-
【田中圭さんインタビュー<後編>】久しぶりのコメディ。ひたすらお芝居に向かっていきたい
5月からの舞台『陽気な幽霊』に出演する田中圭さん。ドラマ『おっさんずラブ』から7年経った今、大人の色香を絶賛放出中。久しぶりにコメディの舞台に立つ、今の気持ちを語ってくれた。
【田中圭さんインタビュー<前編>】作品がおもしろくなれば、俳優・田中圭はどうでもいいかなって
男と女のごたごたを描くビターなコメディに出演
軽やかなストライプのジャケットを、フワリとほどよい抜け感ではおる田中圭さん。映像に舞台に引っぱりだこだ。それもそのはず、どんな役を演じてもその作品のもつ空気に田中さん自身を絶妙に溶け込ませてしまう。
「お芝居おもしろかったです、といってもらえるのが一番うれしい。極論すれば俳優・田中圭なんてどうでもいいとすら思っているんです。こういうお芝居にしたい、すごいシーンにしたいと、演じ方見せ方にこだわりをもっている俳優は少なくない。でも僕にはよくも悪くもそういうのはありません。それでもどうしたって、見た目、声、姿……自分が役のどこかには出てしまうものだと思います」と語る。
ふだんの私服はたいていスウェットだという。それも着心地がよければあとはこだわらない。そんなスタイルも、常にフットワーク軽く作品に向かい合おうとする姿勢に重なって見える。でも田中さんは苦笑いしながらこう加える。
「すごく個性の強い役でも、なぜだか作品になじんじゃうんです。身内にも“すごいよね。誰もがみんな役の個性をどうやって出そうか考えて芝居してるときに、役の個性消す俳優ってすごいよ”と。けっこう傷ついた記憶があります(笑)」
この5月、1年ぶりに舞台を踏む。上流階級や中産階級を背景に洒脱なコメディを描いてきたイギリスの劇作家ノエル・カワードの作品で、彼の喜劇の最高傑作とされる『陽気な幽霊』だ。
舞台は’40年代のイギリス。作家チャールズ・コンドマインは2度目に結婚した妻ルースと暮らしている。探偵小説の取材のために霊媒師を呼んで降霊会を催すが、なんと先妻のエルビラが姿を現してしまう。
「男女の駆け引きや欲望など、夫婦のごたごたをおもしろおかしく描いていますが、演出が熊林弘高さんなので絶対にそれだけじゃない何かを入れ込んでくださると思います」と目を輝かせる。
熊林演出の舞台にはこれまで何度も出演してきた。チェーホフの『かもめ』では、女優志望の若いニーナを翻弄する作家トリゴーリン役。奇しくも今回演じるチャールズも作家だ。
「作家といえば詩的なもののとらえ方をする人というイメージですが、それよりも『かもめ』のときの熊林さんの演出を思い出して寒気がしています(笑)。“ニーナの着ている物を一枚一枚脱がすような気持ちでこのセリフいってください”といわれ、“え、どういうことだろう!?”と思いました。『夜への長い旅路』(ユージン・オニール作)のときも、僕と(満島)真之介くんに、“ふたりで飲みにいってきてください”といわれ、冗談だと思ったらホントにいってこいという意味だったので、ホントにふたりで飲みにいきました(笑)。毎公演、最後まで頭抱えて悩むし、楽なんてさせてもらえないですが、熊林さんのオンリーワンの感覚、駆け抜けたあとの充実感、心地よさがたまらないんです」
さらに今回の座組には、若村麻由美をはじめキャリア豊富なキャストがそろった。
「先輩たちが多いのも楽しみです。皆さん肩の力が抜けていて、ちょうどいいタイミングで本気出してくるあの感じ。僕の場合、後輩が同じ座組にいるとどうしても“あ、今悩んでるな。これどう伝えようかな”とか、座長っぽいことをしなければと思ってしまいます。でも先輩ばかりだとそんな必要もなく、ひたすらお芝居に向かっていけそうです」とニヤリ。
(インタビュー後編へ続く)
舞台『陽気な幽霊』
初演は’41年、ロンドン。1997回ものロングランを記録し、ノエル・カワードの喜劇の最高傑作とされる。演出はシェイクスピアからミュージカルまで数々の話題作を手がける熊林弘高。出演は田中圭、若村麻由美、門脇麦ほか。
5/3~29、シアタークリエ
問☎0570・00・7777
※大阪、福岡公演あり
田中 圭
-
【鈴木亮平さんインタビュー】 自分を支える存在への感謝を再確認。今の年齢で演じられてよかったと思う
4月25日から公開の映画『花まんま』の主演を務める鈴木亮平さん。本作を通じて感じたこと、俳優という仕事についても聞いてみた。
-
【森山未來さんインタビュー】ダンサー? 役者? 僕はどう呼ばれてもいい。どっちも同じです。
森山未來さんと長澤まさみさんがダブル主演を務める舞台『おどる夫婦』が4月から始まる。とある夫婦の約10年間の軌跡が描かれる本作。作品と役への思いについて聞いた。
What's New
-
【今50代が読みたい本】イギリス発ベストセラー『ペンギンにさよならをいう方法』など3冊
エクラ世代におすすめしたい書籍を厳選! 老婦人が南極で大冒険する『ペンギンにさよならをいう方法』など3冊を紹介。
カルチャー
2025年12月17日
-
猫沢エミさん・小林孝延さんが見つめた、喪失と悲しみの向こう側。「愛した証拠」を抱えて、それでも生きていく
年齢を重ねて経験していく、大切な存在との永遠の別れ。死とは何か、そして生とは――。'25年11月に刊行された『真夜中のパリから夜明けの東京へ』は、パリと東京、1万キロの距離と時差を飛び越え交わした、大人の友人同士の往復書簡。率直な思いを綴り合ったミュージシャンで文筆家の猫沢エミさんと編集者の小林孝延さんが、晩秋の東京で再会した。
カルチャー
2025年12月16日
-
“女流”の時代を生きた、3人の女性作家を描く『三頭の蝶の道』【斎藤美奈子のオトナの文藝部】
山田詠美の『三頭の蝶の道』を紹介。実在の女性作家をモデルにフィクションも混じえて描いた小説は、読み応えたっぷり。山田詠美『もの想う時、ものを書く』、瀬戸内寂聴『笑って生ききる 寂聴流 悔いのない人生のコツ 増補版』とあわせて読みたい。
カルチャー
2025年12月16日
-
愛国主義、それは自分の国を愛すること、国粋主義、それは他国を憎むことである。ーLe patriotisme, c'est aimer son pays. Le nationalisme, c'est détester celui des autres.【フランスの美しい言葉 vol.46】
読むだけで心が軽くなったり、気分がアガったり、ハッとさせられたり。そんな美しいフランスの言葉を毎週月曜日にお届けします。ページ下の音声ボタンをクリックして、ぜひ一緒にフランス語を声に出してみて。
カルチャー
2025年12月15日
-
玄関やリビングに…お客さまを出迎える花の飾り方【花生師・岡本典子さんに教わる"花あしらい”】
年末年始に向けて、ゲストを迎える機会も増えてきたのでは? 今回は人気の花生師・岡本典子さんに、一年の節目にふさわしい花あしらいのコツを伝授していただきました。
カルチャー
2025年12月14日
-
-
-
-
-
-
ルイ・ヴィトンのモチーフジュエリーをシンプルブラックコーデで楽しむ【俳優・板谷由夏の私をつくるジュエリー】
俳優・板谷由夏が愛するファッションルールと、それにマッチするジュエリー。今回は、大人がモチーフジュエリーを楽しむメソッドを。
-
クリスマスのお出かけスポットはここ!
映画「ハリー・ポッター」の世界に没入!大人も楽しめるアート体験
-
読者モデル 華組のZARAコーデ
50代はどう着こなす?ファッションブロガーコーデ集
-
年末年始の華やぎシーンは自信のある髪で!
人気ヘアマスク「Gyutto(ギュット)」で美映え髪に
-
大人のためのヘアスタイル・髪型カタログ
髪のお悩み解決!若々しく見えるヘアスタイル
-
エクラ公式通販の人気アイテムランキング
もう迷わない!50代が買うべき秋の服
-
読者モデル 華組のユニクロ・GUコーデ
真似したい!50代ファッションブロガーの着こなし集
-
松井陽子の「エクラ ゴルフ部へようこそ!」
松井陽子さんが50代におすすめのゴルフウェアやゴルフの楽しみ方をご紹介。
-
大人のきれいめデニムを探しているなら
イタリアの感性と日本の職人技の美しき融合、ジーフランコのデニム
-
50代におすすめのトレンドアイテム
人気ファッションアイテムを厳選してご紹介
-
「幹細胞コスメ」大人の最適解とは?
シミ、シワ、たるみ、毛穴悩みに。大人肌のスキンケアの最適解
-
一度は泊まりたい!高級ホテル・旅館
日常を忘れて至福のときが過ごせる極上の旅へ
-
50代に人気上昇中!上品な華やかさ「冬のミディアムヘア」51選
冬の空気に似合うのは、品よく華やかで、ほんのり女らしさを感じるミディアムヘア。50代の女性に人気上昇中のスタイルは、髪悩みや顔まわりの悩みをカバーしながら、印象をぐっと明るく見せてくれるスタイル。
-
上品にあか抜ける「50代の黒タートル」冬の洗練スタイル8選
黒タートルは冬の定番アイテム。着こなし次第で品格を引き立て、あか抜けた印象をつくる最強の一枚。色合わせや素材感、アクセサリーの工夫次第で、ぐっと洗練されたスタイルに。
-
【憧れの国内高級ホテル・旅館】一度は泊まりたい!北海道から沖縄まで大人が満足する極上ステイ
50代女性が一度は泊まってみたい、と思う全国の高級旅館・高級ホテル・憧れのリゾートホテルを厳選してお届け。温泉やグルメやエステ、絶景など魅力満載の贅沢な国内旅行が楽しめる。夫婦や気心の知れた女友だち、…
-
艶とふんわり感が若々しい「冬のロングヘア」24選
今どきロングヘアは、髪のツヤ感で若々しく見える!ボリューム不足も白髪悩みもカットやカラー、パーマで思いのままに解決できる。こなれた印象に見せる洗練ロングヘアスタイルをお届け。
-
【冬の主役になるエルメスのスカーフ6選】価値ある一枚が、装いをフレッシュに更新
ふわりとまとうだけで、重くなりがちな季節の装いをたちまち鮮やかに更新してくれる、唯一無二の存在感。アウターを手に入れるのと同じ、もしくは、それ以上の価値がある美しい一枚を主役に、心躍る冬を楽しもう。