「一緒に暮らして5年半たっていたのですが、籍を入れるか入れないかについてはずっと話していました。この年齢だし、お互い子供がいるわけでもない。姓が変わるなど、いろいろと細かいことが生じる中で結婚に踏み込むことのメリット、デメリットは何か。時期のずれもありましたね。向こうが籍を入れることに積極的な時期には、私が『うーん』となり、こっちがその気になったときは、向こうがそうではなかったり。最後の最後は彼から『入籍する日をこの中から選んで!』と唐突でした。だから、バーンと背中を押されて勢いで、というのが正直なところです。ふたりとも計算高いわけでもないし、積極的に籍を入れる理由もない。だからこそ『どうする、どうする』という時期が長かったので、そんなふうにポーンと押されないかぎりは、ずるずるしてたんじゃないかと思います」
背中を押す要因のひとつにコロナ禍も影響していたのだろうか?
「彼はそういってますね。それまでは私も仕事でしょっちゅう海外に行っていたので、ふたりで過ごす時間がそこまで多くなかった。コロナ禍で家にいる時間が長くなる中で、結婚してもいいかなと思うようになった、と。本音かどうかはわかりませんが(笑)」
お相手はミシュランで星を獲得している有名レストランの統括支配人。食べることが好きな伊達さんと食の好みが一致していることも大きかったのだろうか。
「そうですね。年々、食べることが自分の人生において心の豊かさをつくり上げる大きな要素になっているので、そこは共通しているところです。彼の職業柄、仕事のときは味に当然厳しく、何が入っているかもすぐにわかるのですが、家の料理に関してはアバウトでも大丈夫とわかり、今は気楽に料理しています。彼自身は料理をしないのですが、家で作ったものを食べていると調味料に何を使ったか言ってくるのでさすがだなぁと感心すると同時に、ごまかせないので恐ろしいです(笑)。でもオンオフの切り替えがある人なので手抜きをいっぱいしています」