名古屋手前、「お客様にお知らせいたします」のアレ。

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東海道新幹線のぞみに乗って、西へ。

浜名湖を越え、やれやれ今日も静岡は広かった、という安堵感が乗客の心に漂うころ…。「車掌全員急病につき、お客様のなかに、三河安城駅通過のアナウンスができる方はいらっしゃいませんか?」とパーサーの方が駆けつけて来ないとも限らないので、「列車はただいま、時刻通りに三河安城駅を通過しました…」のアナウンス内容を、一応、頭に入れております。繁忙期に多い、座席のリクライニングをもとの位置に直すお願いについてもバッチリ✨

この放送について、「定刻通りなら必要ない」とお感じになる方もいらっしゃるようです。しかしながら関西出身者としては、駅名のなかの「安城」が「具合よく」「問題なく」の意味の「あんじょう」にかかって聞こえ、単に「もうすぐ名古屋」と言われるよりも、無事に関西に近づいてる感が増すような気がするのですが、これは贔屓耳、でしょうか。

さて今回の旅は、東京で見逃がしてしまった展覧会、『ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ』を追いかけての小倉日帰りでした(こちらとて最終日…)。初見の北九州市立美術館の飛び出し建築にビックリしつつ(写真2枚目)、いざ会場へ。会いたかった『ヴェロニカ』(3枚目)は、やっぱり素晴らしかった!

印刷物やネット画像は正確ではなく、現物は肌も含めて全体がグリーンに沈んでいます。特に背景は古い壺屋焼の銅緑釉のようで、少しくすんでいるけれど吸い込まれるような色合い。「くすみ」は彼女の瞳においても重要で、右目は白目の右側が濁り、左目は下半分が暗い白になっています。ルオーは相当な試行錯誤を重ねているはずですが、この表情は、さぞや会心の出来だったことでしょう。

普通なら、伏目や閉じた目の描写によって見る人の心を内面世界へ誘うもの。ヴェロニカの瞳は、こちらを見つめると同時にその効果も併せ持っています。こちらから見て、向こうから見られて、またその奥に自分を見るというような、不思議なループ。

絵の具はこんなに厚ぼったいのに、その印象はとても澄んでいました。
(編集B)

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