数多くの相続問題を扱ってきた一橋さんがたどりついた〝争族を避ける最大の秘訣〞は、「家族が十分なコミュニケーションをとること」。
「家族で、昔話をするだけでも構わないのです。他愛のない話をしているうちに、『あのころはお姉ちゃんに頼っていたな』とか、『かわいい妹だったな』など、当時の気持ちが思い出され、お互いに抱いていたしこりが解消されたという事例も、これまでたくさん目にしてきました。人間とは不思議なもので、たとえ一度は距離が開いてしまっても、どちらかが歩み寄れば、もう一方も近づこうとするんですよね。コミュニケーションをとることこそが、家族の絆を深め、円満な相続につながるのだと思います」