【今月のおすすめ本】女性の身体や性のありのままがつづられた『私の身体を生きる』ほか計4冊

エクラ世代におすすめしたい書籍を厳選! 身体や性についてありのままにつづられた『私の身体を生きる』、女性差別と戦ったモンローの実像が浮かび上がる『マリリン・トールド・ミー』ほか今読みたい4冊を紹介。

『私の身体を生きる』

『 私の身体を生きる 』

自分のありのままをつづる作家たちの勇気に感謝

西加奈子、村田沙耶香ほか

文藝春秋 ¥1,650

作家や漫画家など17人の女性たちによるエッセーを読みながら、何度驚かされ、感謝しただろう。自慰の習慣、性被害の体験、前彼と今彼とのセックスの違い、子宮筋腫の手術と流産、加齢による性欲の変化、40代後半で発達障害と診断されたこと、性転換手術までの経緯……。プライベート中のプライベートを、ここまで正直に明かしてくれるなんて! 身体や性という厄介なものとの付き合い方で悩んだとき、あなたを支え背中を押してくれる宝物のような一冊だ。
 

『マリリン・トールド・ミー』

『マリリン・トールド・ミー』

モンローとの時空を超えた電話から始まる成長物語

山内マリコ

河出書房新社 ¥1,870

コロナ禍の日本に生きる女子大生と、’60年代のハリウッドでセックス・シンボルとして搾取されるM・モンロー。ある夜、つながっていない電話のベルが鳴り、孤独の極みにあったふたりがつながる。女性差別と懸命に戦っていたモンローの実像を知り成長していく主人公に、拍手。
 

『あなたの代わりに読みました』

『あなたの代わりに読みました』

この10年の必読書154冊がまるわかり!

斎藤美奈子

朝日新聞出版 ¥1,980

忖度なしの書評で知られる文芸評論家が、’13年以降に出版された話題の本、ニュースや社会の裏がわかる本、超おもしろくて知性と感性を磨ける本、暮らしや人生の指針となる本を厳選。テーマ別に分類されたコンパクト&鋭い評を読むだけで、154冊のエッセンスが伝わってくる。
 

『笑う森』

『笑う森』

ASDの幼児を森で助けた「くまさん」の正体は!?

荻原 浩

新潮社 ¥2,420

森で行方不明になって1週間後、健康体で見つかった5歳児。ASDで「助けてくれたのはくまさん」としかいえない彼を誰がケアし、なぜ森に置き去りにしたのか。小説巧者ならではの展開の妙に一気読み。悪にも善にも振れる人間の多面性を描きながら、読後感はさわやかだ。

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