『鏡獅子』といえば、右近さんにとって特別な演目。3歳のとき、曾祖父の六代目尾上菊五郎の『鏡獅子』の映像を観て衝撃を受け、『鏡獅子』を踊りたくて歌舞伎俳優の道を志した。
「以来、『鏡獅子』を踊るためにはどちらがいいだろうということが日々の選択の基準になりました。『鏡獅子』と出会ってなかったら、何のこだわりもない人生だったと思います。そういう意味で、僕にとっては、生きる意味と言っても過言ではない演目です」。
10年前に自主公演では踊ったことがあったものの、今回は念願かなって本公演での上演。そこで今後の人生を共にする“マイ手獅子”を作ることにしたのだ。