見ればキレイになる⁉韓流ドラマナビ⑬「秘密の森2」

エクラの美容記事でもおなじみのライター・山崎敦子がお届けする韓流ドラマナビ。今回は'17年に韓国で放送され大ヒットしたサスペンスドラマ「秘密の森」の、待望の続編「秘密の森2」('20年)をご紹介!
秘密の森2

ファン待望の「秘密の森」シーズン2も、昨年韓国で大きな話題に

 最初のリーク情報は、韓ドラ好きが集うLINEによるものでした。
このドラマを楽しみたいなら「検察と警察の関係性が韓国と日本では異なることを知っておく必要がある」というのです。日本では警察自ら捜査令状を裁判所に請求することができますが、そのリーク情報によると、韓国では令状の請求は検察しか行うことができないというルールが長年続いてきているのだそう。つまり、韓国においての捜査に関する権限は、圧倒的に検察が握っているということ(そのため、検察と、財閥などの権力者との癒着が多くなりやすいのだとか)。
秘密の森2
 この捜査権をめぐって、これまでの制度を改革しようと動く警察側とそれを阻止しようとする検察側。で、このドラマはその2者による対立を主軸に構成されているというのです(実は、この検察・警察の捜査権調整をはじめとする警察改革はムン・ジェイン大統領がかなり力を入れてきた案件で、実際に昨年1月にこの改革案が国会を通過、今年の1月から本格的に施行が開始されています)。
 ほら、これを聞くだけで、なんだか霧の中に足を踏み入れてしまったかのようにもやもやとしてきませんか? 
 そうなんです。このリーク情報こそ、その後の私が一寸先も見通せない深い深い霧に包まれた“秘密の森”にさまよい続けることとなる完璧なる序章だったのです。
秘密の森2
検事ファン・シモク役のチョ・スンウ
 さて、この「秘密の森」というドラマ、Netflixですでに配信されているので、もう2シーズンまとめて観たという方も多いのではと思いますが、シーズン1が韓国で放送されたのは2017年のこと。もう3年以上も前になりますね。放送されたtvNのその年の最高傑作と称されたほど韓国では大ヒット。
 検察の闇に鋭く斬り込んだ最後まで展開の読めないスリリングかつずっしり心に響く内容で、私のまわりの韓ドラ好きはもちろんですが、韓国でもシーズン2を求める声がとっても多かったのだそう。
 とはいえ、カメラアシスタントをする韓国人の友人の話では、「シーズン2を期待されても、韓国ではなかなか実現しない」ことが多いのだそうで、半ばあきらめていた時に、このシーズン2配信のニュース(「シグナル」や「ハイエナ」もぜひプタケヨ<お願い>)。日本の2時間サスペンスドラマなら全て、最初の10分もあれば犯人を言い当てられるほどのサスペンス好きとしては(つーか、それ、誰でも当てられるから)、はやる心を抑えつつ、その森へと足を踏み入れたという次第。
秘密の森2
捜査構造革新団の団長を務めるチェ・ビッ役のチョン・ヘジン

検察と警察の捜査権対立を軸にした、サスペンスドラマの名作

 物語は、主人公の検事シモク(チョ・スンウ)が霧の深い統営(トンヨン=釜山からバスで1時間ほどのところにある韓国のナポリと呼ばれる港町。シモクはこの町の地方検察庁に2年間赴任していたという設定)の夜の海岸で、規制線が切られているのを見かけたところから始まります(のっけから不安を煽るような深い霧に包まれた映像が印象的)。
 気には留めたものの、そのまま別の約束の場へと向かったシモクですが、その現場で、酔っ払った2人の大学生が、規制線を超えて海岸に入り溺死するという事故が発生してしまうのです。
 一方、シーズン1でシモクとともに事件の真相を解明した龍山(ヨンサン)署の刑事ハン・ヨジン(ペ・ドゥナ)は、警察の捜査権独立のため結成された警察庁の捜査構造革新団の主任に任命され、その団長を務めるチェ・ビッ(チョン・ヘジン)のもと、警察に有利となる情報集めに奔走する日々を送っています。
 その日、統営の海岸で自撮りしたカップルの写真をSNSで見つけたハン刑事は、事故との関連性を疑い、統営に赴任中のシモクに事故の詳細を聞こうと連絡を入れるのですが……。
秘密の森2のペ・ドゥナ
龍山署の刑事ハン・ヨジン役のペ・ドゥナ
 事件性のない溺死事故として簡単に処理されようとしていたこの事件は、やがて件の捜査権をめぐる検察と警察の対立が激化するきっかけとなり、過去の単純な事故死として扱われた事件までがクローズアップされるようになっていきます。
 ドラマは、検察と警察の対立に焦点を当てつつ、再会したシモクとハン刑事が、隠蔽された事件の真実を追うという形で展開。捜査権問題と事件と、それをめぐる人物たちのそれぞれの思惑が、複雑に絡み合いながら物語が進んでいくせいか、シモクよりも早く事件の真相を突き止めようと、必死で目を凝らし、耳をすませ、「そのミスリードには騙されないぞ」と細心の注意を払って見進めるものの、慎重をきたせばきたすほど、霧の深みにどんどんハマっていってしまう……、という構成力の緻密さは、シーズン1に引き続き、見応えずっしり(私の友人は、ドラマ途中でシモク以外は誰も信用できない!と叫んでおりました)。
秘密の森2
 もちろん見どころも数々ありますが、シーズン1からのファンとしてはやはりシモクとハン検事の久しぶりに復活したコンビが、どう真実に迫っていくかというふたりの動きに注目せずにはいられません。
 ミュージカル俳優としても活躍する実力派チョ・スンウ演じるファン・シモクは、幼い頃の脳の手術の影響で感情を失ってしまったという設定。そのため、周囲の思惑や組織の中の暗黙のルールなどに惑わされることなく、原理原則にのっとって理性だけで行動できるというところがミソ。
 つまり、いつでもどんなときでも冷静に真実に向かって物事を見極めることができるということで、それはとてつもなく素晴らしい能力なのだけれど、権力社会のなかでつい日和見的な生き方をしてしまう人間にとっては、かなり煙たいキャラクターでもあるわけで。
 一方、ペ・ドゥナ扮するハン刑事は、不正に対しては少しの妥協も許さず突き進む、人間味あふれる行動派。シモクとは違って、感情豊かでありながら、正義感の強さは人一倍で、今回は、所轄の刑事から警視庁へと出向したという微妙な立場で孤軍奮闘するのですが、そんなふたりだからこそ、霧の奥深くに隠されている本当の真実に辿り着けるという……。
秘密の森2

「秘密の森」好きの間でも大激論!シーズン1と2は甲乙つけがたし!

 さて、「秘密の森」好きが集うと、必ずと言っていいほど語られる話題があります。それは、シーズン1とシーズン2、どっちがより好き?という案件。

 検察の闇を握る人物の殺人事件から始まった骨太なシーズン1のほうが好きという人も少なくありませんが(実は、脚本は1も2もイ・スヨンという同じ脚本家が執筆しているのですが、監督は1を担当したアン・ギルホから2はパク・ヒョンソクに交代)、私の周囲では、シーズン2のほうにより心震えたという女性が少なくありません。私も、とっても迷うところです。
秘密の森2
 深い深い霧に包まれた秘密の森の中を、あっちにミスリードされ、こっちにミスリードされ、散々さまよい続けた末にたどり着くのは、事件の真相を遥かに超える作者からの深いメッセージ。

 そもそも検察と警察の対立は何だったのか、そして、真実を解き明かすことのリスクと、でも、人としてあるべき選択と。感情豊かなハン刑事の選択、感情を持たないシモクの熱い思い。周囲から孤立しがちなふたりの静かなる絆がより深まるシーズン2に、私はやはり1票。

 権力に真正面から対峙したシーズン1のずっしり重く響く内容もメチャ感動しましたが、いろいろな思惑がうごめく組織の中で生きる人としてのあり方に深く斬り込んだシーズン2もしみじみとよく。特にドラマラストのチェ・ビッに向かうシモクのセリフとハン刑事の在りようにはぐっと泣けます。さて、あなたはどちら?

その言葉気になる! ドラマの韓国語・ワンポイントレッスン

【예 부장님 서동재 입니다(イェ プジャンニム ソ・ドンジェ イムニダ)】

「はい、部長、ソ・ドンジェです」

秘密の森2
シモクの同僚検事ソ・ドンジェ役のイ・ジュニョク
 ソ・ドンジェとは人の名前です。シーズン1から観ている人はわかるかと思いますが、秘密の森の登場人物のひとりで、シモクの同僚検事にあたります。実は彼もシモクと同様、後ろ盾を持たない検事で、検察庁で出世するにはかなり厳しい状況。それゆえ、権力者の間をいつもコバエのように行ったり来たり。しかも、中途半端に頭と勘がよいのがより始末におけない……。
 
 演じているのはイ・ジュニョク。そんなキャラクターにも関わらず長身の正統派イケメンをあてがうところが上手い(うさんくささの味付けが絶妙です)! で、上記のハングルで書かれたこのセリフは、もちろんソ・ドンジェのもの。

秘密の森2
 ドラマの序盤、統営から原州(ウォンジュ)に異動が決まっていたシモクですが、突然、中央検察庁の部長検事ウ・テハ(チェ・ムソン)に呼び出されます。このウ・テハという部長検事は、これまで重要なポストを歴任してきた検察庁のエリート検事。その彼が警察の捜査構造革新団と対する刑事法制団の責任者となり、その一因としてシモクを抜擢したという次第。で、なんとしても中央検察庁所属になりたいソ・ドンジェは、今度はこのウ・テハに取り入ろうと目論見んでの、このセリフというわけです。
秘密の森2
中央検察庁の部長検事ウ・テハ役のチェ・ムソン
 「예(イェ)」は返事を表す日本語の「はい」にあたる言葉で、とても丁寧な言い方です。
 ソ・ドンジェの部長検事に対する返事なので、この「イェ」が使われましたが、通常ドラマでよく耳にするのは「네(ネ)」という韓国語。ドラマを聞いていると「デ」や「デ〜」と聞こえることも多いのですが、こちらも丁寧な言葉なので、目上の人に使っても大丈夫。
 
 ちなみに日本語でいうタメ口にあたる“パンマル”で使われるのは「응(ウン)」。日本語と同じですね。これを使えるほど親しくなれるイケメン韓国人に早く出会いたいと常に目論んでいるのですが、この状況では渡韓することもいつになるやらで……。
 そして、もうひとつの注目の単語はソ・ドンジェという名詞のあとに使われている「입니다(イムニダ)」。もう基本中の基本の単語ですね。日本語の「です・ます」にあたる語句で、少し改まったシチュエーションで使われます。通常では「예요(エヨ)・이에요(イエヨ)」が使われますが、初対面の人には「イムニダ」を使っておけば間違いありません。
秘密の森2
 私が一番最初に覚えた韓国語のフレーズもこの「イムニダ」が使われた1文でした。

「저는 일본사람입니다(チョヌン イルボンサラミムニダ)」
「私は日本人です」

 ちょっと口に出して言ってみてください。なんか、韓国語、しゃべっている気になりませんか。これだけしか知らなくても、人前でさらっと言うと「スゴイ!韓国語できるの?」と驚かれる確率高しです。
 この「입니다(イムニダ)」ですが、いろんな名詞と組み合わせれば、それだけでひとつの文が成立するので、いろいろ試して遊んでみてくださいませ。
 私的には「내 남자친구입니다(ネ ナムジャチングイムニダ)」「私のボーイフレンドです」を韓国で頻繁に使えるようになることを楽しみに(もちろん韓国イケメン想定)。

 さて、ソ・ドンジェですが、今回のドラマではかなりなキーパーソン。ミスリードに騙されないよう、彼がどんな真相に関わってくるのか、じっくりと見届けてくださいませ。

■『秘密の森』シーズン1配信中、シーズン2Netflixで独占配信中

山崎敦子

山崎敦子

旅行記事に人物インタビュー、ドラマ紹介、実用記事から、着物ライターとさまざまな分野を渡り歩き、今では美容の記事を書くことも多くなったさすらいのライター。襲いかかるエイジングと闘いながら、ウキウキすること、楽しいことを追い求め続ける日々を送る。

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