「老後資金をふやそうと、退職金を元手に投資を始める人もいるようですが、そこは慎重に。投資は、長期間、積み立てで行うのが安全。たとえ投資信託や債券などに分散しても、一度に大金を投じるのはリスクが高すぎるので厳禁です。退職金は一度に使いきらず、ひとまず貯蓄し、慎重に使い道を考えましょう」
むしろ投資をするなら、エクラ世代から始めるのが得策だそう。井戸さんが推奨するのは、
60歳未満が利用でき、60歳以降に受け取れる積み立て制度、確定拠出年金。会社が掛金を払う「企業型DC」と本人が掛金を払う「個人型DC」があるが、特に注目なのは、iDeCo(イデコ)と呼ばれる後者。専業主婦や自営業者でも利用ができ、掛金は全額所得控除、運用益は非課税で、受け取り時も退職所得控除などが適用されるなど、税制上のメリットも高い。「すでに60歳前後なら、『つみたてNISA』を活用しましょう。毎月一定の額で投資信託やETF(上場投資信託)を積み立てで購入する制度で、最大20年間、利益への課税なく、積み立てできます。iDeCoは原則中途解約できませんが、こちらはいつでも売却可能。いざというときの出費にも対応できます」
お金への備えは、エクラ世代から始めるのが賢明!