「今を生きる」バレエダンサー・上野水香さんほか3名の心動かされた言葉

さまざまな経験を重ね、多方面で活躍するエクラ世代の女性たち。起伏に富んだ人生を歩み、これからも前に進んでいく彼女たちは、自分を変えてくれた言葉、自分を支える言葉を胸に秘めている。今回はバレエダンサーの上野水香さんと、俳優の羽田美智子さん、スタイリストの大草直子さんの心動かされた言葉をご紹介。

大草直子さんの心動かされた言葉

自由に楽しく仕事したほうが、あなたの可能性を発揮できる

シングルマザーだった30歳のとき、フリーランスを続けていくか、会社に属するか迷っていました。ふと、そう漏らしたときに、女性誌の編集長が少し考えてから、「大草さんは、フリーのほうが向いている」と、この言葉をかけてくださいました。その瞬間に私の心は決まり、自分の責任で、自由な翼を手にがんばっていこうと決意を固めました。あのときの言葉がなかったら、今の私はいないと思います。

言葉には、「視覚から入る言葉」「音声での言葉」があり、それぞれとらえ方が異なり、よさがあります。日記を書く、交換日記をする、軽井沢に住む祖父と文通をする、本や雑誌を読んだりするのは視覚から、映画を見る、好きな友だちとおしゃべりしたりするのは音声から。自分を見つめたり、コミュニケーションをとったり、知識や世界を知ったり、励まされたりするのは、いつもそうした“言葉”でした。不思議とずっと、覚えている。感じ方も、そのつど違う。そして、時にそっと、記憶の引き出しから取り出すのが、とても好きです。

『AMARC』主宰、スタイリスト 大草直子

『AMARC』主宰、スタイリスト 大草直子

’72年、東京都生まれ。現ハースト婦人画報社へ入社し、雑誌『ヴァンテーヌ』の編集に携わったのち、独立。’19年に『AMARC』を立ち上げ。10月、更年期やおしゃれ、美容についてつづった新著を発売予定。
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上野水香さんの心動かされた言葉

今を生きる

バレエでは、目の前にあるものが舞台であったりします。それに集中するためのモチベーションとして、自分の中で自然に生まれた言葉です。先のことが不安で心配になったり、過去のことを悔やみそうになったりするとき、自分ではコントロール不可能なことを考えるより、今を大事にすることに気持ちをもっていったほうがいい未来をつくれるはず。だから、自分の中でこの言葉を常に言い聞かせています。「言霊」という言葉のように、「いえば現実になる」といわれていますが、言葉を発するのはあくまで外側の部分であり、自分の中で何を信じるかということが、物事を実現にもっていくのだと思います。言葉はコミュニケーションツールとしてなくてはならず、言葉をもつのは人の特権ですが、大切なのは、その奥にある思い。言葉は時に人を振りまわすこともあるだけに、発する言葉は大切に扱うべきだと思っています。

バレエダンサー 上野水香

バレエダンサー 上野水香

神奈川県鎌倉市生まれ。’93年、15歳でローザンヌ国際バレエコンクールでスカラシップ賞を受賞。’23年4月、東京バレエ団 ゲスト・プリンシパルに就任。同年、紫綬褒章を受章。代表作は「ボレロ」。写真/筒井義昭

羽田美智子さんの心動かされた言葉

自分の生きる道を愛しなさい。そして愛することを自分の人生に

「自分のすること、やらなくてはならないことがあるとすれば、それをどうしたら愛せるか心をつくせ。そして愛する人や物、事を自分の人生に取り入れていけばいい」という恩師の言葉で、私も素直にそうしようと思いました。私は、最初に放つ言葉がその後の成り行きを変えると思っています。「動物の中で言葉をもつのは人間だけ」と考えると、楽しく言葉を使いたい。美辞麗句ではなく、心から出てくる言葉には人の心を動かす力があると感じずにはいられません。

俳優 羽田美智子

俳優 羽田美智子

’68年、茨城県生まれ。映画『RAMPO』で日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。多くの映画やドラマに出演。「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介、販売するwebセレクトショップ『羽田甚商店』の店主も務める。
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