80年代を代表する靴デザイナー、熊谷登喜夫の展覧会が京都で開催中!

京都にあるKCIギャラリーにて『熊谷登喜夫:軽やかに時を超えた靴デザイナー』展が6月24日(金)まで開催中。平日の関西滞在の折には、ご予約の上ぜひお出かけください。
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トキオ・クマガイ 1984年秋冬 ©京都服飾文化研究財団、熊谷登喜夫氏遺贈、林雅之撮影
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トキオ・クマガイ 1980年代 ©京都服飾文化研究財団、熊谷登喜夫氏遺贈、林雅之撮影
1980年代、ユーモアと想像力にあふれたデザインの靴を次々と発表し、足元のファッションを彩ったデザイナー、熊谷登喜夫(1947~87)。トキオ・クマガイ(TOKIO KUMAGAI)の名前を聞いて、懐かしさを感じるアラウンド50の女性は多いのではないでしょうか。

熊谷は文化服装学在学中の1968年に、第24回装苑賞に輝きます。1970年に渡仏し、カステルバジャックのアシスタントを経て、ロジェ・ヴィヴィエ、フィオルッチのための靴のデザインをフリーランスとして手掛けるようになり、1981年にパリに自身のシューズプティックをオープン。1983年からは日本でも靴とプレタポルテを展開し、亡くなる87年には第5回毎日ファッション大賞を受賞しています。

履物としての機能だけでなくオブジェのような美しさをあわせもつ、熊谷登喜夫の靴。動物や植物、果物、レーシングカー、さらにはカンディンスキー、ブランクーシ、ポロックなどのアートまで、インスピレーションソースは実に多彩です。現実を飛び越えた「食べる靴」のアプローチは古びることがなく、そのアーティスティックな発想は、たとえば'22年春夏のロエベの奇抜なヒールデザインにも通底しているかもしれません。

京都服飾文化財団に附属するKCIギャラリーで開催される本展では 熊谷氏が自身のブランド「トキオ・クマガイ」で発表した靴を中心に、財団の収蔵する18世紀から現代までの靴を展示。靴デザインの歴史的変遷もあわせて紹介する内容となっています。
熊谷登喜夫:軽やかに時を超えた靴デザイナー展 サブ トキオ・クマガイ TOKIO KUMAGAI   熊谷登喜夫 靴 デザイナー
トキオ・クマガイ 1980年代 ©京都服飾文化研究財団、熊谷登喜夫氏遺贈、林雅之撮影
トキオ・クマガイ TOKIO KUMAGAI  食べる靴 熊谷登喜夫 靴 デザイナー
KCIが所蔵する18世紀~現代の靴を年代順に展示。そのなかには、トキオ・クマガイのミントグリーンのフラットパンプスも。熊谷の靴が靴の歴史のどの位置にあったのか、わかりやすく伝えています。(以下、会場写真はすべて ©京都服飾文化研究財団/福永一夫撮影)
トキオ・クマガイ TOKIO KUMAGAI  食べる靴 熊谷登喜夫 靴 デザイナー
トキオ・クマガイのシグネチャーである、動物モチーフ。上から時計回りに、トキオ・クマガイ 1984 年秋冬 (日本製 白のカーフスキン。白鳥をかたどったデザイン。ハイヒール)、トキオ・クマガイ 1983 年秋冬 (イタリア製 グレーのカーフスキン。ネズミをかたどったデザイン)、トキオ・クマガイ 1985 年頃 (日本製 赤と黒のパテントレザー。テントウムシのモチーフ)
トキオ・クマガイ TOKIO KUMAGAI   靴 熊谷登喜夫 デザイナー
トキオ・クマガイ 1984 年春夏 (イタリア製 モンドリアン・カラーのカーフスキン。はがれて まくれたデザインのトウ。ハイヒール)モンドリアン風の色彩であるとともに、コム デ ギャルソンやヨウジ・ヤマモトが1983年に発表した「ボロ」ルックからの影響が見られます。
トキオ・クマガイ TOKIO KUMAGAI  食べる靴 熊谷登喜夫 靴 デザイナー
日本の「食品サンプル」の技術あってこそのシュールな世界、「食べる靴」シリーズも展示。右上から時計回りに、トキオ・クマガイ 1985 年 (日本製 木製の下駄に樹脂製の赤飯をコーティング、茶のベルベッティーンの鼻緒)、トキオ・クマガイ1987 年春夏 (イタリア製 黒のカーフスキン。パテントレザーのメッ シュのインステップに白と黄の花の装飾)、トキオ・クマガイ1986 年春夏 (日本製 紫のカーフスキン、ブドウをかたどったパッ チワーク。フラットヒール)
熊谷登喜夫の没後35年となる2022年。今なお色褪せない魅力を持ち、世代を超えて多くのデザイナーに影響を与え続けている熊谷氏の世界を、体感できる機会です。平日のみの開場となりますが、ご予約の上、足をお運びください。

「収蔵品紹介33 熊谷登喜夫:軽やかに時を超えた靴デザイナー」

会期:開催中、~2022年624()

開館時間:午前930分~午後5

休館日:土・日・祝日

会場:KCIギャラリー(予約制)京都市下京区七条御所ノ内南町103

入場料:無料

出展作品:トキオ・クマガイの靴、アクセサリーなど 約40点。18世紀~現代までの靴 約15点。(一部展示替えあり)合計58点。

*本展は完全予約制です

予約方法、新型コロナウイルス感染症への対応についてはこちら

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