柚希礼音×美弥るりか共演!SHOW-ism XI ショー・プレイ『BERBER RENDEZVOUS』(ベルベル・ランデヴー)がいよいよ開幕!【Web eclat限定・後半】

シアタークリエの『ベルベル・ランデヴー』で、宝塚歌劇団退団後、初めて共演する柚希礼音と美弥るりか。11/20からの開幕を控え、今の心境や宝塚時代のエピソードを語ってくれた。お二人の仲のよさが伝わるかけあいトークを前半に引き続きお届け!
柚希礼音と美弥るりか
――今回の舞台『ベルベル・ランデヴー』では登場する女たちがぶつかり合い、化学反応を起こしながらも、一つの作品に向き合っていきます。宝塚時代、お二人も様々な化学反応を体験されただろうと思いますが、一番印象的だったのは?
柚希 私は2番手の頃まではとても明るくて、元気なキャラクターで、それ以外の自分を劇団内で見せることが恥ずかしかったんです。いただいた役がそのようなキャラクターじゃなくても、つい明るい役として作ってしまって。だから役を作ることに限界がきていた時期がありました。かといって急にシリアスになって周りから「どうしたんだ」と言われたくなくて。そんな壁にぶつかっていた頃に、同期の一人が「ちえ、もうさあ、明るいキャラじゃなくてもいいよ」って。

美弥 それすごいですね。きっと言いづらいことだったはず。

柚希 そうなの。「ちえは家に帰ったら本当は根暗だろうし、いろんなちえがいるのに、みんなに見せているキャラクターだけで役作りするのはもったいないよ」と。

美弥 すごい……。

柚希 もうその言葉に感謝。もしこの言葉を言われていなかったらずっと壁を破れなかっただろうと思う。

美弥 今、私も自分のこと思い出しながらうんうんとうなづいていました。

柚希 そういう言葉って、本当に本人が困っている時でないとその人に響かないものだよね。私も学年上がって下級生にアドバイスするようになった時、「あ、この子はもう少し時間を置いた方がいいかな」とかタイミングを考えるようになった。

美弥 私の場合は、研5くらいまで役がほとんどつかなくて、下級生のほうがいい役がついたりして、落ち込んでいた時期があったんです。私自身が入学前に宝塚の大ファンだった分、なんだか現実を突きつけられてしまった感じでした。いくら自分が努力したつもりでも役につながらないんだなとか、誰も自分のこと見てくれていないんだなと。がむしゃらに「やる気あります!」って頑張っても結果につながらなかったらカッコ悪いなと思って、やる気のない振りをしていた時期もありましたね。

柚希 そうだったんだ。

美弥 そんなときにある上級生の方に、「いや、るりかはそんなもんじゃないでしょ?良いもの持ってるのに、そんなやる気ない感じでいいの?」って言ってくださったんです。それがほんとにうれしくてもう大号泣しちゃって。見てくださっている方が一人でもいたのだと。それから心を入れ替えましたね。

柚希 だからあの新人公演のときの質問攻め、情熱、すごかったんだなあ。

美弥 でもホントにあの一言がなかったら、私、たぶん研6くらいで辞めて、違う方向に行くことを考えていたのじゃないかな。あのときの上級生の方に感謝です。
美弥るりか
みや るりか●2019年6月に宝塚歌劇団を退団。その後、俳優・アーティストとして始動。独自の個性を生かし、舞台だけでなくファッション・ビューティーやライブなど 様々なフィールドで活動の幅を広げている 。近年の主な出演作は、「SHOW–ISMS」 Version マトリョーシカ 、the Wonder「MIYA COLLECTION」、「GREAT PRETENDER グレートプリテンダー」、TRUMPシリーズ ミュージカル「ヴェラキッカ」、Musical「The Parlor」、地球ゴージャス 音楽劇「クラウディア」など。
――その言葉がなかったら、今回のお二人の共演を私たちも観ることができませんでした。
美弥 いや全くそうですね!
――改めて、お互いのこんな素敵なところ、かわいいところ、私は知っているぞ!というポイントがあったら教えてください。
美弥 ちえさんの魅力はもうみーんながご存知だと思うけど……。

柚希 なんだろう。

美弥 ゆるゆるふわふわです、本当は(笑)。

柚希 うん、るりるりもね。

美弥 お互いしゃべるのが遅いんですよね。

柚希 夢咲ねねはるりるりと同期だけれど、私の相手役というのもあって結構ビシッと言っていたのに、るりるりにはなぜか甘いっていうね(笑)。

美弥 そうそう。二人で話しているとゆったりとした時間が流れちゃう。それにちえさんには、ファッショナブルでスタイリッシュという印象が世間にはあると思うけれど、私の中ではふわふわぬくぬくとブランケットにくるまっているイメージ。

柚希 そのたとえ、好きだよねえ(笑)。

美弥 はい(笑)。舞台とのギャップが素敵なんですよ。

柚希 新人公演の頃からかなあ、るりるりは下級生なのに、なぜか素を見せられるのよ。るりるりが月組に組替えになってめちゃくちゃかっこいいスターさんになって、「るりかサマ!」ってみんなから言われていても、私にとってはやっぱり「”るりるり”だろう」と。

美弥 あははは。
柚希礼音
ゆずき れおん●大阪府生まれ。'99年に宝塚歌劇団に入団。'09年、星組トップスターに就任。宝塚時代の主な主演舞台に「ロミオとジュリエット」「オーシャンズ11」「眠らない男・ナポレオン -愛と栄光の涯(はて)に-」など。'15年5月、「黒豹の如く」「Dear DIAMOND!!」にて宝塚歌劇団を退団。退団後もミュージカル「マタ・ハリ」や「FACTORY GIRLS〜私が描く物語〜」、ドラマ「持続可能な恋ですか~父と娘の結婚行進曲~」など舞台や映像で活躍。
――今回の舞台は砂漠という厳しい環境での映画撮影という設定です。ある宝塚のOGの方は「あの大変だった宝塚時代を思い起こせば、どんなことでも乗り切れる。あれより大変なことはない」と。
柚希 その通りです。「あのときのあの公演が乗り越えられたのだから、今のこの大変さなんて大したことない」とよく思いますね。荒通しの段階で台詞をもらっても間に合ったし、秒単位での早着替えもやったし。もう大変だったことがありすぎて(笑)。

美弥 朝11時公演っていうのがまずとんでもないですよね。何時に起きたら間に合うんだと(笑)。それに新人公演の舞台稽古は朝7時半ですよ。日本物(和物の舞台)だとその段階で白く塗り終わっていなくちゃいけない。

柚希 11時公演終わって次が15時30分公演なので、間の時間が本当に少ししかないし(笑)。

美弥 常に猛ダッシュでした。

柚希 あの日々を思えばもう何でもできるよね、私たち(笑)。
美弥るりか
――そんな充実の宝塚歌劇団を卒業し、お二人とも今はさまざまなスタイルで舞台に立たれていますが、さらに今後挑戦してみたいことは何でしょう。
柚希 そうだなあ、いつかは世界一周。

美弥 素敵~!私は田舎暮らし。

柚希 それもいいなあ。

美弥 東京でしか味わえない刺激はあるし、お仕事もあるけれど、人間の原点というものをもっと感じられる場所にいたいなあと思うことがあるんです。二拠点生活とか憧れるなあ。

柚希 私、老後は絶対に温泉地に住もうと思ってる。

美弥 あ、私は三浦半島の老人ホームを考えてますよ。

柚希 え、どういうこと?

美弥 本当にいいんですよ、三浦半島の老人ホーム。オーシャンビューで、素敵な施設で広々していて、その中でみんな老後は恋をしたり、麻雀したり。

柚希 いいなあ、私もそこがいい。

美弥 もちろん病院もついていて安心。

柚希 三浦半島、だっけ?

美弥 三浦半島!

柚希 それ最高だね。

美弥 最高なんですよ!(笑)
(柚希さん)ジャケット¥308,000・スリットスカート¥184,800・パンツ¥140,800・ニット¥60,500/イザ(ニナ リッチ) ショートネックレス¥23,100(イオッセリアーニ)・ミドルネックレス¥31,900(デルフィーヌ シャルロット パルモンティエ)・ロングネックレス¥31,900(イオッセリアーニ)・ピアス¥22,000(イオッセリアーニ)・リング¥30,800(ジェム・キングダム)/以上アッシュ・ペー・フランス

(美弥さん)Tシャツ¥242,000・スカート¥141,900・イヤカフ¥47,300・シルバーリング各¥62,700・ブラックリング¥63,800/以上ジバンシィ ジャパン(ジバンシィ)
ベルベル・ランデヴー
SHOW-ism XI ショー・プレイ『BERBER RENDEZVOUS』(ベルベル・ランデヴー)
演出家・小林香の人気の舞台SHOW-ismシリーズ第11弾。パリで映画撮影のはずが、サハラ砂漠にポツンと建つスタジオに連れてこられた女たち。謎のクライアントからのオーダーは「ここで映画を一本撮影せよ」というもの。果たしてどうなる? 柚希礼音と美弥るりかを軸に、オール女性キャスト11人と、超豪華ゲストで送るソング&ダンスでつづるショー。
●11/20~12/5、シアタークリエ 問☎03・3201・7777(東宝テレザーブ)

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