【心ときめくガラスを探して】ガラス作家ピーターさんの世界観を感じる工房へ

エクラ世代に人気のガラス作家ピーター・アイビーさんを訪ねて、ピーターさんが工房を構える富山県南砺(なんと)市へ。むだを削ぎ落としたデザインと手吹きガラスのもつ優しさの絶妙なバランスにうっとり。

PETER IVY FLOW LAB

1枚で見るとほんのり淡い色だが、重なり合うとグリーンが色濃くなり、違った表情を楽しめる
ガラス作品は、成型されたあと、じっくり時間をかけて冷まされる。1枚で見るとほんのり淡い色だが、重なり合うとグリーンが色濃くなり、違った表情を楽しめる

アトリエや自宅自体がピーターさんの作品に

ピーターさんのガラスは、むだを削ぎ落としたデザインと手吹きガラスのもつ優しさが絶妙なバランス。機能的なだけではなく、繊細さと温かみをあわせもっている。グリーン、グレー、アンバーの3色あり、そのどれも淡く、一見すると無色かと思うほどだ。それが光を通すと、ほのかな色を放ち、気泡がきらめき出す。さらに、グラスやプレートを重ねると、重なった部分だけが濃く映り、色のグラデーションを見せる。作品が生み出される工房自体も、機能的かつどこを切り取っても絵になる、ピーターさんの世界観を感じる空間に。

ピーターさんは、デザイン学校に入学する前は、車の整備士や大工をしていたそうで、その経験を生かし、古民家を工房に改装する際のディレクションや家具や什器の製作なども自ら行っている。アトリエには溶接場を備え、なんと溶解炉もお手製だという

工房のほど近くにある家も、5年かけて改装され、作品を展示できるギャラリー的なスペースもあり。「今、作っている庭が完成したら、アポイント制でオープンしたい」と、ピーターさん。その日が今から楽しみだ。
縁が少しだけ立ち上がった高い技術で作られるプレート
縁が少しだけ立ち上がった高い技術で作られるプレート
パスタ入れをはじめ、さまざまなサイズがそろう「Jar」シリーズ
パスタ入れをはじめ、さまざまなサイズがそろう「Jar」シリーズ
スタイリスト・高橋みどりさんとのコラボによる「KOBO」
スタイリスト・高橋みどりさんとのコラボによる「KOBO」は、ピーターさんを中心に、工房のスタッフみんなで手がけるシリーズになっている。「kaku」は、木製プレートつきで、保存容器として使う際はプレートを蓋にしたり、食卓に出す際はコースターや小皿にしたり、マルチに使える
  • グレーを帯びたガラス越しにフィラメントの温かな光が広がる「ライトカプセル」

  • 自宅にある吹き抜けホールには、作品を展示

グレーを帯びたガラス越しにフィラメントの温かな光が広がる「ライトカプセル」。自宅にある吹き抜けホールには、作品を展示。ゆくゆくは一般向けにオープンされる予定だ。奥に見える建具にはめられた板ガラスもピーターさん作
  • ピーターさんのかけ声で、パートナーのいつかさんが吹き竿に息を吹き入れ、ピーターさんが成型を行う

  • 型吹きの際に使用する金型は、通常、鋳物職人に発注されることが多いが、こちらもお手製

ピーターさんのかけ声で、パートナーのいつかさんが吹き竿に息を吹き入れ、ピーターさんが成型を行う。型吹きの際に使用する金型は、通常、鋳物職人に発注されることが多いが、こちらもお手製

PETER IVY FLOW LAB
Data

富山県富山市婦中町富崎4717の1

info@peterivy.com

要予約で工房での販売もあり(見学のみは受けつけていない)。

東京「OVER THE COUNTER」「岡の」「08BOOK」、栃木「TAMISER TABLE」、京都「HIN」、兵庫「MORIS」などで取り扱いあり

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