7車線にわたった巨大踏切よ、さようなら。

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去る3/2をもって、京急大師線名物の「産業道路第1踏切」が役目を終えました。鉄道によって7車線の幹線道路がちょくちょく遮断されることはまかりならん、というわけですね。
お車の皆さんのご不満ごもっともで、こんなにゆったりと見渡せる踏切が新たに生まれる日は…、もう永遠にありますまい。贅沢でした。

さて、ひとたび遮断機が下りると、世界は踏切の向こう側とこちら側のふたつにわかれます。井上陽水さんの歌う『白い一日』(詞は小椋佳さん)などはその美しい代表。歌の中で通り過ぎるのは「汽車」となっていますが、描かれているのは当然電化済みの東京の風景でしょう。

個人的には踏切警告音が電鐘や電鈴だとそちらに聞き惚れてしまって、線路向こうの女の人どころではありません。警報機は電子音式、「君」は秋の午後帯の反逆光の中にいて、なんとなく西武新宿線という設定で情景再生しております。

同じ『氷の世界』収録曲でも、『あかずの踏切り』(作曲は星勝さん)のほうは明るい疾走感があります。複線4路線=線路8本並走くらいのダイナミズムが感じられ、今でいえば、横浜市鶴見区の「花月園前踏切」がイメージにふさわしいでしょうか。

路線が集中していてかつ通過頻度が高いということは、裏を返せばひっきりなしに行き交う列車を楽眺めて楽しめるわけで、星勝さんの曲調はその「オタク的感興」に踏み込んでいるように受け止めております。なおこの曲には陽水さんによるバージョン違いが2つあるのですが、そちらだと舞台は再び複線のイメージですね。

4月になれば、陽水さんの50周年コンサートが始まります。そこでどちらか聴けるとよい踏切供養になりそうですが、果たして。
(編集B)
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