【感性を磨く、金沢旅】熟練の技と品格を味わう日本料理「つづら」

住宅街にたたずむ知る人ぞ知る、噂の日本料理店。正統派ながら、遊び心も満載の料理は、ここでしか味わえないものばかり。ご主人がこだわりぬいた数寄屋造りの一軒家で北陸の幸を心ゆくまで味わって。

気品あふれる和の空間と熟練の技が光る料理を

つづら

小松空港から20分、小松駅からも15分ほど。高台の住宅街にたたずむ。建物は2年がかりで建てられたそう。駐車場あり

正統な中にモダンさもある気品あふれる料理と空間で
金沢市内から車で小1時間。小松市の閑静な住宅街を走れば、竹林の向かい、お店の前の石畳に水が打たれている。こざっぱりした暖簾(のれん)の奥は別世界だ。数寄屋造りの名人・河合徳治氏による建築に、ご主人・池田茂さんのこだわりをつめ込んだ、洗練された空間。小松の和風建築の名工房による欄間、地元の土と泥で造られた本壁、網代天井、北山杉の面取り柱。

もともと、小松市内で日本料理店を18年間営み、「とにかく日本家屋が好きで、自然が残るこちらへ引っ越し、本物にこだわって造っていただきました」。贅をつくしているが、華美ではなく、楚々とした空気の流れる空間と同様、料理もむだな飾りはなく、端正でシンプル。「地元の食材そのものの味を、料理人として引き出すことを最も大切にしています。華美な盛りつけなど必要ないと思いいたりました」。

コースの最初に出る「甘海老の握り」。凝縮されたうま味とねっとりした食感。ほどよい鮨めしの酸味が重なり、深い余韻が残る。お椀の気品ある味わいや、ひと塩して水分を抜いたノドグロのうま味……。正統派の力強さを堪能していたら、ホワイトソースに包まれたたっぷりのカニ入りあつあつグラタンも登場。遊び心も取り入れた北陸の美味ざんまいコース。料理と空間に通じる粋な器使いも目のごちそうだ。

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小松空港から20分、小松駅からも15分ほど。高台の住宅街にたたずむ。建物は2年がかりで建てられたそう。駐車場あり

どの部屋にもテーブル席が設けられている。庭が眺められ、昼は自然光が入り、雪見障子からの光の陰影が美しいテーブル席

どの部屋にもテーブル席が設けられている。庭が眺められ、昼は自然光が入り、雪見障子からの光の陰影が美しいテーブル席

8畳の茶室は、次の間と水屋つき。杉の天井、繊細な細工の欄間、本壁など、材料からこだわりぬいた造作の美も楽しめる
8畳の茶室は、次の間と水屋つき。杉の天井、繊細な細工の欄間、本壁など、材料からこだわりぬいた造作の美も楽しめる

8畳の茶室は、次の間と水屋つき。杉の天井、繊細な細工の欄間、本壁など、材料からこだわりぬいた造作の美も楽しめる

ご主人のお母さまの帯を地袋の扉に仕立てて。ほかに、4畳半の茶室、10畳間、ご主人との会話が楽しめるカウンター席がある

ご主人のお母さまの帯を地袋の扉に仕立てて。ほかに、4畳半の茶室、10畳間、ご主人との会話が楽しめるカウンター席がある

つづら

直球のおいしさを引き出した熟練の技と遊び心を、こだわりぬいた空間で。品格ある本物の日本の文化がここに

「のどぐろ 若狭焼」。

「のどぐろ 若狭焼」。塩をして2日おいているので、余分な水分が抜けて味が凝縮。厚焼き卵、くるみ豆腐を添えて。器は越前焼の武澤信雄作

「蟹グラタン」。カニの味が生きたシンプルグラタン。

「蟹グラタン」。カニの味が生きたシンプルグラタン。手前は「蟹の酢の物」。カニ肉を白板昆布で巻いて

「お椀 蒸しあわび」。

「お椀 蒸しあわび」。加賀れんこんをすりおろして葛でまとめた蓮餅が隠れている。器は輪島塗

おしのぎの定番「甘海老」。

おしのぎの定番「甘海老」。昆布で締めた甘エビをお鮨に。上には吉野酢がひかれて。添えた卵も昆布締めに。すべて¥25,000のコースより

Data
石川県小松市千木野町3の81
☎0761・23・3389
11:30〜14:00、17:00〜22:00
不定休
昼¥7,500〜、夜¥12,000〜 完全予約制

  • 【感性を磨く、金沢旅】豊かで、心地いいインプットができる土地

    【感性を磨く、金沢旅】豊かで、心地いいインプットができる土地

    「大人の旅に必要なもの、それは風情、人情、そしておいしいもの。金沢にはそれがすべてつまっています」とは金沢屈指の老舗バー『倫敦屋酒場(ロンドンヤバー)』の主人の言葉。観光旅行とはひと味違う、心と感性を刺激する、成熟した大人だから楽しめるとっておきの金沢へ、今。

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