チョン・ヘイン主演『D.P. -脱走兵追跡官-』のセリフを紐解く!【見ればキレイになる⁉韓流ドラマナビvol.16 後半】

エクラの美容記事でもおなじみのライター・山崎敦子がお届けする韓流ドラマナビ。今回は、チョン・ヘイン主演の社会派ドラマ『D.P. -脱走兵追跡官-』のこの言葉に注目!
主演のチョン・ヘインとク・ギョファン
D.P.(=脱走兵追跡官)に任命された兵士2人組が、それぞれに事情を抱える脱走兵たちを追跡するというストーリー。
 今話題の韓国ドラマ、チョン・ヘイン主演の『D.P. -脱走兵追跡官-』の、“気になるセリフ”は、こちら!
【안 도와주고 왜 그러고 있어?(アン トワジュゴ ウェ クロゴ イッソ?)】
「助けてくれないの?(助けてくれないで、なぜ、そうしているの?)」
 主演のチョン・ヘインが、このドラマで演じる新人兵士アン・ジュンホは、実は、幼少のころから母親が日常的に父親からDVを受け続けるという生活環境で育ったという設定です。その情景に怯えて泣き続ける妹をただ慰めるだけしかできないでいたジュンホ。このことがトラウマとなり、ジュンホは両親に対してはもちろん、人に対してもなかなか心開くことのないクールな青年となるわけです。で、件のセリフですが、これは、ジュンホの幻覚に現れた母がジュンホに対して放った言葉。
新人兵士アン・ジュンホ役、チョン・ヘイン
新人兵士アン・ジュンホ役のチョン・ヘイン
 前半部分の「도와주고(トワジュゴ)」は「助けてくれる(あげる)」「手伝ってくれる(あげる)」を意味する「도와주다(トワジュダ)」に、「〜して」とか「〜で」とかを表す連結語尾の「〜고」がついたものですが、この「도와주다(トワジュダ)」も、頻繁に耳にする単語で、「私を助けてください」なら「저를 도와주세요(チョルル トワジュセヨ)」となり、ドラマ内でたびたび聞いたことがある人も多いのではと思います。
 で、この単語の前についている「안(アン)」は否定を表す単語で、動詞や形容詞の前に加えることで「〜しない(〜しません)」という意味に変わります。例えば、「行きます」という意味の「가요(カヨ)」に「안」をつければ、「안 가요(アン ガヨ)」となり「行きません」、「よいです」という意味の「줗아요(チョアヨ)」に「안」をつければ「안 줗아요(アン ジョアヨ)」「よくないです」となるわけです。
D.P.主演のチョン・ヘイン
 このセリフが登場するのは、1話の序盤。憲兵に配属されたジュンホは、軍の牢内の警護の任務につくのですが、そこで、母親が父親に激しく殴打されているDVシーンの幻覚を見ます。父の暴力に、激しくうめき声を発する母親を、傍観するしかないジュンホに対しての母親のセリフがこの「안 도와주고 왜 그러고 있어?(アン トワジュゴ ウェ クロゴ イッソ?)」。つまり「助けてくれないの?(助けてくれないで、なぜ、そうしているの?)」。
 Netflixの訳では、後半が省略されて「助けてくれないの?」となっていますが、実は、この後半のセリフこそ、このドラマの作者が訴えたい重要な意味が込められているので、要チェックです。
「왜(ウェ)」は「なぜ」、「그러고 있어?(クロゴイッソ)」は「そうしているの?」。つまり、「助けてくれないくせに、なぜ、その場にそのままいるだけなの」と、ジュンホを非難する意味合いも、含まれているというわけなのです。
バディを組むク・ギョファンとチョン・ヘイン
D.P.に任命され、バティを組むことになったジュンホ役のチョン・ヘイン(右)と上等兵のホヨル役のク・ギョファン(左)
 ドラマ後半へと進むにつれ、このセリフの意味するメッセージが、ジュンホの、そして見ている私たちの心に重く響いてくるという。ぜひ、覚えておいてくださいね。
■Netflixシリーズ『D.P. -脱走兵追跡官-』独占配信中
山崎敦子

山崎敦子

旅行記事に人物インタビュー、ドラマ紹介、実用記事から、着物ライターとさまざまな分野を渡り歩き、今では美容の記事を書くことも多くなったさすらいのライター。襲いかかるエイジングと闘いながら、ウキウキすること、楽しいことを追い求め続ける日々を送る。
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