和美 ここはどういうお寺ですか?
令子 比叡山延暦寺を開いた最澄が、比叡山の山梨の大木の下に造ったお堂が最初だといわれているわ。平安時代以降は皇族が住職を務める宮門跡になったそうよ。いろいろな場所を移転して、明治維新後に今の大原に移ったとか。
和美 お寺も引っ越しをすることがあるんですね。
令子 ここはお庭がきれいなの。聚碧園(しゅうへきえん)というお庭が客殿から眺められるんだけど、いつまで見ても飽きないのよね。江戸時代の茶人・金森宗和(かなもりそうわ)が手を加えたお庭だそうよ。
和美 庭を見ながらお抹茶もいただける〜。まったりできそう。
令子 往生極楽院(おうじょうごくらくいん)のまわりは有清園と呼ばれる庭で、苔が見事。阿弥陀三尊像が安置されているの。
和美 小さいお堂に大きな仏さまが。天井の真ん中が上がってる。
令子 舟底形天井というんだけど、もとは壮麗な壁画が描かれていたそうで、円融蔵(えんにゅうぞう)展示室で復元されたものが見られるわよ。
和美 鮮やかですね。これが昔の極楽のイメージなんですか。
令子 阿弥陀仏は極楽浄土に導いてくれる仏さまとして信仰されていたのよ。そうそう、大原にはプロの料理人も買いにくる日曜日の朝市が立つの。三千院の近くの「里の駅 大原」が会場なんだけど、普通の日も野菜とか素朴なお菓子とか買えるわよ。私なんかこの間、あん入り栃餅買っちゃった〜。
和美 なんだかおいしそう! ロイヤルパワーもいっそう強まっていそうな令和元年。今年の京都、俄然訪れたくなりました。