大人の女性を満足させる、粋でおいしい「ディープな浅草」 五選

浅草寺を中心に、歴史を感じさせる建物が今も残り、下町情緒あふれる町として人気を集める浅草。そこには名物を名乗る逸品や、名店と賞される繁盛店も数多く存在します。eclat 4月号では、浅草芸者の乃り江さんが粋な浅草の名店をご案内! 京都や金沢にはない、深い魅力がここに。 
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【江戸一の割烹 割烹家 一直】
\一流の仕事と気取りのないもてなし/

時代の移り変わりとともに磨き上げてきた江戸前の味を今に伝える老舗割烹。横山大観や北大路魯山人など数々の芸術家や文化人が愛したことでも知られる。現在の花やしき周辺で創業し、花柳界華やかなりし時代は料理人だけで40人、女中をはじめ従業員は100人以上と、浅草一の規模を誇った。9年前の改装でカウンターを新設。昼のぷち会席は、突き出し(そら豆)、お造り、焼き魚、豚の角煮、食事の鯛ごはんで¥4,500。夜のコースは¥20,000~。

DATA
東京都台東区浅草3の8の6 ☎03・3874・3033
11:30~13:30LO、18:00~21:00LO ㊡日曜、祝日 昼¥2,000~、夜¥13,500
【気鋭の寿司屋 鮓 かね庄】
\仕事はていねいでリーズナブル!/

御徒町『鮨處 寛八』で、のべ16年腕を磨いたご主人の渡辺彰さんが、奥さまが生まれ育った浅草・観音裏で店を開いたのは昨年6月。早くも上野、浅草の人気寿司店に名を連ねる繁盛ぶりだ。ていねいに仕事を施された寿司種と、米の味を生かしたクセのない酢めしとのバランスがよく、魚のうま味がしっかりと味わえる。握り寿司10貫¥5,000~という良心価格で、地元の人々の暮らしに溶け込む店を目ざす。日本酒、焼酎も充実していて、使い勝手も抜群だ。

DATA
東京都台東区浅草3の33の9 ☎03・3871・6081
17:00~23:00、日曜・祝日11:30~14:00、17:00~22:00 ㊡月曜、第1・3日曜 握り寿司10貫¥5,000、12貫¥8,000

【ソウルフードそば 弁天】
\忙しいときの駆け込み寺/

店が立つのは浅草花柳界の事務所兼お稽古場の『見番』のはす向かい。芸者衆御用達の店は、百余年前、甘味処として創業し、昭和25(1950)年、そば屋になったという。昼前から夜まで、休みなしで営業する店は、芸者衆ならずとも地元で働く人々の駆け込み寺的存在で、一日中、客足が途絶えることがない。春夏の季節料理だったはまぐりせいろう¥1,450は、あまりの人気に3年前から通年メニューに。山形の酒『辨天(べんてん)』に合う冷や豚つまみ¥1,000などの酒肴(しゅこう)も充実。

DATA
東京都台東区浅草3の21の8 ☎03・3874・4082
 11:30~20:40LO(天ぷら20:30LO) ※売り切れしだい閉店 ㊡水曜 予算¥1,000~ ※3月以降価格改定の予定あり

【老舗の鰻 初小川】
\みそ豆も絶品/

まず味わうべきは、戦後に建てられた木造の店舗がもつ、時代の空気。ちゃぶ台の置かれた小上がり、冬は囲炉裏が切られるテーブルなど、使い込まれた空間に老舗ならではの格を感じる。鰻は今も七輪で焼き、明治40(1907)年の創業時から継ぎ足しで使うきりっとしたタレで仕上げる。うな重(上)¥3,900、茶碗で供されるきも吸は¥50という心意気価格。青のりと辛子しょう油でいただくみそ豆など、浅草ならではの酒肴もぜひ。

DATA
東京都台東区雷門2の8の4 ☎03・3844・2723
12:00~13:30、17:00~19:30 要予約 不定休 予算¥5,000~


【東京一のタイ料理 ソンポーン】
\深夜2時まで元気に営業中/

カウンター5席のみ、予約至難のタイ料理店として話題を呼んだ『ソンポーン』が、昨年、移転リニューアル。連夜満席の盛況ぶりはそのままだが、予約は格段にとりやすくなった。料理は変わらず、イサーン地方出身のママ、ソンポーンさんが作る郷土の味が中心。ヤムタカイ(レモングラスのサラダ)¥1,200やトムカーガイ(鶏のココナッツスープ)など、どの料理も辛さはしっかり、油や塩気は控えめで、フレッシュハーブがたっぷり。あとをひくおいしさだ。

DATA
東京都台東区浅草5の30の11 ☎03・3876・7257 18:00~翌2:00 ㊡月曜 予算¥4,000~
教えてくれたのは…

浅草芸者
乃り江さん
LA生まれ、4代続く浅草っ子。父の仕事の都合で米・東海岸と浅草を行ったり来たりの少女時代を過ごす。明治大学在学中、交換留学生として台灣大學へ。帰国後、芸者見習いを経てお座敷デビュー。’15年、会員制のお茶屋さろん『KaShiMA』をオープン。芸者とお店と二足のわらじで奮闘中。
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