見ればキレイになる⁉韓流ドラマナビ⑫「十八の瞬間」
エクラの美容記事でもおなじみのライター・山崎敦子がお届けする韓流ドラマナビ。今回は、“演技ドル”の若手注目株NO.1との呼び声も高い、オン・ソンウ主演の「十八の瞬間」をご紹介!
いい意味で期待を裏切る、“18歳”を描いた青春ドラマの秀作
それほど期待して観始めたわけではないのです。お目当ては、主演のオン・ソンウ君。大好物のサバイバルオーディション番組のひとつ「PRODUCE 101 シーズン2」で勝ち残った11人によるボーイズグループWanna One(ワナワン ※2019年1月に解散)出身です。韓国では演技ドルと呼ばれる、俳優や女優としてドラマでも活躍するアイドルが結構多いのですが、彼もそのひとりとでもいいましょうか(ワナワン解散後はソロとして活動)。
あぁ、アイドルね……と思ったあなた、アイドルといえどもあなどれないのが韓国です。人気&美ビジュアルだけに終わらない演技派が結構多く、それゆえ、涙涙のグループ解散後の彼の初めての主演作ということもあって、これはちょっとチェックしておかなきゃね……とばかりに軽い気持ちで観始めたのがこのドラマという次第。
ところがです。これが意外にも大当たり。後半に進むにつれてじんじんと胸に響いてくるかなりな秀作でして、韓流ドラマの記事を書いている友人も、今季のベスト5に入る!と声を大にしていっていたくらい。
タイトルの「十八の瞬間」からも推察されるように、お目当てのオン・ソンウ君が演じるのは18歳の高校2年生。……、え、ちょっと待って、18歳なら高校3年生じゃないの、とつっこみ入ってますよね、今。
タイトルの「十八の瞬間」からも推察されるように、お目当てのオン・ソンウ君が演じるのは18歳の高校2年生。……、え、ちょっと待って、18歳なら高校3年生じゃないの、とつっこみ入ってますよね、今。
まるで、私の凡ミスのようでありますが、間違いではありません。韓国の年齢は数え年で表すのが一般的。数え年とは、生まれた年が1歳で、毎年、お正月を迎えるごとにみんな一斉に1歳ずつ年を取るという数え方です(12月31日に生まれた赤ちゃんは、翌日の元旦にはすでに2歳!)。
日本では、生まれ年を0歳としてお誕生日ごとに年を取る満年齢方式がいまや常識。なので、厄年を確認するときぐらいしか、数え年の年齢と遭遇することはめったになく、それゆえ、韓流ドラマやK-POPを追っていると、時々きつねにつままれたようにその年齢マジックに混乱してしまうこと(多い場合は、満年齢と2歳差ある)もあるので、あらかじめ知っておくと便利です。韓国人の年齢を聞いて、あ、同い年だ!と思っても実は年下だったということも多々。まあ、少々余談ではありますが、つまりは、韓国では18歳と言えば、ほぼ高校2年生となるわけです。
日本では、生まれ年を0歳としてお誕生日ごとに年を取る満年齢方式がいまや常識。なので、厄年を確認するときぐらいしか、数え年の年齢と遭遇することはめったになく、それゆえ、韓流ドラマやK-POPを追っていると、時々きつねにつままれたようにその年齢マジックに混乱してしまうこと(多い場合は、満年齢と2歳差ある)もあるので、あらかじめ知っておくと便利です。韓国人の年齢を聞いて、あ、同い年だ!と思っても実は年下だったということも多々。まあ、少々余談ではありますが、つまりは、韓国では18歳と言えば、ほぼ高校2年生となるわけです。
ドラマは、オン・ソンウ演じる18歳の主人公ジュヌが、ソウルの高校に転校してくるところから始まります。このジュヌですが、校内暴力の加害者として強制転校させられてきたという設定(実は加害者ではなく仕立てられてしまったのですが……)。それゆえ、学校側も生徒たちも保護者も彼を見る眼差しはほとんどが偏見の塊……。私的にはタイトルから察するに軽いノリで観られる高校生の胸キュン初恋モノを期待していたのですが、初っ端からちょっと重苦しい雰囲気です……。
しかも、ジュヌが転入したクラスの超優等生の委員長マ・フィヨン(シン・スンホ=人気webドラマ『A-TEEN』で注目されたモデル出身の期待の新人)によって時計泥棒の汚名まで着せられるという展開。実は、ジュヌは母親とも離れて暮らす私生児という事情も抱えており、このマ・フィヨン事件により再び強制転校か……という状況に追いやられていきます。転校したばかりなのに、いきなりの絶体絶命。
なのに、ジュヌといえば、汚名を晴らすことも抵抗することもせず、ただ流れに身を任す至ってクールな姿勢。自分が抱える事情に対する世間の態度を嫌というほど体感しつくしてきたがゆえの諦観とでもいいましょうか。18歳にして誰にも心を許すことなく、孤独になれきってしまっているジュヌ。う、う、なんか切ないぞ。
なのに、ジュヌといえば、汚名を晴らすことも抵抗することもせず、ただ流れに身を任す至ってクールな姿勢。自分が抱える事情に対する世間の態度を嫌というほど体感しつくしてきたがゆえの諦観とでもいいましょうか。18歳にして誰にも心を許すことなく、孤独になれきってしまっているジュヌ。う、う、なんか切ないぞ。
さて、18歳(満年齢なら17歳)という年齢ですが、みなさんはその頃のことって覚えています? 私たちエクラ世代でいえば、もう30年(ゲゲッ)くらい前のこと。遠い昔といえば遠い昔だけれど、ちょっと目をつむって回想すれば、その頃の記憶が鮮やかに戻って来くるやもしれません。子供ではもうないけれど、でも、まだ大人とも言えない……そんなあいまいなお年頃。
私的には自分がとびきりの美人でもなければ(どちらかといえばオヘチャ寄り)、ずば抜けた天才でもない(どちらかといえばクラスのビリから数えたほうが早い)ことを改めて思い知ったのがちょうどこのくらいの年齢だったかと思われます。輝ける未来があるはずなのに、自分というものの現実も徐々に知り始めてくる年代。だからこそ、これからの進路や自分というものの価値に純粋なまでに思い悩み、揺れ動き、なのに親からは自分を遥かに超える過度な期待……。
私的には自分がとびきりの美人でもなければ(どちらかといえばオヘチャ寄り)、ずば抜けた天才でもない(どちらかといえばクラスのビリから数えたほうが早い)ことを改めて思い知ったのがちょうどこのくらいの年齢だったかと思われます。輝ける未来があるはずなのに、自分というものの現実も徐々に知り始めてくる年代。だからこそ、これからの進路や自分というものの価値に純粋なまでに思い悩み、揺れ動き、なのに親からは自分を遥かに超える過度な期待……。
フレッシュな俳優陣がみずみずしくナチュラルに演じているのが素晴らしい!
ドラマに登場する18歳の高校2年生たちも、ジュヌに限らず、みんなそれぞれに揺れ動く事情を抱えています。例えば、強制転校させられたジュヌに対しても全く偏見を持つことのない優等生ユン・スビン(キム・ヒャンギ=大ヒット映画「神と共に」に出演するなど、若手演技派女優として絶賛注目されているひとり。ちなみにジュヌとの初恋を演じる相手役です)は、ソウル大出身の母からの強いプレッシャーに押しつぶされそうになるし、ジュヌの一番のチング(友達)となるクラスメイトのチョン・オジェ(ムンビン=ボーイズグループASTROのボーカルで子役としても活躍した演技ドル)は、ガールフレンドを異性として好きになりきれない自分に思い悩むし、ジュヌを陥れた委員長のマ・フィヨンにしても権力を振りかざす親との間でなにやら深い闇を抱えている様子……。
物語はジュヌとスビンの初々しい初恋を主軸に据えて、学校や親の権力、いじめ、暴力、差別、偏見などの現実社会が抱える深刻な問題を織り込みながら、それぞれの18歳が直面する現実をきめ細やかに映し出していくといった内容。果たして、ジュヌは、そして彼を取り巻くそれぞれの高校2年生たちは、どんな選択をし、どんな18歳を生きていくのか……。そして、ジュヌとスビンの初恋の行方も気になるところ……。
思えば18歳の道程には、人生で初めて遭遇するやもしれない悪路が至るところに仕込まれている気がします。大人になれば、避けて通れるわかりやすい泥沼にも、自らずぶりと足を踏み入れてしまう、そんな感じ。ほら、30年前を思い起こせば、自分もそうだったと思い出しませんか? でも、ドラマの18歳たちは、悪路に足を取られながらも、必死でもがきながら前を向こうとする。う、う、……だからこそ、世俗にまみれきった大人には、とても切なく、そしてこの上なく清々しく映る……。
オン・ソンウをはじめとしたフレッシュな俳優陣が、そんな18歳をみずみずしくナチュラルに演じているのが素晴らしく、それゆえに、ドラマが進むごとに彼らの思いにどんどん共鳴、大人の胸の奥に頑固にこびりついてしまっている世俗の汚れもサラサラと溢れ出る清い涙で洗い流されていく感覚です。やっぱり演技ドルの凄さ、あなどれませんね。初恋のスビンという“希望”を初めて手にしたジュヌが、徐々に変わりながら魅せてくれる優しい笑顔に癒やされること必至。ぜひ、このドラマで心あらわれてくださいませ。
ちなみに、ドラマ後半のとあるシーンで、ジュヌことオン・ソンウの歌う姿も披露されます。演技ドルといえど、ドラマのシーンで歌う設定はめったになく、だから、K-POPファン(特にワナワンペン)にとっては垂涎シーンでも。そちらもお楽しみに。
ちなみに、ドラマ後半のとあるシーンで、ジュヌことオン・ソンウの歌う姿も披露されます。演技ドルといえど、ドラマのシーンで歌う設定はめったになく、だから、K-POPファン(特にワナワンペン)にとっては垂涎シーンでも。そちらもお楽しみに。
その言葉、気になる! ドラマの韓国語ワンポイントレッスン
【걱정돼서】(コクチョンドゥエソ)「心配で」
第5話のほぼほぼラストに登場する、ジュヌがスビンにかけたセリフです。この「걱정돼서(コクチョンドゥエソ)」の最初の「걱정(コクチョン)」は心配という意味の名詞で、韓流ドラマに慣れ親しんだ方なら、何度も聞いたことがあるのではないでしょうか。韓流ドラマには、いくつものいわれたい“萌え”ゼリフがありますが、私にとってはこちらもそのひとつ。
この「걱정(コクチョン)」に、否定の意味を表す「마(マ)」をつけると「걱정 마(コクチョン マ)」となり「心配するな」という意味になります。ほら、何やらちょっと萌えるでしょ。
で、「걱정돼서(コクチョンドゥエソ)」は、「心配だ」という意味の「걱정돼(コクチョンドゥエ)」に「〜で」「〜だから」という意味の接続詞「서(ソ)」をつけた言葉で、つまりは「心配で……」「心配だから……」という意味になります。この接続詞の「서(ソ)」が、なかなかいい響きでして、例えば会いたいという意味の「보고 싶다(ポゴシプタ)」につけると「보고 싶어서(ポゴシポソ)」「会いたくて……」となるわけですが、ほら、ちょっと余韻が生まれる感じ、ありませんか? この後を引く感じが、私的にはたまらなく……(もちろんセリフの主がイケメン前提ではありますが……)。
で、「걱정돼서(コクチョンドゥエソ)」は、「心配だ」という意味の「걱정돼(コクチョンドゥエ)」に「〜で」「〜だから」という意味の接続詞「서(ソ)」をつけた言葉で、つまりは「心配で……」「心配だから……」という意味になります。この接続詞の「서(ソ)」が、なかなかいい響きでして、例えば会いたいという意味の「보고 싶다(ポゴシプタ)」につけると「보고 싶어서(ポゴシポソ)」「会いたくて……」となるわけですが、ほら、ちょっと余韻が生まれる感じ、ありませんか? この後を引く感じが、私的にはたまらなく……(もちろんセリフの主がイケメン前提ではありますが……)。
さて、ドラマでの「걱정돼서(コクチョンドゥエソ)」は、ジュヌがスビンを思いやって発したセリフになるわけですが(マジ羨ましい)、実はこの場面からラストにかけては、ふたりの関係がさらに深まる良きシーン。ここにかぶせて流れるOSTがまた良き曲なので、ぜひ注目を。もちろん、歌うのはジュヌを演じるオン・ソンウ君。ジュヌとスビンの初々しい恋をよりみずみずしく映し出す、彼の甘く澄んだ歌声もぜひ、ご堪能くださいませ(ちなみに3話のラストでも流れます)。
◆「十八の瞬間」配信中&DVDレンタル中&DVD-BOX発売中
DVD-BOX1 第1話~第10話収録/¥12,500+税
DVD-BOX2 第11話~第20話(最終話)収録/¥12,500+税
発売元:ポニーキャニオン
DVD-BOX1 第1話~第10話収録/¥12,500+税
DVD-BOX2 第11話~第20話(最終話)収録/¥12,500+税
発売元:ポニーキャニオン
「十八の瞬間」オリジナル・サウンドトラック 12/16 CD&配信リリース!
オン・ソンウの歌声も聴ける「十八の瞬間」のOST日本版が発売される。オン・ソンウのほか、ステラ・チャン、Christopherなど実力派アーティストの歌唱曲を含め、全 18 トラックを収録。CD1枚組。封入特典は、カラーブックレト(ハングル歌詞・フリガナ・日本語対訳)。¥2,500+税/発売元:ポニーキャニオン
山崎敦子
旅行記事に人物インタビュー、ドラマ紹介、実用記事から、着物ライターとさまざまな分野を渡り歩き、今では美容の記事を書くことも多くなったさすらいのライター。襲いかかるエイジングと闘いながら、ウキウキすること、楽しいことを追い求め続ける日々を送る。
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