「やればできる」「たいていのことはどうにかなる」辛酸なめ子さんほか自分を支えてくれる言葉とは?

さまざまな経験を重ね、多方面で活躍するエクラ世代の女性たち。起伏に富んだ人生を歩み、これからも前に進んでいく彼女たちは、自分を変えてくれた言葉、自分を支える言葉を胸に秘めている。今回は漫画家、コラムニストの辛酸なめ子さん、フリーアナウンサーの久保純子さん、エディターの松本千登世さん、産婦人科医・高尾美穂さんの心動かされた言葉をご紹介。

辛酸なめ子さんの心動かされた言葉

やればできる

音大附属の幼稚園に通っていて、楽器がへたでコンプレックスに悩んでいたところ、見かねた園長先生にこの言葉をかけられました。昭和っぽい言葉ですし、それで急に楽器がうまくなったとかはないのですが、ポジティブな言霊を植えつけられた気がします。ちなみに木魚だけは相性がよかったみたいで、一生懸命叩いていたらほめられました。言葉には、ひとつひとつになんらかの価値が宿っているように感じます。10代20代は「お金がない」が口癖で、それでお金がない状況を引き寄せていたように思います。私は自分はダメだと思いがちなので、表面的にも「自分は大丈夫」とポジティブな言霊をかけて自分を励ましています。

漫画家、コラムニスト 辛酸なめ子

漫画家、コラムニスト 辛酸なめ子

’74年、東京都生まれ埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。恋愛や皇室など幅広いテーマで執筆。最新作は『川柳で追体験 江戸時代 女の一生』(三樹書房)。

久保純子さんの心動かされた言葉

なせば成る、なさねば成らぬ、何事も

これは、母がよくいっていた言葉です。母は“行動を起こさなければ、何も始まらない。当たって砕けろ!”精神を地で行く人。アナウンサーから中高の英語の教師になり、英語学校を建て、生徒たちを海外のホームステイに連れていくなど、アクティブに行動してきました。仕事以外でも、60歳を過ぎてからダイビング、バタフライ(水泳)、太極拳、スキーなど、あらゆることに挑戦。母は常に、「なんでも挑戦したほうがいい、やり続けることが大事」と話しています。

言葉には、不思議な力が宿っていると思います。いい言葉を発していくと、そのとおりいい道が開けていく。そして、自然と心も穏やかになっていく。私も常にポジティブな言葉を発していこうと心がけています。

フリーアナウンサー 久保純子

フリーアナウンサー 久保純子

’72年、東京都生まれ。10代はイギリス、アメリカで過ごす。NHKを経てフリーアナウンサーに。現在はニューヨーク在住。’22年、念願のモンテッソーリの幼稚園教諭に。子供たちとの日々を楽しむ。
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松本千登世さんの心動かされた言葉

よくできました、100点満点。でも……、つまんない

友人のスタイリスト・中里真理子さんが師匠にいわれた言葉で、私も心に響いたものです。彼女はいわれたとおり、忠実に行ったら、「200点か、20点か、どっちかにして、私を驚かせてほしいの」といわれたそう。大人になればなるほど、誰も傷つけない、自分も傷つかない、安心安全なコンファタブルゾーンに自分を収めがち。でも、自分の枠を、常識の枠をはみ出してみる、そんな小さなチャレンジに、新しい自分が見つかる気がするんです。ことあるごとに、この言葉を思い浮かべて、未体験を体験してみよう、もっと高みを目ざそう、と思っています。言葉には目に見えない力があります。いや、言葉が顔を変える、言葉が顔をつくる。だからこそ、選ぶ言葉、使う言葉は、見た目に表れると信じています。

エディター、ライター 松本千登世

エディター、ライター 松本千登世

鳥取県生まれ。美容や女性の生き方について執筆。著者に『顔は言葉でできている!』(講談社)など。’24年、自ら立ち上げた出版レーベル「BOOK212」より初の絵本『ピンクのカラス』を刊行。

高尾美穂さんの心動かされた言葉

たいていのことはどうにかなる

この言葉は、私がこれまでの人生で実感してきたそのもの。私たちは日常生活において、さまざまなことに対し「気に病む」経験をします。人のことが気になったり、SNSの投稿が気に入らなかったり、新しい仕事に気負いを感じたり、電車に間に合わなそうで気が急いたり、パワーカップルを見て気おくれしたり。でも、それらはすべて私たち自身の「気の持ちよう」なんですよね。人には、いつもたどりがちな思考回路があって、それを変えることはとてもむずかしい。でも、ふだんから接する言葉や発する言葉を変えていけば、気がつけば考え方のパターンを変えられているかもしれないと思うのです。

産婦人科医 高尾美穂

産婦人科医 高尾美穂

愛知県生まれ。東京慈恵会医科大学大学院修了。’13年から「イーク表参道」副院長。近著『こうしたらきっとうまくいく 心がフワッと軽くなる82のヒント』(扶桑社)など著書多数。
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