あれから約20年。酒井さん自身、または酒井さんを取り巻く周囲には何か変化があったのだろうか?
「戸籍上でいえば、あの当時と変わらず私は独身です。あの作品を書いたあとにパートナーを得ましたが、結婚することなく、世にいう事実婚という形式のまま続いています。周囲はというと、20代で結婚・出産をすませた人たちの中には、別居中という人も多いですね。すでに夫婦仲は冷めてしまったけれどさまざまな理由から離婚はせずに。『負け犬の遠吠え』を出版した当時は、結婚した人・未婚の人とあえてカテゴリーを分けてそれぞれの生き方を描きましたが、今となると、なんだかみんなそんなに変わらないのがおもしろい(笑)。でも、孫ができると、みんな途端に忙しくなるので、子供がいなかった人といる人の人生は変わってくるのかもしれません。今はその手前の人が多いので、話が共有できますね」