「更年期は閉経をはさんだ10年間をさしますが、大きな背景として女性ホルモンの変化があります。特に、エストロゲンの急降下が特徴的です(下グラフ参照)」
更年期といえば、症状として「のぼせ」や「ホットフラッシュ」をよく耳にする。
「このほかにもさまざまな症状が現れるんです。不安感もそのひとつ。若いときは、女性ホルモンの恩恵で健康も守られてきましたが、それが少なくなるので体にも今まで感じなかった不調が起こりやすくなります。これは自然な現象なのですが、よく理解していないとさらに不安をあおります」
さらに、もうひとつの女性ホルモン、プロゲステロンもこの時期に低下する。
「エストロゲンとプロゲステロンは『2大ホルモン』と呼ばれる重要なホルモン。これらは、脳の視床下部や下垂体との連携プレーで卵巣から分泌されます。視床下部は自律神経も担うので、ホルモンの減少で自律神経の調整も乱れてしまうのです。体の不調は、これによるものも多いのです」
この時期を健やかに過ごすコツとして、吉野先生は「自分ファースト」を提案。
「よき母、妻、社会人としてがんばりすぎると、負担も大きくなってしまいます。更年期は『自分ファースト』にするいい機会ととらえて、おおらかに構えましょう」
婦人科では、血液検査で女性ホルモンの数値が測れる。
「更年期は必ず終わります。症状がつらければ、婦人科でホルモンを補充する療法もありますよ」