コロナ禍の「自分は正しい」症候群が増えている!困った人と遭遇したときの対処法

「マスクをしていない!」と他人を罵倒し、店員に大声でクレームをつけ、有名人の不祥事をSNSでバッシング。「~したほうが"絶対"いい!」と自分の価値観を押しつけ、こちらの意見や体験に対しては「それないわ~」と全否定。そんな「自分は絶対正しい!」という強~い信念(思い込み!?)のもと、まわりを振り回す人々が急増中。世の中の空気を殺伐とさせ、実被害をもたらす困った人々の精神構造と、その護身術を専門家が指南!

 

教えてくださった先生

精神科医 片田珠美さん

精神科医 片田珠美さん

大阪大学医学部卒業、京都大学大学院人間・環境学博士課程修了。ベストセラーになった『他人を攻撃せずにはいられない人』(PHP新書)や『「自分が正義」の人に振り回されない方法』(大和書房)など著書多数。

 
①あなたのまわりにもこんな人いませんか?

最近、あなたのまわりにもこんな人いませんか?

SNSで

家族で温泉旅行に行ったときの写真をSNSにアップしたら、友人から「あそこは露天風呂つきの特別室でないとよさが実感できないのに、普通の部屋しかとれなかったの?」という書き込みが。わが家は“普通の部屋”で満足なんだから、ほっといて!

ご近所で

スーパーのレジ待ちをしていたところ前に並んでいた同世代くらいの女性から、「密、密! もっと離れて!」と一喝されてビックリ。スーパーで指定された立ち位置から、ちょっと前に出ていた程度なのに。しかも、「このご時世に非常識ね!」とまでいわれてしまい……。

お仕事で

派遣先の先輩が常に自分のやり方を押しつけてくる。メールは雛形を何パターンかつくるのが効率的とか、企画書の文章は、一文が2行以内に収まるようにすべきだとか。しかも、必ず「あなたのためにいっているのよ」という言葉がセット。ああ、面倒くさい!

 
②「自分は正しい」症候群とは?

ここ数年特に増えているように思える「自分は正しい」症候群。蔓延している理由として専門家が指摘する2つの“社会問題”とは!?

相手を支配し、屈服させることで快感が生まれる

自分の考えが正しいと主張して譲らず、他人の意見に耳を貸さない。自分の価値観が絶対だと疑わず、それに当てはまらない人を攻撃する。なんでも他人や周囲のせいにして、“自分に非があるかも”とは考えない。自分の知識や経験はすばらしいと思い込み、上から目線で他人にダメ出しする。そんな身勝手で、ひとりよがりな困った人々が増えているのは、いったいなぜ!?

「自分は正しいと声高に主張した結果、相手がそれを受け入れてくれると、ある種の満足感や快感が得られます。その快感が忘れられず、繰り返し行うのが、『自分は正しい』症候群。そもそも人間は、相手を支配し、屈服させることで、なんらかの満足感や快感を得るものではありますが、最近特に増えているのには、2つの背景があると思います」と指摘するのは、精神科医として臨床に携わった経験をベースに、犯罪心理や心の病の構造などを分析している片田珠美さん。背景のひとつ目は、多くの人が現状に対して不満や怒りを抱いているということ。

「その最大の理由は、経済的な不安。ここ数年アベノミクスで景気が上向いたといわれながら、潤ったのは大企業や一部の富裕層だけで、多くの人は実感できずにいました。そこに新型コロナウイルスの流行がダメ押しとなり、収入減や失業など、経済的困窮に陥る人が多数出てしまった。かといって、勤務先やコロナウイルスを責めるわけにもいきません。そこで、怒りの矛先をほかの人たちに向けることで鬱憤(うっぷん)を晴らそうとしているのです」

背景の2つ目は、SNSの浸透。

「芸能人の不倫ひとつとっても、昔はここまでバッシングされませんでしたし、活動自粛に追い込まれるケースも少なかったと思います。それは、時代がおおらかだったことに加え、自分の意見を簡単に発信する手段がなかったから。ところが今は、SNSなどを利用すれば、自分自身は表に立たずとも、相手を簡単に、容赦なく攻撃できる。多くの人々が悪をたたく様が可視化できるようになったため、『それなら私も』と、自分の正義を声高に主張する人が増えたのでしょう」

ということは、「自分は正しい」症候群はまだまだ蔓延するということ!?

「それはわかりませんが、どんな時代でも一定数はいるでしょうね。本来は、そうした困った人とは距離を置き、相手にしないのが一番なのですが、親戚やご近所、仕事関係など、付き合わざるをえない相手もいると思います。しかも、どんなにがんばっても『自分は絶対正しい』と思い込んでいる相手を変えることはほぼ不可能。なので、被害を受けない、あるいは最小限にとどめるための策を、自分自身で講じることが重要です」

その第一歩は、“敵”を知ること。次回は「自分は正しい」症候群のタイプと、その精神構造を学ぶびます!

 
③「自分は正しい」症候群には3つのタイプがあった!

1. 自分のメリットを最大化しようとする「利得型」

自分のメリットを最大化しようとする「利得型」
自分にとって利益になると思えば、それが本当に正しいか、根拠があるかなどは考えず、ひたすら自分の正義を主張する「利得型」。代表格は、店員の態度や商品に難癖をつけ、値引きや特別なサービスを享受しようとするクレーマー。自分のミスを、「あなたがちゃんと説明しなかったから」などと他人のせいにする人も、保身という利益のために自分は悪くないと言い張る利得型の典型だ。「怒ったり、ごねたりすればまわりが自分の主張を聞いてくれるという“成功体験”が行動に拍車をかけているともいえます」と、片田さん。この利得型、主張に無理があると感じつつも、利益を得るために自分は正しいと言い張るタイプと、心の底から自分は間違っていないと思っているタイプがあるのだそう。「特に厄介なのは後者。本人はまったく悪いと思っていないので、こちらがどう説明しても聞く耳をもたないどころか、さらに攻撃してくる場合も」。

2. 自分の価値を高めるのに必死!「自己愛型」

自分の価値を高めるのに必死!「自己愛型」
自分を認めてほしい、他人より優位に立ちたいという自己愛の強さゆえに、自分の価値観や正しさを押しつけるのが、このタイプ。自分の能力や経験を自慢したり、アピールしたりするのはもちろん、相手を貶(おとし)めることで自分の優位性を示そうとするケースも少なくない。片田さんいわく、「自己愛型にとってなによりうれしいのは、相手に勝つことであり、支配すること。なので、相手が自分の価値観や要求を受け入れてくれるまで、主張を押しつけてきます」。また、プライドが高いため、自分を軽んじられるのも否定されるのも許せない。例えば自分の知識不足を指摘されたら、「知識より経験が大切。自分にはそれだけの経験値がある!」などと、自分が正しいと声高に主張するといった具合。「有名人と知り合いなど“権威”を借りて自慢したり、相手の話を最後まで聞かずに自分の話にすり替えたりする人も、このタイプの可能性が高いので要注意です」。

3. 弱みがあるからこそ他人を攻撃する「否認型」

弱みがあるからこそ他人を攻撃する「否認型」
「自分の弱みや非を隠すために、相手を攻撃するのが『否認型』。そもそも人は、弱みを突かれるとつい感情的になって相手を攻撃しがちですが、否認型はその前に行動に出ます。先に相手を非難することで、自分は悪くない、正しいと見せようとするのです。『悪いのは自分ではなく、相手だ』と強調することで、自分が抱えている問題を否定したいという防衛反応が働いているともいえます」(片田さん)。一例がモンスターペアレント。なんでも学校のせいにするのは、自分のしつけや家庭教育の不備を突かれたくないという心理が無意識に働いているからこそ。「このタイプは、自分の非がばれたあとのことは考えない人が多い傾向にあります。その場での快感を優先し、先のことは考えないという心理構造、快感原則にのっとって行動しているからです。非が明らかになっても、『そんなことはない』と断固否定するのも、このタイプの特徴です」。

明確に区別できるわけではなく、利得型と自己愛型、自己愛型と否認型など、2つ、あるいは3つの要素をもちあわせているケースが大半だとか。いずれにしても、相手がどういった心理で自分の正義を主張するのかを知ることが、対策を練る第一歩に!

 
④ステップ1:「自分は正しい」症候群の被害に遭いやすい4タイプとは?

振り回すという行為は標的がいてこそ成り立つ

標的にされやすいのはズバリ!いい人
「周囲を振り回すという行為は、振り回される人がいてこそ成り立つもの。振り回す側は、標的になりやすい人をかぎ分けるのに長(た)けています。素直でまじめ、自分よりも相手の欲望を満たすことを優先し、理不尽な扱いをされても自分がガマンすればいいと考える、いわゆる『いい人』は要注意です」(片田さん)

また、「愛されたい」「ほめられたい」という愛情欲求や承認欲求が強く、「弱い立場にある」「強い欲求不満がある」「孤立している」人のほか、下記にあげた要因を複数もつ人は、自ら振り回す人に近づき、相手の行為を助長する危険性も。

まずは、自分が標的になりやすいタイプかどうかの分析を。それがわかるだけでも、「気をつけよう」という気持ちが生まれ、防御策のひとつになるはず!

まずは、標的にされやすいタイプかどうか自己分析を

【要因1】自己評価が低い

自己評価が低い
「自己評価が低い人は、他人からの評価でしか自己確認ができません。いわば、いい人という評価を得るために、相手の要求を受け入れやすく、欲望を満たそうとしがちだということ。そこにつけこまれてしまうのです」。また、自分に自信がないので、相手に攻撃されても反撃せず、やられっぱなしに。責められるのは自分が悪いからだと受け入れてしまうため、相手の行動をエスカレートさせる場合も。

【要因2】他人を信じやすい

【要因2】他人を信じやすい
ツッコミどころ満載の身勝手な言い分を並べ立てられても、その言葉を疑ったり、裏読みしたりすることなく受け入れてしまう。素直で、他人を信じやすい人も、「自分は正しい」症候群の格好のターゲットに。「本心、特にネガティブな面を正直にさらけ出す人はあまりいないので、普通は経験に基づいて相手の真意を推し量ります。信じやすい人は、その経験が不足しているのかもしれません」。

【要因3】他人を頼りがち

【要因3】他人を頼りがち
「現状に不満を抱いているのに、自ら改善する努力はせず、誰かが救い出してくれるのを待っている。そういう他人を頼りやすい人は、相手の身勝手な主張を拒まず、要求に応えようとする傾向があります。結果、標的にされてしまうのです」。何事も自分で決めず、他人に判断をゆだねる人も同様。だんだんと自分が何を求めているかわからなくなり、他人の欲望を優先してしまうため、被害にあいやすい。

【要因4】真実に直面するのが怖い

【要因4】真実に直面するのが怖い
「“自分にとって不都合な真実”に直面することへの恐怖、大切な人・ものを失う恐怖、断ったら何をされるかわからないという恐怖。振り回されやすい人は、しばしばそうした恐怖を抱いています」。「夫は浮気をしている」「自分は利用されている」などと気づきつつも、見て見ぬふりをして、その場をやりすごそうとする。そんな逃げの姿勢が、相手の横暴な振る舞いを許すことにつながるよう。

 
⑤ステップ2:周囲の困った人に振り回されないようにするには?

まずは、大切な人なのかどうでもいい人かの判断を

「最初に行ってほしいのが、あなたを振り回す相手が大切な人なのか、どうでもいい人なのかを見分けること。被害にあいやすいのは、自己評価が低いがゆえに、無意識のうちに八方美人になっている人。いい人と思われたくて、本来はどうでもいい人にまで気を遣い、要求を受け入れているケースが少なくありません。まずはそこを整理し、大切な存在ではないと判断したら、『あの人はどうでもいい』と口に出したり、紙に書いたりして。そうすると、思考がクリアになり、迷いがなくなると思います」(片田さん)

どうでもいい相手だから、嫌われてもかまわない。そう思えば、相手の主張にNOをいいやすくなるというわけだ。

「本来そういう相手とは距離を置くのが一番ですが、付き合わざるをえないなら、相手の話はスルーしてしまいましょう。表面上は、『すごいですね』といいながら、心の中で『また自慢話か』と毒づいていればいいのです。それができない場合は、相手を分析するという一歩引いた冷静なスタンスをとるように。『自分の能力を認めてほしい自己愛型だから、こう振る舞っているんだな』などと、客観的な視点で、冷静に観察するのです」

被害者がストレスを抱くのは、振り回されているという状況を、怒りや嘆きといった“感情”で受け止めてしまうから。けれど、冷静に分析するというかたちをとれば、感情が過度に揺さぶられずに済む。

「時には、“プチ悪人”になって意地悪な見方をすることも必要です。相手の言葉をうのみにせず、『このアドバイスは、私のためではなく、自分の力を誇示したいからだな』などと、想像してみるのです。当たっているかどうかはわかりませんが、少なくとも、相手の真意を探る練習にはなるはず。特に、信じやすいがゆえに標的にされがちな人には試してほしいですね。こんなふうに、自分の中にある“要因”を取り除くことも重要です」

例えば、“他人を頼りがち”という要因をもつなら、「自分の欲望を知る」トレーニングがおすすめ。レストランで注文する際、「みんなと同じ」ではなく「自分はこれを」と口にするだけでもOK。

「自分の欲望は何かを探り、自分で決める訓練をしないと、つけこまれる一方ですから。第一、自分の希望すら口にできないようでは、反論どころか、意見をいうことすらできませんよ」


自信のなさや恐怖心から相手の言いなりになっている人は、まずは「自分は闘うことから逃げている」と認識を。

「厳しい言い方ですが、相手に従うことで、『自分のせいではない』『ムリにやらされた』と逃げ道をつくっているのです。でもそれは、いつか必ず大きな後悔につながります。そうならないためにも、“楽をしている自分”を自覚し、ここにあげた方法の中で自分ができること、やりやすいことから試して。自分の身を守るのは自分しかいないのですから」

相手に対する“見方”と“対応”を変えて、振り回されない

1.分析するクセをつける

1.分析するクセをつける
相手を振り回す人は、往々にして感情的になりやすい。それを同じく感情で受け止めるから心がざわつくことに。ここは冷静に、分析モードで対応を。

2.相手の話をスルーする

2.相手の話をスルーする
相手の話に、まじめに受け答えをする必要はナシ!「 そうなんですか~」などと相づちを打ちながら聞き流し、心の中で別のことを考えていればOK。

3.プチ悪人になる

3.プチ悪人になる
相手の言葉を真に受けるのは危険。特に、「あなたのため」といった耳ざわりのいい言葉ほど要注意。「裏があるのでは?」と、意地悪な目線で“勘ぐって”。

 
⑥ステップ3:実践!ケース別、お役立ちフレーズ

相手を意地悪な目で分析し、プチ悪人になるのが有効

対策の締めくくりに、敵と対峙する際のポイントを会話集で紹介。カギは、相手を分析&プチ悪人になること。

「相手と同じ土俵に立つと、感情と感情のぶつかり合いになり、疲れるだけ。第一、『自分は正しい』と信じて疑わない人に、どんなに反論しても勝ち目はありませんし、説得しようとしてもムダです。それより、相手を持ち上げながら、素直に聞いているふりをして、心の中で舌を出しているほうが賢明です」(片田さん)

可能なら、時には戦う姿勢を見せて。「簡単に言いなりにならない」「厄介なヤツだ」と思わせられれば、今後カモになる危険性はぐっと低くなるはず!

ケース1:「この内容、全然なっていない!」と頭から否定する相手に

「この内容、全然なっていない!」と頭から否定する相手に

あなた 「内容を考え直すにあたって参考にしたいので、ひとつだけいい点があるとしたらどこになるか教えていただけますか?」
相手 「うーん、まぁ、ここは悪くないんじゃない?」

あなた 「ありがとうございます!(大好物に食らいついてる~)」

こうした自己愛型は、教えるのが大好き。それをエサに、「全然ダメなのは承知ですが、なんとかひとつだけでも」と、へりくだった空気を出しつつ、お願いを。「そうすれば、相手は気分をよくして答えてくれるはず。表面上は感謝しつつ、内心笑っていればいいのです」。

 

ケース2:問題が発生すると「そんなこといってない」といっていつも逃げる相手に

問題が発生すると「そんなこといってない」といっていつも逃げる相手に

あなた 「大事な内容なので、間違いが起きないように一度メールでやりとりさせてください」

相手 「……(記録を残させるなんて、けっこう面倒くさい相手だな)」

「とるべき策は、記録が残るかたちでやりとりすることと、証人となる第三者を交えて接すること。こうした対策を『お互いのために』という言葉とともに提案するだけでも、相手に『厄介なヤツ』と思わせる効果があります。それも、カモにならないための秘訣です」

 

ケース3:周囲にダメ出しすることで、自分の能力を誇示しようとする相手に

周囲にダメ出しすることで、自分の能力を誇示しようとする相手に

相手 「この部署のやり方、効率悪すぎですよ。これじゃ営業成績が上がらなくて当然です」
あなた 「あなたのいうとおりかもしれないけど、みんながみんなあなたのように優秀なわけじゃないからね。いきなりだと、みんなとまどうから、少しずつ改善策を提案してくれないかな」

「彼の中にあるのは、『認められたいのに認められていない』という不満や『自分は評価されていないのでは』という不安。その裏返しで強く出ているのでしょう。『私はあなたを認めているよ』と示して安心させてあげれば、態度が軟化するだろうと思います」

 

ケース4:自分の弱みを突かれたくないばかりに、攻撃してくる相手に

自分の弱みを突かれたくないばかりに、攻撃してくる相手に

相手 「娘のAちゃん、アルバイトなんですって? 役者の夢を追いかけているとかいうけど、25歳過ぎてそれってどうなの!? あなたも少しはハッパかけたほうがいいわよ」

あなた 「そうかもね。でも(あなたのところも含めて)、いろんな家庭があるからね(あなたの息子も30過ぎて仕事してないしね……)」

この友人は、息子が無職という弱みに触れられたくない否認型。弱みを指摘すると倍返しされかねない。「『かわいそうな人』と心の中で見下しつつ、『いろんな家庭があるから』と、暗に相手のことにも言及してみる。それで少しは、あなたの気持ちが落ち着くのでは?」。

 

ケース5:強く出ることで、こちらの要求をのませようとする相手に

強く出ることで、こちらの要求をのませようとする相手に

相手 「私はフルタイムで忙しいから、マンション管理組合の役員は絶対ムリ! 仕事をしていなくて、時間が自由になる人がやるべきだと思うわ」

あなた 「お考えはわかりました。ただ、役員は持ち回りと決まっていますし、これまでフルタイムの人もやってきたので、○○さんの意見に皆さんが納得するかどうかはちょっと……」

こうした利得型には、感情ではなく理論で対応を。要求や考えは一応聞いたけれど、それが認められるかどうかは別と、冷静に告げて。「1対1で説得するのはむずかしいと思うので、『ほかの人がどう考えるか』とか『世間の常識に照らし合わせて』といった言葉が有効です」。

 
⑦実はあなたも「自分は正しい」症候群になっている?

「50歳前後は、夫の定年や収入の減少、子供の将来、老後など、不安や怒りをためやすい年代。過去の体験に基づいた価値観に縛られている人も少なくないので、該当者がいても不思議ではありません」と、片田さんも指摘。チェック項目に対するYESが多ければ多いほど、その可能性はアップ。「大事なのは、自分とは違う考えの人がいるのだと認識すること。自分の価値観に固執しすぎると、まわりから孤立し、“寂しい人”になってしまいますよ」。

自分の言動もチェックしてみましょう!

【チェック1】常識・マナーに厳しい

【Check1】常識・マナーに厳しい
「常識やマナーにうるさい人は、『自分は絶対正しい』と主張する傾向にあります。けれど、地域や文化が変われば常識やマナーも変わるように、誰もが同じ認識でいるわけではありません。それを肝に銘じて」(片田さん)

 

【チェック2】すぐに理想を語りたくなる

「理想を語ること自体はすばらしいのですが、いきすぎると、それが“唯一の正解”と思い込み、ほかの意見をシャットアウトする危険性が。人それぞれ別の理想をもっているのだと心得て、他人の言葉に耳を傾けるように」

 

【チェック3】流行に敏感でいたい

【Check3】流行に敏感でいたい
流行に敏感であることを、ひけらかしているなら要注意。優越感に浸りたいという気持ちが支配欲につながり、他人に“上から目線”で自分の価値観を押しつけているかも。「一度周囲の反応を観察することをおすすめします」。

 

【チェック4】自分の好みを人にすすめたくなる

人に何かをすすめる裏には、「自分はすでに体験した」「いい情報を知っている」という自己アピールが潜んでいる場合も。「親切心からやっているのかもしれませんが、相手がそれを望んでいるかどうか、冷静になって判断を」。

【チェック5】昔からリーダー役を任されがち

「リーダーを任される人は、まじめで正義感が強いタイプが多いためか、『~すべき』という発想になりがち。まわりを動かしてきた経験から、気づかないうちに支配欲求が強くなっている可能性もあるので、注意が必要です」

【チェック6】何事にも潔癖症ぎみ

【Check6】何事にも潔癖症ぎみ
このタイプは完璧主義者になりやすく、思考がAll or Nothingになる危険性がある。「その清潔さや正しさを周囲にも求めてしまうと、この症候群の該当者に。全員がそうなるとはいいませんが、その傾向があることは覚えておいて」。

【チェック7】確固たる成功体験をもっている

「このやり方でうまくいった」という成功体験をもっている人も、それを正解だと信じ込み、他人に押しつけるケースが多々。「症候群に陥らないためにも、『その人にはほかのやり方がいいのかも』という気持ちを忘れずに」。

【チェック8】他人の学歴が気になる

【チェック8】他人の学歴が気になる
「学歴にこだわるのは現状に満足していない証拠。過去の栄光によって自分の価値を高めようとしているのです。反対に、学歴を声高に否定する人も要注意。学歴がないことにコンプレックスがあり、それを隠そうとする否認型かも」

【チェック9】親との関係がうまくいっていない

【Check9】親との関係がうまくいっていない
親との関係悪化の原因にもよるものの、親の価値観を押しつけられてきた人は、ほかの価値観を認めようとしなくなる傾向が。「一方で、親の欲望を満たすことを日常的にしてきたせいで、被害者になりやすいともいえます」。

【チェック10】「●●なんて信じられない!」が口グセ

「人の価値観は言葉に現れるもの。これが口グセということは、自分は正しいと思い込み、周囲に意見を押しつけている可能性が高いですね。そうやって他人を非難することで、自分はきちんとしているとアピールしている面もあります」
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