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コラムニスト ジェーン・スー《中編》50歳を迎えた今思うこと【エクラな美学 第6回】
古くは与謝野晶子、現代ならさしずめユーミン、そしてこの人、ジェーン・スー。50歳を迎えた今、年齢についてどう感じているのか。前中後編の中編では、年齢についての考え方について聞いてみた。
コラムニスト ジェーン・スー《後編》自意識スイッチをオフして50代を謳歌したい【エクラな美学 第6回】
推し活で元気をもらい、自意識スイッチもオフ
スーさんが今ぞっこんなのが、インディペンデントのプロレス集団「ガンバレ☆プロレス」、通称ガンプロだ。
「’20年、コロナ禍で誰もが監視下に置かれているようで疑心暗鬼になっていたころ、インスタグラムで偶然にガンプロの選手を見つけ、動画を見て打ちのめされたんです。自分の肉体を使って表現している姿に。誰もが身動きできないときだったのでものすごくインパクトがあって。私自身は、やろうと思えば口先や手先だけでなんとでもできる仕事をしているわけじゃないですか。もちろんそうしないように気をつけてはいますが。だからよけいに、なのかもしれません」
スーさんにとって推し活は実は初めての経験だった。
「人が推し活に夢中になっている様子を見て、いいなあ、でも私はちょっと違うかなと思っていたのに、ホント楽しい。多少つらいことがあってもがんばれる。連れていった友だちがハマるのを見るのも楽しいですね。みんなが推し活する理由がわかりました。そして今や、ガンプロの大会の予定が決まらないと私のスケジュールも決まらない(笑)。チケットも決して安くはないけれど、私、きっとこのために今までがむしゃらに働いてきたのだなと思えるんです」
だが当初は、何をやっているのかプロレスの見方がまるでわからなかったという。
「何度も何度も繰り返し見ていたら、『家出のドリッピー』の英語が突然聞こえてきた!じゃないけれど、ある日突然わかるようになったんです(笑)。それを体験できたのも貴重でした。これまでも人形浄瑠璃とか見方がわからなかったものがあるけれど、繰り返し見たらわかるのかもしれないんですよね。楽しみが増えました」

「自分を縛っていたのは、世間の目ではなくて自意識かも。自意識スイッチをオフにして50代を謳歌したい」
といいながら立ち上がり、コーヒーメーカーに駆け寄るスーさん。スタッフを制して自らコーヒーを注ぎながらこう続ける。
「受け身でいても楽しませてくれるコンテンツに慣れてしまうと、感性って絶対に鈍るんです。逆にちょっと複雑なものやハードルが高いなと思っていたもの、苦手意識のあったものこそおもしろがれるかどうか。自分がこれまでに培った好奇心と観察力と理解力が問われる。50代ともなると本当にその人しだい、とても差がついてしまうところなんです。私もそこは磨き続けていきたいですね」
スーさん自身、自分に対する禁止事項をひとつずつ減らしていこうとしている。
「例えばエクラのようなファッション誌での撮影は、これまでの10年間、絶対に受けてこなかったんです。慣れてないとか恥ずかしいとか、自意識がじゃましていたんですね。でもしだいに、チームでものをつくっていく現場では私の自意識なんてマジで関係ないぞ、と思うようになりました。自意識のスイッチをオフにして求められていることをやろうじゃないかと。ただ、それまでの自分のままで新しい場所に出ていくのではきっと苦しい思いをするだけ。せっかく挑戦するのなら思いきって違う自分になりきったほうがうまくいくということにも気づいたんです。実際そのほうが楽しいんですよ」
私たちもスーさんに続き、ぜひとも自意識スイッチをオフして、見える世界を塗り替えたい。
「50代って、だからとても楽しい時期じゃないかな。自分を縛っていたのは実は世間の目じゃなくて、自分自身だったと思いません?」
ジェーン・スーの今の活動の現場から
スーさんの言葉に力づけられているのは女性だけではない。著書やラジオ、トークイベントを通して全国の老若男女に広がりつつある。
ラジオやポッドキャストのパーソナリティが長年のライフワークに

TBSラジオ月~木曜の帯番組『ジェーン・スー 生活は踊る』やポッドキャスト『ジェーン・スーと堀井美香の「OVER THE SUN」』などパーソナリティとしても活躍。リスナーからの多様な相談事にリアルタイムで答えていく。日々答えてきた相談はこれまでに2000通を超えた。「相談コーナーでは、ほかの多くのリスナーを安心させるためではなく、あくまで相談してきた人にだけ返事をするという気持ちで答えるようにしています」。ゲストとのテンポのいいかけ合いに爆笑させられることもしばしば。
男女共同参画を目的とした自治体のトークイベントでの講演

基本的に講演依頼は受けていないスーさんだが、全国の自治体の男女共同参画を目的としたトークイベントのオファーは積極的に受けるという。「東京から“黒船”がきたという印象を与えることもあるかもしれませんが、どこに行っても私の本を読んでくれている人がいる。私自身が姿を見せて話すことで、その人たちに元気を渡せるなら喜んで行きますよ」。女性を取り巻く事情は、東京や政令指定都市とそれ以外の地域でまるで異なるとも。「東京は女性ひとりで住むのに特別に楽勝な土地ですからね」。
コラムニスト活動10周年。『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』でインタビューエッセーを発表

年齢も職業もバラバラの女性13人に話を聞いてまとめたインタビューエッセー。登場するのは、自分で自分の居場所を切り開いてきた女性たちだ。齋藤薫、柴田理恵、君島十和子、大草直子、吉田羊、野木亜紀子、浜内千波、辻希美、田中みな実、山瀬まみ、神崎恵、北斗晶、一条ゆかりの13人。
「全員に共通するのは、もともと用意されていた場所にポンと収まったのではなく、自分で自分の居場所をつくって輝いているということでした」

ジェーン・スー
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コラムニスト ジェーン・スー《前編》デビューからこれまでの10年を振り返る【エクラな美学 第6回】
古くは与謝野晶子、現代ならさしずめユーミン、そしてこの人、ジェーン・スー。彼女が紡ぎ出す言葉で、より強く、よりいきいきと輝きはじめた女たちがどれだけいることか。自身も50歳を迎えた今、私たちにどんな言葉を投げかけてくれるだろうか。前中後編の前編では、デビューから今までの10年を振り返ってもらった。
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