映画好き同士のコラボレーション作品を一挙展示! 山本容子&和田誠展『2人のシネマ』

3/26まで東京・京橋で開催中の、山本容子さんと故 和田誠さんのコラボレーションによる作品展。誰もが知っている名作映画をテーマとした、24年ぶりに公開される大画面作品を楽しんで。
和田誠 山本容子 2人のシネマ

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展覧会初日に会場にいらしていた山本容子さん。和田誠さんと描いた『天井桟敷の人々』の前で。各作品ともサイズは112.1×181.8cmで、P100号よりさらに横長。

ただいまギャルリー東京ユマニテにて、「Collaboration ’98 山本容子&和田誠展『2人のシネマ』」が開催中です。

銅版画家の山本容子さんと、2019年に他界されたイラストレーターでグラフィックデザイナーの和田誠さんの共作による大画面の油彩画が圧巻。こちらの作品は和田誠さんの巡回展には出ていないのでファンの方は必見です!

お二人の交流が深まったのは1990年代でした。和田さんが愛猫シジミの絵本を制作するため山本さんに銅版画を教わったのがきっかけで、当時はお互いの事務所もごく近い場所にあったとのこと。思い返せば、1994年の『シェイクスピアのソネット』(小田島雄志訳、山本容子画)の単行本の装丁が和田誠さんでしたし、お二人とも自ら絵も描き装丁も手掛けるアーティスト。そしてもちろん映画好きと、フィールドが多分に重なっていました。

そんなお二人を最終的に結びつけて1998年の春に作品展を開催したのは、ギャルリー東京ユマニテの故 西岡務さんでした。西岡さんは、山本さんが20代から作品を発表していたこちらのギャラリーの社長で、似顔絵好きで映画好きで、大の和田誠ファンだったそう。こうしたバックグラウンドを知ると、24年前のコラボレーションは必然だったと言えそうですね。
 
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『スターウォーズ』のサイン近くのクローズアップ。ヨーダとC-3PO、両方とも山本さんが描いたのか、あるいは和田さんか。はたまたそれぞれだとしたら、どちらがどちらを? 答え合わせは地下の記録映像で。
左が『ゴッドファーザー』、右の発色の綺麗なのが『アラビアのロレンス』。『ゴッドファーザー』は絵画空間も複雑に入り乱れていておもしろい。
手前は和田さんによるチャップリンの映画をモチーフとした銅版画。奥は『七人の侍』のキャンバス画。酸による腐蝕を経てはいても、銅版画の線は明らかに和田誠さん。
会場には、名作映画を題材に一枚のキャンバスをお二人で描いた大作が並びます。最初に描かれたのは、『天井桟敷の人々』『ゴッドファーザー』『アラビアのロレンス』『スターウォーズ』の4点。制作期間はわずかに10日間で、綿密な小下図を作ることはなく、映画好き同士が半ばガチンコで好みの場面や登場人物を描いていったそうです。「たとえば『アラビアのロレンス』は和田さんが先に描いて、『スターウォーズ』は私が先でした。だから、”あ~これは私も描きたかったなあ”というようなこともあるわけです(笑)。和田さんが”線”の人だから、私は面的に描いたり。すでに描かれた部分とうまくつながるように工夫もしたり。時間が限られていたので、黙々と描き進めましたね」と山本さん。同じ年に追加制作された『七人の侍』『第三の男』も、同じように描かれました。

制作中の様子を捉えた映像が地下1階で流れていますので、まず1階をご覧になってから地下で答え合わせをして、もう一度、鑑賞されるとより深く楽しめるはず。あわせて映画がテーマの銅版画作品も展示されています。和田さんの銅版画の線が、また和田さんらしくてかわいらしい。

「銀座、京橋方面へお出かけの際はぜひお立ち寄りください。ギャラリーの斜向かいの『イデミスギノ』さんのケーキ、おいしいのでおすすめです」とのこと。
(Web担当SE)


Collaboration ’98 山本容子&和田誠展『2人のシネマ』
会期:~3/26(土) 10:30~18:30

日曜祝日休廊
会場:ギャルリー東京ユマニテ

東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビル1F・B1F

https://g-tokyohumanite.com/
 




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