ちゃお』。小学生のとき、友人の家で読んだ『火の鳥』で大人マンガに開眼。

書店員 山崎陽子

紀伊國屋書店新宿本店のコミック担当5年目。『週刊少年ジャンプ』の『封神演義』以来、少年・青年向けを中心に愛読。新刊が楽しみなのは『ダブル』。好きな作品が多すぎて年間ランキングが決められないのが悩み。

ライター 吉川明子

小学生のころに『りぼん』や『週刊少年ジャンプ』でマンガにハマって○十年。個人的な趣味だったが、最近は各媒体でマンガ関係の執筆も。聖典は『ジョジョの奇妙な冒険』、注目作は『紛争でしたら八田まで』。

「女の生き方」を描いたマンガ《破天荒な言動が笑いを誘う》

1.パワフル毒舌マダムの独壇場

東村アキコ 原作/林真理子(『最高のオバハン 中島ハルコの恋愛相談室』文春文庫)『ハイパーミディ 中島ハルコ』

『ハイパーミディ 中島ハルコ』

東村アキコ 原作/林真理子(『最高のオバハン中島ハルコの恋愛相談室』 文春文庫) 集英社 既刊3巻 各¥440
『ハイパーミディ 中島ハルコ』内容
不倫に疲れたライターのいづみ38歳が、失意のパリ取材でパワフルなハルコ52歳と出会い、停滞していた人生が動きだす。「ハルコは基本どケチで自慢話が多いのですが、ここまでやられるとむしろ爽快。人は裏のある言葉に敏感なものですが、彼女にはそれがなくて小気味いい! 読むとスカッとモヤモヤが晴れます」(山脇)。

2.45歳無職が突然の離婚危機に?

安野モヨコ『後ハッピーマニア』

『後ハッピーマニア』

安野モヨコ 祥伝社 既刊1巻 ¥900
『後ハッピーマニア』内容
名作「ハッピー・マニア」続編。「夫のタカハシが突然恋に落ちて離婚を迫られたカヨコ45歳。別れたくないのは生活を失いたくないから? 愛しているから?という自問に答えが出せない。その葛藤がリアルなんだけど滑稽。笑えるんだけど、世代的に自分に重ねると笑えない。安野先生の切れ味は令和時代も鋭すぎ!」(吉川)。

「笑えるマンガ」事情《2》

山崎陽子さんに聞きました!

’20年の売れすじは、読み手の悩みに寄り添うマンガ

和山やまさん旋風は書店でも如実だったという、紀伊國屋書店の山崎陽子さん。

「クールな目線で、ユニークな登場人物が多数登場する和山やまさんの人気は特に目立ちました。3作品あり、各約1000冊と異例の売れ行きで驚きました」

ほかによく売れた作品は、庶民でも心は貴族という母が主役の『プリンセスお母さん』、イカの体にゴリラ顔の女オタクの日常を描いた『オタクだよ! いかゴリラの元気が出るマンガ』など。

「これらの作品は、生活あるあるや家族ものとして勢いがあり、エクラ世代が読んでもおもしろいはず。『ハイパーミディ 中島ハルコ』や『後ハッピーマニア』も大人の女性に響いたようで、よく売れていましたね。読者の立場や悩みに寄り添ってくれる作品が増えていて、素敵な傾向だと思いました。また、最近は特にたくさん笑えて、読み終わったあとに元気をもらえるようなマンガが求められているように感じています」
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