583系の小さな車窓から。

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100人に1人くらいは、泣いてくださるでしょうか。寝台列車で浴衣でビール、懐かしや、と。
 
陰気な遊びとして、Suicaをデコる方法を考えておりました。
 
Suicaペンギンが窓から顔出しするデザインのラバーケースが何種類か出ていまして、昼夜兼行の583系なら、表情違いの楽しみ方ができるかな、と。
 
Suicaへの直貼りは券売機のスロット故障のもとなので、ご法度です。となると、浴衣やビール缶をきっちり位置合わせした透明ラミネートを作り、重ねて入れるしかない…。わりと面倒そうなので、ひとまず試作どまりに。


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さて、この583系という電車、いかにも昭和の象徴という感じがしてかなり好きです。昼は座席特急、夜は寝台特急として活躍した異色の国鉄車両。輸送力増強を目指す一方で、車両基地のスペースは取らないよう、昼も夜もできるだけ走らせるべくして開発されたのだとか。寝台も三段が中心で、徹底して合理的。

それは一種の貧乏性とも言えるのですが、頑強な車両を作って大事に使い、座席⇄寝台の転換の手間を惜しまないあたりは、健やかな貧しさだと感じます。結果的に、1970〜72年製造で2017年まで団体臨時列車で走り続けた編成もありました。

とりわけ思い入れ深いのは、寝台の上段と中段に備わる小さな窓。Suicaのケースにもちゃんと再現されていますが、これがもう戦車の覗き窓みたいで、乗るたびにワクワクしっぱなし。この小窓から外を眺めていると、夜行につきまといがちな「後ろめたさ」とか「逃避行」「都落ち」といった背徳的なムードが格段に盛り上がるのでありました。この陰気な喜びをもってようやくのタイトルの回収、とさせていただきます。

写真2枚目は、急行「きたぐに」の小窓から見た日本海です。
(編集B)

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