ピーター・ドイグ展と常設展と。
東京国立近代美術館で『ピーター・ドイグ展』が始まりました。
古いもの好きの私は恥ずかしながら、「あら、どちら様」という感じだったのですけれど、妙に気になる絵がいっぱい。時に夢幻的、時にキッチュで、ミステリアスな雰囲気の大画面作品が勢ぞろいしています。
チラシによれば、スコットランド出身のピーター・ドイグは「現代アートのフロントランナー」で、「世界中の名だたる美術館で個展」が開かれ、代表作のひとつが2015年のオークションで約30億円(※当時)で落札された「画家の中の画家」。要するに、”立派だからぜひご覧あれ”という次第。居丈高なようですが、展示室内での写真撮影はOKとフランクです。
作風はあくまで具象ベースなので、描かれているものや状況はそれなりに理解できます。しかし、”三次元世界を二次元の画面に落とし込む”ようでいて、それを拒否する仕掛けがチラホラ。一点透視的な描写はせず、かといって単純なオールオーバーでもない…。画家が実際に触れた風景、近代絵画や映画、広告などからのイメージと、水鏡への関心、画面を色の帯に分割する手法がないまぜになっていて、単純に思える画面は見れば見るほど曖昧で複雑です。
私が気になったのは、写真5枚目手前の『オーリンMKⅣ Part 2』。ジャンプする人物の素っ頓狂な姿がいかにもコラージュ的。「OLINってアメリカのスキーメーカーだよね?」と博識の女性に教えられまして、なるほど、こちらも広告写真などからの引用がありそうです。それにしても、跳躍の起点のはずのジャンプ台は異様に立体感がありません。むしろ、ジャンプ台のかたちを写すように地面に色を塗ったよう。
おもしろい絵だなあと見入るうち、「そういえばこんなふうに座りが悪いけれど、絶妙に魅力的な絵が常設にあるじゃない!」と頭をよぎりました。それが、写真6枚目のアンリ・ルソー作、『第22回アンデパンダン展への参加を芸術家に呼びかける自由の女神』。現在、4階のコレクション展で展示中です。
女神の浮遊感に、微妙な遠近感を発する手前と奥の描写……。偶然にしては出来すぎなくらい、構図が似ていると思いました。
ルソーの絵にはいつもグッと来てしまいます。この作品を運び込む画家たちの行列。人が人のようで人でない感じが素晴らしく、かと思うと、自分は画家代表として展覧会の会長としっかり握手しちゃってるところがお茶目(笑)。女神が出ているから寓意画ではありますが、超日常的な風景にライオンまで入れてしまってるのが藪から棒。そんなところも、ドイグの作風に通じているようです。
こちらの早口言葉みたいなタイトルのルソーの絵も、ドイグ展と同じ会期で展示されます。現在のコレクション展、展示構成がとてもわかりよくって、かなり楽しい。2Fの北脇昇の特集も見ごたえがありましたし、その近くの全身タイツ人間みたいな作品(7枚目)も、このご時世に再会すると心和みます。
【追記】
COVID-19感染拡大防止のため、事前予約制というかたちで6/12からの開館が決定しました。『ピーター・ドイグ展』は会期が延長され、10/11までの開催。本記事中で言及している所蔵作品展については、当初の予定通り6/14で閉幕ですが、ルソーの作品については10/25まで展示されます。
(編集B)
古いもの好きの私は恥ずかしながら、「あら、どちら様」という感じだったのですけれど、妙に気になる絵がいっぱい。時に夢幻的、時にキッチュで、ミステリアスな雰囲気の大画面作品が勢ぞろいしています。
チラシによれば、スコットランド出身のピーター・ドイグは「現代アートのフロントランナー」で、「世界中の名だたる美術館で個展」が開かれ、代表作のひとつが2015年のオークションで約30億円(※当時)で落札された「画家の中の画家」。要するに、”立派だからぜひご覧あれ”という次第。居丈高なようですが、展示室内での写真撮影はOKとフランクです。
作風はあくまで具象ベースなので、描かれているものや状況はそれなりに理解できます。しかし、”三次元世界を二次元の画面に落とし込む”ようでいて、それを拒否する仕掛けがチラホラ。一点透視的な描写はせず、かといって単純なオールオーバーでもない…。画家が実際に触れた風景、近代絵画や映画、広告などからのイメージと、水鏡への関心、画面を色の帯に分割する手法がないまぜになっていて、単純に思える画面は見れば見るほど曖昧で複雑です。
私が気になったのは、写真5枚目手前の『オーリンMKⅣ Part 2』。ジャンプする人物の素っ頓狂な姿がいかにもコラージュ的。「OLINってアメリカのスキーメーカーだよね?」と博識の女性に教えられまして、なるほど、こちらも広告写真などからの引用がありそうです。それにしても、跳躍の起点のはずのジャンプ台は異様に立体感がありません。むしろ、ジャンプ台のかたちを写すように地面に色を塗ったよう。
おもしろい絵だなあと見入るうち、「そういえばこんなふうに座りが悪いけれど、絶妙に魅力的な絵が常設にあるじゃない!」と頭をよぎりました。それが、写真6枚目のアンリ・ルソー作、『第22回アンデパンダン展への参加を芸術家に呼びかける自由の女神』。現在、4階のコレクション展で展示中です。
女神の浮遊感に、微妙な遠近感を発する手前と奥の描写……。偶然にしては出来すぎなくらい、構図が似ていると思いました。
ルソーの絵にはいつもグッと来てしまいます。この作品を運び込む画家たちの行列。人が人のようで人でない感じが素晴らしく、かと思うと、自分は画家代表として展覧会の会長としっかり握手しちゃってるところがお茶目(笑)。女神が出ているから寓意画ではありますが、超日常的な風景にライオンまで入れてしまってるのが藪から棒。そんなところも、ドイグの作風に通じているようです。
こちらの早口言葉みたいなタイトルのルソーの絵も、ドイグ展と同じ会期で展示されます。現在のコレクション展、展示構成がとてもわかりよくって、かなり楽しい。2Fの北脇昇の特集も見ごたえがありましたし、その近くの全身タイツ人間みたいな作品(7枚目)も、このご時世に再会すると心和みます。
【追記】
COVID-19感染拡大防止のため、事前予約制というかたちで6/12からの開館が決定しました。『ピーター・ドイグ展』は会期が延長され、10/11までの開催。本記事中で言及している所蔵作品展については、当初の予定通り6/14で閉幕ですが、ルソーの作品については10/25まで展示されます。
(編集B)
What's New
Feature
-
読者モデル 華組のZARAコーデ
50代はどう着こなす?ファッションブロガーコーデ集
-
50代から行いたい早めの「フレイル対策」
「ペットボトルが開けられないことがある」なら要注意!
-
読者モデル 華組のユニクロ・GUコーデ
真似したい!50代ファッションブロガーの着こなし集
-
旬のセットアップで初夏のコーデに悩まない
MOGAと戸野塚かおるさんのコラボ第二弾。洗練服が揃いました
-
エクラ公式通販の人気アイテムランキング
もう迷わない!50代が買うべき旬の服
-
大人のためのヘアスタイル・髪型カタログ
髪のお悩み解決!若々しく見えるヘアスタイル
-
「ペダラ」の新作スニーカーとサンダル登場
歩きやすくデザイン性に優れた新作シューズで寄り道を楽しもう!
-
50代におすすめのトレンドアイテム
人気ファッションアイテムを厳選してご紹介
-
「華リュクス」な装いでおしゃれ心ときめく
“マッキントッシュ ロンドン”の新作服で軽やかに街へ
-
日常を刷新する「レキップ」の洗練シャツ
この春、ワンランク上のシャツの着こなしで日常をアップデート
-
一度は泊まりたい!高級ホテル・旅館
日常を忘れて至福のときが過ごせる極上の旅へ
-
2つの「リファ」で理想のヘアスタイルに
大人髪のために開発されたドライヤーとストレートアイロンが登場
-
大人の上品さが漂うデニムスタイル
ほどよくカジュアルで上品にあかぬける大人のデニムコーデ
Ranking
-
【50代に人気のヘアスタイル・髪型カタログ】おばさんぽくならずに若見えが叶う!ショート・ボブ・ミディアム・ロング別
白髪や髪のボリューム不足、薄毛、パサつきなど40代、50代の髪悩みを解消するおすすめヘアスタイルを提案。ショート、ボブ、ミディアム、ロング別ヘアスタイルから知っておきたい最新ヘアケア事情まで、おばさんぽ…
-
今、50代がショートヘアにするなら?ふんわり感とつや感が若々しいスタイル25選
おしゃれで若々しく見せたい!50代のショートヘアは前髪ありでもなしでも「生え際」が見えると老けて見えるから気をつけたい。春のおしゃれは顔回りにボリュームが出るからショートヘアはすっきり見えて小顔効果も。
-
春は何を買うべき?50代に似合う服が見つかる!最新ファッションコーデ・アイテム見本帖
50代女性におすすめの最新ファッションアイテムや話題の美容アイテム、毎日が楽しくなる生活雑貨など、今買うべきアイテムを厳選してご紹介。トレンドを上手に取り入れ、自分らしく上品なスタイルを叶えるファッシ…
-
春は前髪を変えて若見え!50代におすすめの「前髪あり・なし」ヘアスタイル・髪型カタログ【ショート・ボブ・ミディアム・ロングヘア別】
前髪の作り方次第で若見えが叶う50代からのヘアスタイルをご紹介。生え際の白髪やおでこのシワ、ボリューム不足など気になるお悩みを解消して、今っぽさやおしゃれ感も手に入る大人の前髪スタイルをチェック!前髪…
-
50代、春のジュエリーは何を選ぶ?どんな装いも「パール」があれば上品で女らしい
春の暖かな日差しに映えるパールは、大人の女性に特別な輝きを添えてくれる。シンプルからエレガントまで幅広いスタイルにぴったりの春パールでおしゃれが華やぐ。
Keywords