駅弁王者の、良き容器。

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旅情満点、風味絶佳。駅弁界の横綱、横川駅の「峠の釜めし」。

難を言えば、買うのにちょっと勇気が要ります。時間が許せば横川駅へ赴いて、その場で味わい、空き容器を回収してもらいますが、つい誘惑に負けて旅の往路なんかで食べたりすると……。

どすんっ!

ゴミ箱の底に器が届かないことが多くて、たいてい大きな音がします。旅先で陶器を捨てる体験って、なかなかショック。「空容器はこしかけの下に」という古き標語は一理あったかも知れません。(※当時の主眼は「窓から投げ捨てず」だったにせよ)


荷物が少ないときは、もちろんお家に持って帰って再利用いたしませう。

私的活用法は、お粥、湯豆腐、スピーカー。このサイズ感、ひとり分の粥鍋、小腹が空いたときの湯豆腐鍋(豆腐180g程度)として具合がよろしい。底部の完全乾燥と弱火を心がければ、そこそこ保ちます。冬場は古い汽車茶瓶に燗酒を入れ、湯豆腐をつつき、時刻表を眺めながら次の旅先を思案すると楽しいものです。仮に「鉄道茶会」なんてものがあれば、このお釜は建水、香炉あたりの候補になることでしょう。手焙りにするのも不可能ではないはず。

鍋として使わないときは、お勝手のスピーカーとして活躍します。i Phoneを中に入れて音楽再生するだけで、音質が格段に向上✨ ついでながら、漬物の入っているプラケースも旅の耳栓入れ、薬入れなどに便利です。海外で取り出すと、なおさらほっこりするグッドデザイン。

というわけで買う側に覚悟さえあれば、食べ終わりに捨てるものがごくわずかな「峠の釜めし」。紙釜容器の開発は重要かつ素晴らしいことですが(しかもちゃんと温かいそう)、まだまだ陶製釜への愛は冷めそうにありません。限定色には目もくれず、この明るめの飴釉ひとすじです。
(編集B)

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