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「インテリアグリーン」をセンスよく飾る7つのアイデア
部屋の観葉植物や花に癒され、ベランダや庭で野菜を育てるようになった人も多いのではないでしょうか。グリーンをセンスよく取り入れ、心地よく過ごしませんか。インテリアに精通するプロに、手持ちのグリーンを素敵に飾る方法を教えてもらいました。
【憧れの住まい】おしゃれで心地いい「クリエイターの家」
①子供中心の家から夫婦のための空間へ
MADISONBLUE
デザイナー
中山まりこさん
なかやま まりこ●マディソンブルー ディレクター・デザイナー。’80年代からスタイリストとして活躍。24歳でNYに渡り活躍の場を広げる。2014年「マディソンブルー」をスタート。幅広い年代から絶大な支持を受ける。「ものを通して、スタイルの提案をしたい」と、店舗ではアートの展示なども行う。
アラフィーで手に入れた、好きなものだけが詰まった心地のいいリビング
「朝は小鳥のさえずりで目覚め、起きたらまずコーヒーをいれて、テラスへ。静かにひとりの時間を過ごします。夜、ゆっくりワインを飲むのもテラス。緑が多く眺めがいいのも、このマンションを気に入った理由のひとつです」
中山さんが暮らすのは、都心のおしゃれなブティックが立ち並ぶエリアからほど近い、’80年代に建てられた瀟酒なヴィンテージマンション。引っ越してきたのは子育てが一段落し、ブランドを立ち上げたのと同時期だ。角部屋でどの部屋も明るく、上質でシンプルな内装も気に入ったという。
「以前暮らしていたのは、子供中心の家。子供が友人をたくさん連れてくるし、大人も集まる家だったので、家具やものは、汚れても壊れてもいいように子育て目線で選んでいました」
晴れて子供のための空間から、夫婦のための空間へ。「やっと実現したという解放感をこの家にこめた」と笑う。選んだ家具や照明はイタリアのものが多い。とりわけ’50年代から’70年代のものに惹かれるとか。つい最近、自宅にやってきたソファもイタリア製だ。
「イタリアの家具でも、例えばソファと人との間合い、関係性がブランドによって全然違うことを知りました。このソファはデザインだけでなく、あえて人の気配を残すというセンシュアルなコンセプトにも共感したんです」
家具やアートをはじめ、ものを購入するときは家やインテリアに合う、合わないは考えず、「好き」という気持ちをとにかく大切にしているという。
「買ってからどこに置くか、飾るかを考えます。だから新しいものが増えるたびに模様替え。洋服もそうですが、家具でもアートでも好きなものからは、エネルギーをもらえます。そういうものだけを身近に置いていたいですね」
中山さんのフィルターを通して選ばれたそれらが美しく調和し、“らしさ”を感じる、奥行きある洗練された心地よさをつくり上げている。好きなものだけに囲まれた心豊かな暮らしが、あの大人の色香漂う、とびきり魅力的な服づくりにつながっているのだ。
壁を彩るアートが暮らしに潤いを
“仕事はオフィスでしますが、考えごとや、イメージを膨らませるのは、このリビングで”
壁一面のオーダーでつくった本棚には、中山さんご夫婦が集めてきた写真集やファッション、アートなどのビジュアルブックが並ぶ。ソファは「フレックスフォルム」の新作。大理石天板のテーブルも「フレックスフォルム」のもの。「夢があって好き」という「ルイ・ヴィトン」のトランクをコーヒーテーブルとして使用。ラグはセドナから持ち帰ったそう。
インテリアはマンションのベースカラーである白と茶を基調に、ラグや小物でさし色を。ダイニングチェア、テーブル、ランプは『ロイズアンティークス』で購入したヴィンテージのイタリア製。正面にはブルース・ウェーバーのポスター、右壁にはアクセル・サルトの版画が。
玄関の正面にはリチャード・アドヴェンの写真と、息子さんの友人・Wakuによるネオンアートを。廊下の壁にもアートが並ぶ。
好きなものだけを集めたら家じゅうが心地いい空間に
おしゃれインテリア こだわりのセレクト①
イメージを膨らませる本棚前のコーナー
リビングのソファと本棚の間に設けたコーナー。大好きな「ディオール」や「ルイ・ヴィトン」をはじめ、本棚に並ぶビジュアルブックをここに広げ、イメージを膨らませるのは中山さんにとって大切な時間。家具は「フレックスフォルム」。
おしゃれインテリア こだわりのセレクト②
日々の疲れを癒す日当たりのいい寝室
「帰宅して、このベッドにダイブする瞬間が幸せ」と笑う中山さん。なんと、日々のベッドメイクはご主人が率先してやってくださるのだとか。『マムール』で購入したラベンダーの大きなサシェを抱えて寝ると熟睡できるそう。
おしゃれインテリア こだわりのセレクト③
クールダウンするお気に入りのテラス
都心とは思えない、緑に囲まれた見晴らしのいいテラス。ステイホーム中は、ここでごはんを食べることも多かったとか。今も朝のコーヒーと夜のワインはここで。奥のチェアは、サンフランシスコのアーティストによるもの。
②仕事と暮らしの切り替えができる家
Chaos
ディレクター
櫛部美佐子さん
くしべ みさこ●Chaosディレクター。「大人のための上質な日常着」をコンセプトに、’18年、「Chaos」をスタート。素材にこだわった洗練されたアイテムにエクラ世代のファンも多い。趣味の旅行から服づくりのインスピレーションを得ることも。
インテリアは素材を重視。観葉植物と旅の思い出で心地よさを演出
櫛部さん宅のリビングで、真っ先に目に飛び込んでくるのが、のびやかに枝葉をのばした観葉植物たち。「このカシワバゴムの木は、自分で3つに株分けしました。母の影響で昔から植物が好きなんです。そういえば、あまり枯らしたことがないかもしれません」とにこやかに笑う、うらやましいほどのグリーンフィンガーの持ち主だ。
この家に越してきたのは10年ほど前。エリアと日当たりのいい広いリビングが気に入って決めた、建売の戸建てである。引っ越し後、敷地内に植えたユーカリやトチュウの木は2階の窓を超えるほど大きく成長し、お風呂に入れたり、茶葉にしたりと活用しているとか。揺れる青葉が窓の外に涼しげな景色をつくり、都会にいることを忘れるほどだ。さらに、この家を魅力的にしているもうひとつのキーアイテムが、櫛部さんが旅先から持ち帰ったプリミティブなものたち。旅好きで、アジア、アフリカ、中米などへ年に1〜2回は出かけるという。モロッコやインドネシア、メキシコから持ち帰ったお面、版画、布などを、「壁があると埋めたくなってしまって(笑)」と、まるでジュエリーのように、家のそこかしこの壁にセンスよくあしらっている。
「デザインする洋服にも、好きな料理にも共通することなのですが、インテリアも素材感を大切にしています。リビングのシェードは、綿麻の天然素材。化学繊維とは光の質、柔らかさが違う気がして。あと古いもの、経年変化を楽しめるものも好きですね。自宅は仕事の場でもあるので、くつろぐときは2階、仕事は3階ときっちり分けています。3階に行くと『さぁやるぞ』と自然と仕事モードに切り替わります」 休日に友人を招くことも多く、宴が8時間近くにおよぶこともあるとか。天然素材と植物に囲まれた心地のよい空間、おいしい手料理に、訪れる人は惹きつけられ、癒されるのであろう。実は近々、長野県へ移住予定の櫛部さん。
「東京に通いながら、自然に囲まれた環境で新たな暮らしをスタートすることに。今から楽しみにしています」
「心地いい」と評判の人が集まるダイニング
“LDKのある2階はくつろぎの場。思いきりリラックスし、仕事はいっさいしません”
リビングでは、『ボーコンセプト』で購入したソファに座って海外ドラマを見たり、本を読むのが至福の時間。天井から吊るしたピーター・アイビーの照明は、「手吹きガラス越しの揺らぎのある温かな光が魅力」だとか。壁にはアフリカのお面や、「neulo」の熊谷美沙子さんによるタペストリーなどが飾られている。ラグは福岡の『ライトイヤーズ』で購入。
お気に入りに囲まれ集中できる仕事部屋
素材、香り、植物、アート。五感に響くものに囲まれる暮らし
おしゃれインテリア こだわりのセレクト①
家に置くものは天然素材にこだわる
リビングのソファや、ダイニングの椅子に置いているのは、旅好きな櫛部さんがメキシコから持ち帰ったクッション。染めを施していない天然の毛を用いた優しい色合いのモダンな柄。手織りの生地は肌ざわりも抜群。
おしゃれインテリア こだわりのセレクト②
パワーをもらえるアート作品
3階にある仕事部屋の壁には、友人によるシルクスクリーン作品や、’70年代に流行した糸を用いたストリングアート、メキシコのお面などが、センスよく飾られている。アートと植物からパワーがもらえそうな部屋だ。
おしゃれインテリア こだわりのセレクト③
香りと音楽で心地よく整える
アロマセラピーの勉強をし、石鹸づくりもしているという櫛部さん。仕事場の棚には、アロマオイルなどが並ぶ。右上はステイホーム中に購入した「sonos」のスピーカー。仕事をしながら音楽を聞く楽しみが増えた。
③インテリアは変化させて楽しむ!居心地のよい部屋づくりの秘訣
Room no.8
デザイナー 小島直子さん
こじま なおこ●’96年よりビームスにてプレス、バイヤー、新レーベルの立ち上げなどに携わる。2010年よりフリーランス。’12年、着心地がよく、ほどよいモード感を意識した自身のブランド「Room no.8/ルームエイト」を発表。
「これを生かしたい」と考えて選んだものを日々いい状態でキープ
小島直子さんの自宅兼自身のブランド「Room no.8」のアトリエがあるのは、駅周辺のにぎわいから少し離れた静かな住宅街。3フロアが螺旋階段でつながるメゾネットタイプで、1階がリビング&キッチン、2階が寝室、地下がアトリエ。平日は毎日ふたりのスタッフとともにここで働き、休日は2匹の猫と一緒に、オフの時間を楽しんでいる。
インテリア好きで、ブランド問わず国内外のインテリアショップを見てまわることも多いという小島さん。
「『IKEA』などのものも多いですし、仕事で海外に行ったときにひと目惚れした照明や雑貨などもあります。好きなものを買い足していったら、自然とイタリア製のものが多くなったかもしれません」
大切なのはブランドよりも自分が好きかどうか。直感も大切、衝動買いもするけれど、最近は「インテリアも服も、長く使い続けているのは『これを生かしたい』と、衝動的でもしっかり考えて選んだもの」という。
「ものが増えてくると残したいもの、残さなくていいものの違いに気づきますね。たとえ高かったものでも『使っていないな』と思えば、あまり考えて買わなかったからと潔く処分することもできるようになりました」
好きなものに囲まれた空間は、なによりも心地いい。そして好きだからこそ、小島さんはこれらのものを日々動かし、いい状態をキープしている。
「いつも目に入るものが同じだとつまらない、という思いもあって。毎日光の射し具合に合わせてグリーンの位置を動かし一番美しく見えるようにしたり、季節でラグを替えてみたり。階段の“8”のアートフレームも実はまだまだあって、季節や展示会のテーマに合わせ、飾り替えています」
常に美しく見えるように日々心をくばること。そのマメさも、さすがおしゃれな人らしい習慣。小島さんにとって毎日気分よく過ごせる居心地のいい部屋づくりの秘訣といえそう。
「8」のアートを飾った螺旋階段と地下のアトリエ
玄関やリビングにさりげないアクセント
“平日は地下“のアトリエで仕事。休日はリビングで猫とのんびり”
グリーンがいっぱいのリビング。壁紙は入居時に選んだもので、シックで落ち着いた色みが気に入っている。ダイニングテーブルは『CIBONE』で購入。ダークブラウンの椅子は「カッシーナ」。休日は窓ぎわのバタフライチェアで猫と一緒にのんびり過ごす。
見た目と機能を兼ね備えたリビング雑貨
おしゃれインテリア こだわりのセレクト①
猫のセルもお気に入りのスツール
猫たちにもそれぞれお気に入りの場所がある。リビングの窓ぎわでセルが寝ていた籐のスツールは『IKEA』で購入したもの。丸くなって寝るのにぴったりの形。下の穴にも潜ることができる、2段ベッドタイプ。
おしゃれインテリア こだわりのセレクト②
オーディオは見た目にもこだわって
スツールの上に置かれた不思議な物体は「Harman Kardon(ハーマンカードン)」のスピーカー。音響のよさとともに、内部でLEDライトが光る、インテリア性も高い逸品。濃紺のシックな壁紙にもマッチ。
おしゃれインテリア こだわりのセレクト③
小さなグリーンが映える花器いろいろ
鉢カバーはバイヤー時代、フランスで開かれた家具やステーショナリーの展示会を訪れたときに見つけ購入。動物が描かれたファブリックのバスケットはベルギーの「SERAX」のもの。
④緑豊かな庭でのんびりくつろげる、休日も過ごしやすい家
blanc iris[ブランイリス]
クリエイティブディレクター
荒木弘美さん
あらき ひろみ●フランスのジュエリーブランドを長年にわたり日本で展開したのち、’12年、自身のジュエリーブランド「ブランイリス」をスタート。自然を思わせる有機的なデザイン、イタリアの熟練職人の手作業の技が独特の魅力を放つ。
変わらないものと日々変化するもの。その両方を愛おしむ暮らし
神戸市内の里山地区。豊かな自然に囲まれた輸入住宅に荒木弘美さんは7年前から暮らしている。
「静かな環境と広い庭、南向きのリビングの大きな開口が気に入っています。気候のいい時期はテラスで鳥のさえずりを聞きながら新聞や本を読んだり、冬はリビングの薪ストーブの前で過ごしたり。不思議なもので、炎を囲むと会話が増えるんですよ。テレビをつけることも減りました」
「少しでも自然に近いところを」と選んだこの場所。住みはじめてから家で過ごす時間がとても心地よく、休日に外出することもほとんどなくなったという。
これまでずっと、国内外を飛びまわり、昼夜なく働いてきたけれど、今はこの家でゆっくりと生活を楽しむことで、オンとオフの切り替えがしやすくなったそう。家具は前の家から、長年使っているものばかり。
「ソファやローテーブル、ベッドなどイタリアの『B&B』のものが多いです。たまたまいいな、と思うとアントニオ・チッテリオがデザインしたものが多く、温かみがあり、シンプルだけれどディティールにこだわりを感じられるところが好きですね」
ずっと変わらず使い続けている家具には、体になじむような愛着がある。さらに、家に合わせて薪ストーブやベランダの緑化など、新しいものも少しずつ、ゆっくりと取り入れて楽しんでいる荒木さん。庭の芝生やハーブの寄せ植え、室内のグリーンの数々も、荒木さんの暮らしに欠かせないもの。
「芝生の手入れは大変ですが、苦労を補って余りある気持ちよさがあります。植物に惹かれるのは完成されていないところかもしれません。日々姿を変え、元気に育ったり枯れたりと常に変化していますよね。それを目にすることで季節や気候を感じ、癒されると同時にイマジネーションも広がっていくよう。便利な世の中で忘れがちですが、時間と手間をかければ大きな満足感を得られることも教えてくれます」。変わらないものと日々変化するもの、その両方を愛いとおしむ荒木さんの部屋は、温かい空気に満たされている。
“この家で生活を楽しむことでオンとオフの切り替えがスムーズに”
1階のリビングから2階にかけ吹き抜けの大きな窓があり、2階からの眺望は抜群。踊り場に置かれた「バング&オルフセン」のオーディオから家じゅうに重厚な音が流れる。ふたりの息子の子育てが終わり、荒木さんはここで静かな生活を送っている。
芝生の広がる広大な庭が生活の一部に
たっぷりと光が入る暖かなリビング
家の中で自然を感じるリラックスアイテム
おしゃれインテリア こだわりのセレクト①
ベランダの緑が眩(まぶ)しい寝室
ベランダのある2階の寝室。ベッドは「B & B」、サイドテーブルのライトはフィリップ・スタルクデザインのもの。ベランダは外壁に沿って蔦がたれ下がって見えるよう緑化が進行中。その様子を横になりながら見られるのもお気に入り。
おしゃれインテリア こだわりのセレクト②
花壇の寄せ植えハーブで自家製ソース作り
庭の花壇でハーブの寄せ植えを楽しんでいる荒木さん。収穫したバジルでバジルソース作りにも挑戦。「自分で育てたバジルで作ったソースは格別。お店で簡単に買えるものでも、わざわざ時間と手間をかけることを楽しんでいます」。
おしゃれインテリア こだわりのセレクト③
胸が熱くなるアフリカ象親子のモノクロ写真
家にはたくさんのアートを飾っているけれど、今一番気に入っているのがアフリカ象親子の写真。「アフリカに暮らす女性写真家のもの。親子の姿に自分を重ねてしまうのかもしれません」。
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