過去と現在が交錯する街。尾上右近さんの「歌舞伎俳優の京都」 五選

歌舞伎俳優にとって、歌舞伎発祥の地・京都は特別な場所。ふだん東京に暮らす尾上右近さんにとっても思い入れの深い街だ。数あるお気に入りの中、今回訪れたのは、このためだけに訪れたいくらい特別な縁を感じるスポット。過去と現在が交錯する空間で、右近さんが感じたこととは?

5.法然院

法然院には、今年6月に仕事で初めて訪れました。歴史を感じさせる苔。木々に溶け込む美しい山門。年月がつくり出す美しさは、奥行きがあって、京都は、自然と向き合う密度が濃いのだと感じました。実はここには僕の祖父・六代目 清元延寿太夫の相三味線だった清元榮壽郞さんのお墓があり、ご縁の深いお寺だと、あとで知りました。
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自然と調和し、季節ごとに美しさを変える情緒あふれる寺院

法然院の始まりは、浄土宗の開祖・法然上人が弟子とともに念仏修行をした草庵。ふだんは本堂に入ることはできず、伽藍の公開も春と秋の2回だけだが、白い盛り砂で水を表した白砂壇、名水が湧き出す泉など、素朴ながらも情緒あふれる境内にいると心は安らかに。近くには右近さんの好きな哲学の道もあり、静かに時を過ごすのに最適。
京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30
☎075・771・2420 6:00~16:00

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