“偉大なる女性”への贈りもの。草間彌生のアートが彩るシャンパーニュ【飲むんだったら、イケてるワイン/WEB特別篇】

アーティストとのコラボレーション・ボトルは、ワインファンの密かな楽しみ。希少なものだからこそ、大切な人へのプレゼントに覚えておきたい。
ヴーヴ・クリコ ラ・グランダム 2012 草間彌生 ギフトボックス
華やかなイメージでシャンパーニュファンを魅了する「ヴーヴ・クリコ」から“偉大なる女性”と名づけられた「ラ・グランダム」が誕生したのは1972年のこと。メゾン創業200周年の記念に、メゾンの礎となった二代目当主フランソワ・クリコの未亡人(ヴーヴ)、マダム・クリコの偉業を称え、彼女へのオマージュとして誕生したものだった。
マダム・クリコ
マダム・クリコ。本名はバルブ=ニコル・ポンサルダン。1777年、ランスの裕福な家庭に生まれ、1798年に「クリコ社」2代目のフランソワ・クリコと結婚。27歳で未亡人となってからは、会社の発展に全力を注いだ。愛に満ちた精神で今も尊敬を集める存在。
夫亡き後、彼女がメゾンを引き継いだのは1805年のこと。上流階級の女性がビジネスに関わるなど、許されない時代のことだった。当時。彼女はまだ27歳だったが、メゾンを守るために、ナポレオンの大陸封鎖令のもと、腹心の部下と協力し、ロシア宮廷に自社のシャンパーニュを売り込み、メゾンを大きく発展させた。今も、自社だけでなく、シャンパーニュ地方で尊敬される伝説の存在だ。
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「ラ・グランダム」はグラン・クリュ(特級畑)のブドウのみで造られる。
「ヴ―ヴ・クリコ ラ・グランダム」は選び抜かれたグラン・クリュ(特級畑)のブドウだけで造られた同社の最高級キュヴェで、「品質はただひとつ、最高級だけ」というマダム・クリコのモットーも表している。2012年は素晴らしい収穫年だったが、この美しいヴィンテージを表現するために造られたのが現代アートの巨匠、草間彌生氏とのコラボレーション・ボトル「ヴーヴ・クリコ ラ・グランダム 2012 Yayoi Kusama Gift Box」だった。
草間彌生
©YAYOI KUSAMA 草間彌生。前衛彫刻家、画家、小説家。長野県生まれ。10歳の頃より水玉模様と網模様をモチーフに絵を描き始め、水彩、パステル、油彩などで幻想的な絵画を制作。1957年に渡米、ニューヨークを拠点にさまざまなジャンルの作品を発表した。現在はアメリカと日本を行き来しつつ、世界各国で展覧会を行っている。
実は、メゾンによれば、マダム・クリコと草間氏には共通点が多くみられるのだという。それは、大胆で確固たる意志を持ち、革新的、前衛的なヴィジョンで世界に影響を与えたこと。マダム・クリコは女性経営者と先駆けとなっただけでなく、濁りのないシャンパーニュを造るため、瓶口に澱を集めるための器具である動瓶台を開発したり、ブレンド法によるロゼ・シャンパーニュをいち早く造ったりと、シャンパーニュ造りにおいても大きな影響を与え続けてきた。
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瓶内熟成後、澱をボトルの口に集める作業を”ルミュアージュ”というが、これはシャンパーニュを透明にする”澱抜き”のために行われる。瓶を少しずつ回すための器具が動瓶台で、マダム・クリコが開発したと伝えられている。
一方、草間氏は1957年に渡米し、ニューヨークを拠点に既存の概念にとらわれず、さまざまなジャンルの芸術活動を行った。デザイン、絵画、パフォーマンス、映像、詩作など、その活動は世界各地で称賛を浴びている。男性社会において、さまざまな障害を乗り越え、世界的成功を収めたばかりでなく、なにより、革新的思考と想像力の豊かさがこの“偉大なる女性”たちを繋いでいると言っても過言ではない。
「ヴーヴ・クリコ ラ・グランダム 2012 × YAYOI KUSAMA」に描かれている花は草間氏本人を表し、宇宙に存在するあらゆる生命に向けて愛を伝えているという。ちなみに、ドットはシャンパーニュの力強く弾ける泡を象徴している。
ふたりの“偉大なる女性”の愛と伝説が息づくシャンパーニュは、やはり最も敬愛する身近な女性に贈りたいもの。感謝の気持ちは、きっと「ヴーヴ・クリコ ラ・グランダム 2012 草間彌生 ギフトボックス」の限りなくエレガントな味わいが伝えてくれることだろう。
「ヴーヴ・クリコ ラ・グランダム 2012 草間彌生 ギフトボックス」
「ヴーヴ・クリコ ラ・グランダム 2012 草間彌生 ギフトボックス」 2012年に収穫した完璧な成熟度のピノ・ノワールの卓越した複雑さを完璧に表現。ジャスミンやアーモンド、ドライアプリコットの香り。ハチミツのニュアンスも。口当たりもシルキー。三越伊勢丹限定商品。9月以降順次発売。750㎖ ¥23,400
【問い合わせ】MHD モエ ヘネシー ディアジオ TEL:03-5217-9738
取材・文/安齋喜美子
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