いつの世よりの、銀杏かな。

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色で好きなのは黄色より赤色。なのに、秋に色づく木の葉の場合は断然、黄葉。

常緑樹の緑とのコントラストが最大の理由でしょうか。とりわけ、山を走る列車の窓から、背の高い針葉樹の下で小さな若木がひっそりとしかし煌々と輝くように佇んでいるのを見つけたりすると、とても嬉しくなります。

写真1枚目は手前が楓、奥が銀杏。2枚目は苔の上に落ちた板屋楓の葉です。

金と緑青のやまと絵的カラーリングで絵になりますなあ~と感慨に浸るも、古い日本の絵では黄葉、とりわけ銀杏を見かけることがありません。ご神木のように扱われる銀杏の巨木があるわりには、近代以降の絵に登場する例しか思い当たらない(家紋や文様は別として)。調べてみると、中世の頃に中国から渡来して普及したという説があるらしい。また、天然の岩絵の具では鮮やかな黄色を再現できないことも画題にしにくい一因だったかもしれません。

次に前方後円古墳の上でぼんやりと過ごすときは、「銀杏のなかった昔」についても想像してみようかと思いました。
(編集B)

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