「新NISA」が始まる前にこれだけは!資産を正しい“棚”の位置に戻して整理する

NISAの新制度を間近に控え、うまく波に乗るために、今からやるべきこととは? 今回は資産の整理について、ファイナンシャルプランナー・山中伸枝さんが解説。資産を正しい棚の位置に戻しておこう!

教えてくれたのは…

山中 伸枝さん

山中 伸枝さん

ファイナンシャルプランナー。アセット・アドバンテージ代表。年金と資産運用のスペシャリストとして活躍。監修に『いちからわかる! つみたてNISA&iDeCo 2023年最新版』など。

資産を正しい“棚”の位置に戻す

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資産を正しい"棚"の位置に戻す。普段使う生活費は普通預金に、老後資金はiDeCoを選ぶなど

10年以内と10年より先のお金の置く場所を変えよう

自分の持っているプラスとマイナスの資産の棚おろしが終わったら、次はそれを正しい位置に戻す作業を。

「棚を片づける際も同じですが、ものを全部出して確認したまではいいけれど、何も考えずに再び棚にものを詰め込んだり、計画もなく新たに棚を買ってきたりしたら、結局はごちゃごちゃのままですよね。自分にとって使いやすいように、適切な位置に戻すことが大切です」

よく使うお金は取り出しやすい普通預金口座、しばらく使わないお金は手の届きにくい定期預金口座、という具合に用途に分けて分類を。

「今後3カ月以内に使うお金は、給与振込口座の普通預金に入れておきましょう。そして、今後10年以内に大きな支出がいくらくらいかを考えてみてください。例えば車の買い替えやお子さんがいるかたは教育費など、そのお金は元本保証の金融商品で取っておきたいので、ネット銀行の定期預金に入れるのがよいでしょう。10年より先に使うお金なら、運用で増やしていきたいですね。来年から始まる新NISAはまさにぴったりです。老後資金が目的ならiDeCoもいいでしょう。ただし、iDeCoは原則60歳までは引き出せない点に注意してください」

もし「10年以内に使うお金」が足りない場合は「10年より先に使うお金」と並行して積み立て、準備していくのがおすすめだそう。

「10年以内に使うお金だけを優先して貯めると、10年より先のお金の準備が間に合わなくなります。例えば10年以内に使うお金が不足している場合、もし月5万円の積み立てができるなら5万円全部を定期預金にするのではなく、定期預金で4万円、NISAで1万円に積立額を分けるのが大切。同時並行で進めて、両方のお金を着実に準備しましょう」

すでに10年以内に使うお金が貯まっていれば、運用で増やそう。

「このように、お金をどの棚に整理するか、今後どの棚に積み立てていくかがわかれば、安心感がアップするはずです」

片づけと同じように“棚”に整理しよう!

3カ月以内に使うお金普通預金

10年以内に使うお金ネット銀行の定期預金

10年より先に使うお金NISAで増やす(老後資金ならiDeCoでもOK)

資産全額を普通預金に置いたり、投資に回しすぎたりしないように注意。「お金を使う時期や目的を考えて、最適な置き場所を選びましょう。3カ月以内に使うお金は入出金しやすい普通預金に、10年以内に使うお金はネット銀行の定期預金にすれば金利が少しアップします。もっと先に使うお金なら、超低金利の預貯金に預けっぱなしにせず、NISAやiDeCoを活用して増やしていきたいですね」

定期預金とNISAのバランスはこう考えよう!

同じ月5万円の積み立てでも……

「ほぼ10年以内に使うお金は貯まっているAさん

定期預金月2万円、NISA(投資)月3万円

10年以内に使うお金が、まだ全然ないBさん

定期預金月4万円、NISA(投資)月1万円

仮に月に5万円を積み立てる余力がある場合、現在の状況に応じて積み立て先を分けていこう。「10年以内に使うお金が貯まっていれば、投資に回すお金を多めにしていいでしょう。一方で、全然貯まっていなければ、定期預金を優先しつつ、同時に少額でもよいので投資の積み立てもしていきましょう」

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