英国カルチャーを振り返る「テレンス・コンラン展」へ【ウェブエクラ編集長シオヤの「あら、素敵☆ 手帖」#83】
東京ステーションギャラリーにて、テレンス・コンランの展覧会が開催されています。そう、あの「ザ・コンランショップ」のコンラン卿です。展示はもちろん、ミュージアムグッズもチェックしてきました!

ウェブエクラ編集長 シオヤ
50代女性のための雑誌&ウェブメディア「エクラ」のウェブ担当編集長。155cmのアラフィー。ビューティ・小柄担当多め。鈍感肌。盛ってます。
JR東京駅の丸の内北口にある「東京ステーションギャラリー」。ここで「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」と題する展覧会が開催されています。コンラン氏の展覧会は、日本で初めての開催なのだとか。プレス向けの内覧会があるとのことで、参加してまいりました。

コンラン氏は1931年にイギリスで生まれ、2020年に88歳の生涯を終えました。
デザイナーであり「ハビタ」「ザ・コンランショップ」を手掛けた実業家であり、長年イギリスの衣食住はじめ生活文化に大きな影響を与えてきた人物です。「ザ・コンランショップ」の日本1号店が新宿にオープンしたのは1994年のことだそうですが、インテリアをはじめ日本の文化にも大きな影響を与えてきたことは、よくご存じの方も多いと思います。
デザイナーであり「ハビタ」「ザ・コンランショップ」を手掛けた実業家であり、長年イギリスの衣食住はじめ生活文化に大きな影響を与えてきた人物です。「ザ・コンランショップ」の日本1号店が新宿にオープンしたのは1994年のことだそうですが、インテリアをはじめ日本の文化にも大きな影響を与えてきたことは、よくご存じの方も多いと思います。

内覧会では、ロンドンの「デザインミュージアム」館長さんが来日されてスピーチをされましたが、1950年代から活動を始めたコンラン氏が、戦後のイギリスの復興と共に「モノではなく、イギリス人のライフスタイルを生み出すことに手腕を発揮した」と語っていらっしゃいました。
コンラン氏は20代でデザイナーとしての活動をはじめ、家具製造を手掛けます。展覧会は8章に分かれており、始まりの1章ではテキスタイルを学び、デザインや家具製造に力を入れていった若きコンラン氏の活動が展示されていました。
コンラン氏は20代でデザイナーとしての活動をはじめ、家具製造を手掛けます。展覧会は8章に分かれており、始まりの1章ではテキスタイルを学び、デザインや家具製造に力を入れていった若きコンラン氏の活動が展示されていました。


さて、その先に目に飛び込んできたのが、こちら……。

「ハビタ」です! コンラン氏が1964年にロンドンにオープンしたショップ「ハビタ」1号店の様子が再現されていました。かわいい!

「ハビタ」、80年代に日本でも西武百貨店が展開していたんですよね。シオヤがロンドンのハビタに初めて行ったのは20代、90年代に入ってからなのですが、手ごろな値段でおしゃれな雑貨が並んでいるのにワクワクしたのを思い出します。雑貨をすべて手に取れるように陳列して、デザインの豊富さをアピールし、スーパーマーケットのように製品を見せていく「ハビタ」の手法は、当時のイギリスではとても新鮮だったそう。1号店開店時には、こんなカゴや、ライトにケトル……といった製品が、実際に店頭に並んでいたそうです。

紙袋も展示されています。創業初期から80年代までの紙袋、よく取ってありましたよね……。「ハビタ」は、日本を含め、フランス、アメリカ……と海外にも出店していきます。

ザ・コンランショップで90年代に使用されていた紙袋も展示されていました。シオヤも、このデザインには、うっすら覚えがあります。ザ・コンランショップで買い物をしたときに、この紙袋に入れてもらったのでしょうか。懐かしい!と感じる方もいらっしゃるのでは?

ロンドンでの「ザ・コンランショップ」1号店のオープンは1973年だそうです。ハビタとはまた違う価格帯、より洗練されたこのショップ、シオヤにとっては若い頃も今も憧れであり、東京にあるいくつかのお店は、時々のぞきます。世界各地にある「ザ・コンランショップ」ですが、ロンドンを代表する「ミシュランハウス」についても展示がありました。

ロンドンのミシュランハウス(と、その中のコンランショップやレストラン)を訪れたことのある方もいらっしゃるかと思います。タイヤ―メーカーのミシュランのこのビルは、イギリスでもかなり古い鉄筋コンクリート製のビルで、「ハビタ」第一号店の目の前にあり、コンラン氏にとって憧れの建物だったのだそう。そこを1987年に買い取り、複合的なビルとして再生。

「食」へのコンラン氏の業績も多大なものです。おしゃれで美味しい(←イギリスでは重要)レストランやデリ、食材店など、彼の手がけたレストラン事業は2000年代までに50店舗を超えたそう。コンセプトやインテリア、メニューや制服のデザインはもちろんですが、コンラン氏はイギリスの食文化を花開かせ、「モダン・ブリティッシュ」と呼ばれる料理スタイルを定着させていった……と聞くと、ひとりの人間の「生活へのデザイン」の力の幅広さに圧倒されます。写真はロンドン・チェルシーに1997年オープンした「ブルーバード」についての展示。レストランやマーケットなど食のショップが一つになったこちら、当時「ものすごくおしゃれな場所」として日本の雑誌にも紹介されていて、当時シオヤも見に行った記憶があります……。

先に進むと、コンラン氏の自邸やプライベートな展示も。「簡素の美」という日本語が飛びこんできました。


展覧会場では、ところどころに、コンラン氏の残した言葉が英語・日本語訳とともに掲示されています。終盤に飾られていたのは特製のモノポリー、「コノポリー」と書かれていますが、コンラン氏が生涯興してきた会社やショップなど、あらゆるものがボード上に収められたものなのだそう。またフタの空いたトラベルケースは、日本・新宿本店の25周年を記念して作られたグローブ・トロッター製で、コンラン氏最晩年のデザインなのだとか。旅の思い出を回想しながら描かれたというイラストも、キュートです。写真のコンラン氏も着用している、トレードマークのようなブルーのシャツも展示されていました。
東京ステーションギャラリーのミュージアムショップは、来館者でないと入れないので、ぜひチェックしてみてください。ショップ自体はさほど大きくないのですが、置いてあるグッズがいつも興味深いんですよね……。今回も、おお!と目を見張る、おしゃれで素敵なグッズが並んでいます。上の写真左は、東京・広尾にあるフレンチフライのお店「AND THE FRIET」の、コンラン展バージョンのポテトフライ! ご本人のお顔がどーんとプリントされています。また、トートバッグがたくさん売られていて、「the DESIGN MUSEUM」「barbican」などコンラン氏ゆかりのオリジナルバッグも並んでいました。カラフルで欲しくなります!
展覧会では、日本とのつながりも紹介されていますが、確かにコンラン氏が手掛けたプロジェクト、日本にもたくさんあるんですよね。そんな発見も楽しい展覧会、ご紹介したのはほんの一部、まだ始まったばかりなので、混まないうちにぜひのぞいてみてください。
「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」
会期:2024年10月12日(土)〜2025年1月5日(日)
会場:東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1(JR東京駅 丸の内北口 改札前)
時間:10:00~18:00(金曜日~20:00)*入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(ただし10月14日、11月4日、12月23日は開館)、
11月5日(火)、12月29日(日)~2025年1月1日(水)
入館料:一般1,500(1,300)円/高校・大学生1,300(1,100)円/中学生以下無料
*( )内は前売料金[9/1~10/11オンラインチケットで販売]
*障がい者手帳等持参の方は200円引き(介添者1名は無料)
*オンライン www.e-tix.jp/ejrcf_gallery/(前売券・当日券)または当館1階入口(当日券)でチケット販売
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