「もっとも、離婚すれば幸せが待っているわけではありません。それどころか、生活が困窮したり、今までの人間関係がくずれたりと、“損”なことが起こる可能性のほうが高いくらい。特に大きいのはメンタル面。夫と別れてせいせいしたと思えるのはほんの一時。支えてくれる人が近くにない場合、不安や寂しさから立ち直るのに、けっこう時間がかかるものです。離婚がもたらす“損”と“得”を、客観的に考え、冷静に判断してください」(岡野さん)
バロメーターになるのは、「子供が自立している/味方になってくれる」「親・兄弟が賛成してくれる」「ひとりになってもメンタル面は大丈夫/周囲の中傷にめげない」「具体的な将来像を描ける」「経済的に自立している/十分な財産分与がある」など。
離婚後、シングルマザーとして子供を育ててきた豊田さんは、「離婚は経済的に損する場合が大半」と断言。
「多額の財産分与があるとか、実家が援助してくれるなら別ですが、それはレアケース。特に専業主婦の場合は切実。働くことになると思いますが、すぐに就職できるかわからないうえに、十分な収入が得られるとはかぎりません。すでにフルタイムで働いている場合でも、生活水準を下げる必要が出てくるでしょうね。子供の年齢によっては教育費も用意しないといけませんし、養育費だって、支払いが滞らないという保証はありませんから。
それでも、精神面などでの得が、経済的な損を確実に上回るなら、離婚はありだと思います。ただし、迷いがあるのなら、離婚以外の選択肢があるということかもしれません」(豊田さん)