実は、果実味豊かでクールな酸味をもつロゼこそ、“お正月ウイークのふだん時間”にピタリとはまる。華やかな時間の余韻を残しつつ、ひとりの時間をリフレッシュさせてくれるからだ。開けたのは、フランス・コルシカ島の「クロ・クロンヴュ コルス・カルヴィ・ロゼ2018」。オレンジがかったロゼ色が、新年の真新しい光と空気感に柔らかさを添えると“自分だけの小さなサンクチュアリ”のできあがり。造り手はエチェンヌ・スッツォーニ氏とそのファミリーで、コルシカ島でいち早くビオディナミに取り組み、洗練されたスタイルのワインを生み出している。
このロゼのすごさは、どんな料理をも包み込む包容力にある。鴨ロースや数の子、チーズなど、個性的な味を集めた急ごしらえのひと皿も優しく受け止め、味をランクアップさせてくれるのだ。「まさか、伊達巻にも合うとは!」と驚かされるほど。その統率力は、たとえれば“個性豊かな後輩女子をまとめるデキる女性リーダー”のよう。華やかで、どこか潔い冬のロゼは、ひとりのリラックスタイムに彩りを添えてくれる。