【スタイリスト・石井佳苗さんの「名作椅子」解説】個性を発揮できるラウンジチェアを楽しむ

スタイリスト・石井佳苗さんによる愛すべき「名作椅子」解説。今回は、空間の質を一瞬にして変えてくれるラウンジチェアにフォーカス。
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石井佳苗

石井佳苗

インテリアスタイリスト。カッシーナ・イクスシー勤務後独立。雑誌、広告、CM、カタログとインテリアを中心にスタイリングから商品開発まで幅広く活躍。オンライン講座も人気で近著は『Heima 住まいの感覚を磨く9つのキーワード。』(扶桑社)。

時代を経ても色あせない。残る椅子には確かな理由が

 世界中で人気が高まっているジョージ・ナカシマ。ラウンジアームチェアは少し低めの座面と、左右選べるゆっ

たりとした肘かけが特徴です。和洋のインテリアに合うし、木の美しさ、優しい肌ざわりを存分に感じられます。

 CH78ママベアチェアは、高い背もたれに頭を預けられ、枕(別売り)も肘かけもあって包まれるような座り心地。

ウェグナーが横座りが好きだったそうで、この椅子も横座りできます。

 アームチェア400タンクは、継ぎのない曲木のフレームが美しく、厚みのあるクッションで座り心地も快適。無地もありますがおすすめはゼブラ柄。上品でモダン、ちょっぴりスパイスが効いて部屋のアクセントになります。

 ゆったりとスイングし、思いきりリラックスできるCH45ロッキングチェア。別売りでヘッド、シートクッションもあります。インテリアに合わせやすいモダンなデザインも魅力。置いてあるだけで目も休まる気がします。

 オールスチール製なのに軽やかで抜け感があり、素材とデザインのギャップがおもしろいダイヤモンド アームチェア。流線形のフォルムが美しく、見るたびに「名作ってすごい」と思います。


 レディは柔らかく優しい印象で女性好みの一脚。コンパクトで、横から見た姿もかわいいんです。張り地によって印象が変わり、個人的には写真の格子柄がおすすめ。実は座り心地にもとてもこだわった設計です。

 低重心でコンパクトなユトレヒトは私も愛用する椅子。何度も張り地やステッチを替えて楽しんでいます。布の椅子は張り替えて楽しむよさがありますよね。最近はファッションブランドの店舗などでも見かけます。

 やっぱり好きなPK22。見るたびにいいなと思う、心をわしづかみにされるような椅子です。削ぎ落としたシンプルさ、計算しつくされた美しさに魅了されるのか? 和洋の空間に合います。

 ドロン ホテルはフレームがスチールではなく木製で部分ごとに形状の違うパーツが組み合わされ、とても表情豊かなところや、ハラコの毛皮も素敵。小ぶりなので狭い空間にも置けるし、2脚並べて置いてもいいですよね。

 すべてを名作椅子にする必要はまったくないけれど、1脚でも置いてみると空間の質がガラリと変わります。きちんと作られたものは質感も違う。毎年新作家具が出ますが、私自身、欲しいなと思うのはやっぱり名作なんです。

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