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コラムニスト ジェーン・スー《中編》50歳を迎えた今思うこと【エクラな美学 第6回】
古くは与謝野晶子、現代ならさしずめユーミン、そしてこの人、ジェーン・スー。50歳を迎えた今、年齢についてどう感じているのか。前中後編の中編では、年齢についての考え方について聞いてみた。
コラムニスト ジェーン・スー《前編》デビューからこれまでの10年を振り返る【エクラな美学 第6回】
デビュー作から10年。勇気を届ける言葉を紡ぐ
直線が織りなす大胆なグリッドパターンのドレスにふわりと風をはらませて、スッと一歩を踏み出す。その姿はまるで現代のジャンヌ・ダルク。その後ろに続くのは、彼女の言葉から勇気を受け取ったエクラ世代の女性たちかもしれない。
ジェーン・スー、50歳。切れ味鋭いエッセーを多数世に送り出してきた。『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』に始まり、講談社エッセイ賞を受賞した『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』など、その多くが悩みをこじらせかけている女性たちへの応援歌だ。
冒頭から巻末まで「これってまさに私のことだ」と誰もが膝を打つ言葉であふれ返り、時には鋭い指摘に満身創痍に。けれど行間からは「大丈夫。その悩み、とことん付き合うよ」というスーさんの包容力が伝わってくる。読み終えるころには心も体もフルにメンテナンスされ、すがすがしささえ感じるはず。そんな痺(しび)れる言葉の数々を、スーさんはどうやって獲得したのだろう。
「それってなかなか説明できないんですよ。何か特別にインプットしたりしてないし勉強したわけでもない。そもそも書くことが人より得意だとも思っていなかったですし。例えば、家族3人分の食器やランチョンマットをそろえてテーブルデコレーションをパパッとできる人は、私からすればなぜできるんだと思うんです。自分はそういうことがまったくできないから。ずっとミッフィーのお茶碗でごはんを食べてるし、ローソンのお皿3種類くらいで回してるので(笑)」

それでもやぼを承知であげてみる。傷つき疲れ果てた女友だちをオーバーヒートしたF1カーになぞらえ、まわりの女友だちがこぞってケアすること=「ピットイン」。正しいたたずまいの暮らし方にとりつかれること=「ていねいな暮らしオブセッション」。一瞬で共感できるワーディングだ。
「10年ほど前はそういった言葉がポンとわいてきたんです。書いてて楽しかった。でもだんだんと、あえてそのレトリックに自分でハマらないように、できるだけ平坦に表現しようと思うようになりました。どうしてもその言葉だけが粒立ってしまい前後の思いが伝わらないときもあって、それでは本末転倒になるだろうと。私も執筆を始めて今年で10年、その段階にさしかかっているのかもしれません」
デビュー作から10年、この春上梓したのが『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』だ。マザー・テレサやキュリー夫人など伝記になるような偉人ではなく、もう少し身近に感じられる立場の女性たちが、自分で人生を切り開き自分の居場所をつくった話が聞きたい。そんな思いで、年齢も職業もバラバラの女性13人に話を聞いてまとめたインタビューエッセーだ。エクラ本誌でもおなじみの齋藤薫、大草直子、神崎恵、俳優の吉田羊や田中みな実、脚本家の野木亜紀子、漫画家の一条ゆかりなどなど。ここに登場する一人ひとりの人生や彼女たちが戦っていた時代を、読み進めながら追体験しているようだ。
「一番年上の一条ゆかり先生から下は辻ちゃんまで、それぞれ戦っていた時代背景がある。私たちは先達が露払いしてきてくれた道を歩んできたのだなとも思いました。私たちエクラ世代もそれを受け継いで、下の世代の女性たちのために道をつくっていけたらいいなと改めて思うんです」
(中編へつづく)

作詞家・コラムニスト・ラジオパーソナリティ ジェーン・スー
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