<アラフィーにおすすめの本4選>軽妙なタッチで語られるエッセーから「見立て」アート写真集まで

編集部がピックアップした今月のおすすめの本をご紹介! 「どうせ私なんて…」と気持ちが沈んでしまっているときにぴったりのエッセー、人生の軌跡のような一瞬をSF的設定で描く短編集、見慣れた日用品や食べ物を使ったアート写真集など幅広くお届けします。

『これでもいいのだ』

「どうせ私なんて……」思考の特効薬
『これでもいいのだ』ジェーン・スー
ジェーン・スー 
中央公論新社 ¥1,400

私にはなんの価値もないと思わされるようなことが続いたとき、人と自分を比べてがっくり落ち込んでしまったときは、この本を手にとってみるといい。軽妙なタッチでつづられる66編のエッセーを読むほどに、マイナス思考に対する抗体ができてくるから。特に、〈中年女たちよ、人生の舵をとれ〉と題された第2章は、疲れたハートにガツンと響く。紆余曲折しながら歩んできた著者自身の体験からつかみとった、〈生きる糧の更新〉法や〈人生を楽しむ秘訣〉を参考にして。

『となりのヨンヒさん』

人生は未知の連続。だからこそ愛おしい
『となりのヨンヒさん』チョン・ソヨン 吉川 凪/訳
チョン・ソヨン 吉川 凪/訳
集英社 ¥1,800

隣室に住む異星人とのほのかな交流を描く表題作など全15編。SF的設定で描かれるのは、他者とのつながりや未知の連続である人生において否応なく生じる不安、痛み、そして奇跡のような一瞬だ。なかでも、「アリスとのティータイム」という短編のせつなさと愛おしさといったら!

『もうひとつのモンテレッジォの物語』

イタリアの山奥にある「旅する本屋の故郷」
『もうひとつのモンテレッジォの物語』 内田洋子
内田洋子 モンテレッジォの子供達
方丈社 ¥1,500

前半は、イタリア北部の山村に魅せられたジャーナリストによる写真エッセー。後半は、現地の子供23人が描いたキュートな絵本。古本を担ぎイタリア中に届けた「旅する本屋」の物語と、そんな村の歴史を知ることで自信と希望を発見していく子供たちの姿に、心がほっこり。

『MINIATURE TRIP IN JAPAN』

「見立て」アート写真集で頭をやわらかに
『MINIATURE TRIP IN JAPAN』田中達也
田中達也
小学館 ¥1,800

見慣れた日用品や食べ物が、この人の手にかかると日本の伝統行事や四季折々の風物を伝えるアートになってしまう。重ねた蚊取り線香にミニチュア人形を配して茶摘みの光景を表現したり、どら焼きを土俵に見立てて力士を対戦させたり……。ユニークな発想力に脱帽だ。
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