五十肩はどこで何が起きている状態?【知っておきたい五十肩の真実】

メジャーな病状なのに、謎なことも多い「五十肩」! 五十肩とはどんな病気で、何が原因で起こるものなのかを専門医に詳しく伺いました。

【肩の関節はこうなっている!】

肩の関節はこうなっている!

肩まわりに炎症が起きる病気だが実は原因はわかっていない

五十肩がどんな病気で、何が原因で起こるのかを詳しくうかがった。

「五十肩は、肩まわりの筋肉や腱、滑液包などの部分に炎症が起きることで痛みが生じます。多くの人がかかりますが、実はなぜ炎症が起こるのか、原因は不明です。肩まわりに痛みが生じる病気として、上腕骨と肩甲骨をつなぐ腱板が切れる“腱板損傷”や、腱板に石灰化が生じる“石灰沈着性腱板炎”があります。レントゲンやMRIで調べてもそういった病気や異常がないのに、痛みがあって動きが悪い場合に五十肩と診断されます。この世代の人なら誰でもなりうる可能性があり、ある日突然、前触れもなく発症することも」

そんな五十肩は発症すると“年だからしょうがない”とあきらめがち。でも実は、年をとるほどひどくなる病気ではないという意外な事実も。

「年齢が名前についた病気は四十肩、五十肩だけで、例えば“四十腰”“五十腰”はありませんよね。それがないのは、四十肩も五十肩もこの年代のときだけに生じる病気で、それ以降は治ってしまうからです。もし原因が“加齢”なら、60代、70代になったら、もっとひどくなったり、繰り返したりします。腰や膝の痛みがまさにそうです。しかし五十肩の場合は必ず自然に治ります。強い痛みがある間はつらいですが、過剰に心配することはありません。生活に支障が出るほどつらいときや、症状を軽くしたい場合は整形外科を受診しましょう」
教えてくれたのは…
医学博士 銅冶(どうや)英雄先生

医学博士 銅冶(どうや)英雄先生

お茶の水整形外科 機能リハビリテーションクリニック院長。運動療法・靴・栄養療法を中心に体の痛みを根本的に治す医療を実践。
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