ところが大学生になった頃、その米軍跡地が「くりはま花の国」に生まれ変わった。
「秋でした。母に連れられて朝一番に行ってみたら、そこは一面のコスモス畑。声も出ないほど驚きました。あの土地が、こんなに美しいお花畑に生まれ変わっただなんて。人の力や可能性をまざまざと感じさせられ、ようやく、ああここが私の地元なんだと納得できたのです」
それ以来、子どもたちが幼い頃から何度も足を運んでいる。
「春は一面のポピー畑になって、それは愛らしい風景です。ここでポピーを見てソフトクリームを食べ、小高い位置にある公園まで歩いてたっぷり遊ぶのが、我が家の定番。また、久里浜港からフェリーに乗って対岸の千葉・金谷まで往復すると、花と海の両方が楽しめます。これも家族で何度も経験済み。今では胸を張って、私のふるさとと言える土地になりました」