20代で初めて手にして以来、大きさや素材違いを少しずつ買い足し、首に巻くのはもちろん、デニムのベルトにしたり手首やバッグのハンドルに巻いたりして、愛用してきました。
広げて柄を見ただけでは想像できないけれど、巻くとハッとし、そのよさがしみじみわかる。
巻き方によりさまざまな表情を見せてくれます。
今なら、改まった食事の席やお会いする相手に敬う気持ちを伝えたいとき、少しだけ華やかにしたいときなどに、男性のネクタイのような感覚でサッと首にあしらいたい。
とかく“映える”ものがもてはやされ、ファッションもその流れに迎合しがちな昨今。
ひたすら美しいものを、心に刺さるものをエルメスは変わらずにつくり続けています。
「私ももっと流れにのったほうがいいの?」と惑うたび、エルメスのブレのない真摯な姿勢に正され、「このままでいいのだ」と思いを改めます。
伝統を守り、ポリシーを変えずに、ほんの少しの遊び心を加えながら、常に進化を続ける。
守りながら変えていく……。
そんな姿勢をエルメスは教えてくれるのです。