【お墓どうする?】時代に合わせて進化を遂げる「一般墓」を選ぶときのポイントは?

少子高齢化による承継者問題をはじめ、ここ数十年でさまざまなタイプのお墓が登場してきました。私たちが古くからなじんできたお墓は「一般墓」と呼ばれるようになり、その在り方も変化しつつあります。そんな「一般墓」のメリット・デメリットを専門家が解説します。
教えてくれたのは…

シニア生活文化研究所所長 小谷みどりさん

第一生命経済研究所を経て、’19年から現職。著書に『お墓どうしたら?事典』(つちや書店)、『没イチ パートナーを亡くしてからの生き方』(新潮社)など。

鎌倉新書「いいお墓」担当 藤田吉雄さん

お墓の基礎知識から全国の墓地情報まで提供する、日本最大級のお墓検索サイト「いいお墓」(https://www.e-ohaka.com)担当。

 

オリジナリティあふれる唯一無二のお墓も可能

「一般墓」を選ぶときのポイントは?

さまざまなタイプのお墓が登場したことで、私たちが古くからなじんできた、専用の区画に家ごとに墓石が建てられたお墓を、「一般墓」と呼ぶように。承継を基本とするため、お墓を購入する際、永代使用料を支払うことになる。

「これは、お墓の土地を使用する権利=永代使用権を得るための費用。もっとも、この場合の“永代”は永遠ではなく、『使用者の代が続くかぎり』という意味で、代が途切れてしまったら権利を返さなくてはいけません。ただし、新たな承継者を立て、速やかに名義変更して、年間の管理料を納めれば、永代使用権は持続できます」(小谷さん)


「一般墓は、割り振られた区間を自由に利用できるので、オリジナルの墓石を建てることが可能です。最近は、横型をはじめ、モダンな形状の墓石に、苗字ではなく、メッセージや漢字一文字といった好きな彫刻を施すケースも増えてきました。もっとも、墓石のデザインに制約がある墓地や霊園もあるので、事前に確認する必要がありますが」(藤田さん)

特に、寺院墓地は、従来タイプのお墓を指定されるケースが珍しくない。宗旨・宗派不問とされている場合でも、「ほかの宗教色を出してはいけない」といった暗黙のルールもある。公営墓地の場合も、墓石の大きさが決まっていることが多いとか。
「最も自由度が高いのは、民間霊園でしょう。ハート形やガラス製のピラミッド形、故人の似顔絵を転写したものなど、個性豊かなお墓も多数見受けられます。私も審査に携わっているのですが、デザインコンテストもあるくらい、近年は、墓石の形状が多種多様になってきましたしね。お墓に個性を出したいなら、民間霊園を選ぶのも一案だと思います」(小谷さん)

 

一般墓のメリット

●家族や親族のための専用のお墓なので、故人の好きだった食べ物や花を供えるなど、手厚い供養が可能

●スペースに余裕があるかぎり、何人でも納骨できる

●オリジナルのお墓を建てやすい

一般墓のデメリット

●永代使用料や墓石代、年間管理料のほか、寺院墓地だと法要費用がかかる場合もあるなど、費用が高額になりがち

●承継前提なので、承継者がいないと無縁墓になることも

●草むしりや掃除など、家族で管理しなければならない

一般墓の価格帯

約150〜250万円

’19年の平均購入額は全国が約170万円、東京は約200万円(「いいお墓」調べ)。オリジナル墓石の場合、デザイン料や彫刻費が上乗せに。

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