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【タレント・松本明子さんの「実家じまい」リアル体験談〈前編〉】空き家の維持に1800万円! 父からの言葉が呪縛に
「いつかやらなきゃ」と思いながら、先延ばしにしがちな「実家じまい」。実家の空き家問題がNHK『クローズアップ現代+』などで取り上げられ、大きな反響を呼んだタレント・松本明子さんから、実体験をもとにお話を伺った。
【タレント・松本明子さんの「実家じまい」リアル体験談〈後編〉】こだわりの家の価値はゼロ!? 実家じまいで疲労困憊
タレント・松本明子さん
こだわりの家の価値はゼロ!? 売却や家財整理で疲労困憊
実家を維持した25年間で松本さんは2回大きなリフォームをしている。
「最初は東日本大震災のあと。“東京になにかあったら避難できる”と思ったんです。2回目は実家じまいの前。“売るにしろ貸すにしろきれいなほうがいい”と考えてのことでしたが、2回で合計600万円かかりました。帰省が体力的にきつくなっても維持費がかさんでも決心がつかなかった実家じまいでしたが、最終的に背中を押してくれたのは夫や義母の“お母さんが亡くなって10年だしもう手放してもいいのでは”という言葉。さらに大きくなった息子はこの先も高松に縁はなさそうだとわかってきて、“私の代でこの問題を終わらせなければ”と思えたことも大きかったですね」
“思い出を処分した”という新しい思い出に変えました
ところが不動産屋さんの査定では「リフォーム済みでも築年数が古いので上物の価格はゼロ、売却価格は土地代の200万円」。現実を知った松本さんは大きなショックを受けたが、香川県が運営する空き家バンクに登録して賃貸と売却両方の道を探った。
「賃貸はむずかしいとすぐにわかり、長期戦での売却を覚悟しましたが、希望額の600万円で購入したいというご夫婦がすぐに現れたんです。ラッキーでしたが、“早く住みたい”といわれ、3カ月で家財や遺品を片づけることに。期限間近の10日間は泊まり込みになって、死ぬほど大変でした」
苦笑する松本さんだが、肩の荷を下ろした今気づいたことがあるという。
“いつか住むことがあるかも”とリフォームにも出費
「結局私自身が思い出たちと決別できなかったから、家じまいができなかったんです。すべてのものに目を通して思い出を自分の中に取り込み、“思い出を処分したという思い出”に変えられたことで、自分を肯定できるようになった気がします。ひとつ後悔しているのは、父の死後実家について母に相談しなかったこと。正解は出なかったとしても、母も私も気持ちに区切りをつけやすかったかもしれません」
そんな松本さんが最近悩んでいるのは両親が眠る高松のお墓の問題。
「これも父が建てた立派なお墓なんです。なかなか帰省できないので、関東に移したいのですが……。兄や親戚とも相談中ですが、息子世代の負担も考えなきゃと思っています」
松本明子さんの「実家じまい」年表
1972年(6歳)
父が高松市郊外にこだわりのマイホームを建てる。(5DKで上物約2000万円・土地約1000万円、計約3000万円)
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1982年(16歳)
上京して高校に入学。翌年アイドル歌手として芸能界デビュー。
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1993年(27歳)
両親を東京に呼び寄せ、賃貸マンションで一緒に暮らしはじめる。
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1996年(30歳)
父が頭金を出し、明子さんがローンを組んで、東京に建売住宅を購入。
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1998年(32歳)
俳優の本宮泰風さんと結婚し、本宮さんの実家に転居。両親は明子さんと住んでいた東京の家で暮らし続ける。
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2000年(34歳)
長男を出産。
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2003年(37歳)
「明子、実家を頼む」と遺言を残し、父が死去。
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2007年(41歳)
母が死去。
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2011年(45歳)
東日本大震災を機に、いざというときの避難場所にするため、350万円をかけて実家をリフォーム。
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2017年(51歳)
母が亡くなって10年たち、実家じまいを真剣に考えはじめる。250万円かけて2度目のリフォームをし、空き家バンクに登録。希望額の600万円で購入したいというご夫婦が現れる。
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2018年(52歳)
引き渡し期限までの3カ月で実家の家財や遺品を整理、処分。空き家の維持を25年間続けた結果、かかった費用は計1800万円に。
『実家じまい終わらせました!』
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タレント・松本明子さん
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