【心ときめくガラスを探して】暮らしの美意識から生まれる。最旬にしてエターナルなピーター・アイビーの世界観

“本物”は、豊かな土地と文化の中にある。上質さと現代の空気感を兼ね備えた、エクラ世代に人気の作家ピーター・アイビーさんが工房を構える南砺(なんと)へ。豊かな暮らしの中から、唯一無二のガラスが生まれていた。

PETER IVY

「後ろからの優しい光こそがガラスをきわだたせます」と、棚の後ろに和紙を貼って。
「後ろからの優しい光こそがガラスをきわだたせます」と、棚の後ろに和紙を貼って。室内に入り込んできたつる草も可憐さを添えている

生活に必要なものを作る、暮らしに根づいた発想

室内に入り込んできたつる草も可憐さを添えている
ピーター・アイビーさんの創作意欲は「使いたいものを作る」からきている。生まれ育ったアメリカでは主にオブジェを制作していたピーターさんだが、’02年に来日してからは用途のあるものづくりへの興味がわいてきたそう。さらに’07年、富山の農村部に転居した当初、古民家の納屋を工房にするため自ら改装をしつつ、主夫をしていた時期があり、その経験が現在の機能美に満ちた作品に行きつくきっかけになったという。

代表作であるジャーもこのときに誕生したもので、コーヒーや米を収納しておくシンプルで使いやすいガラスのジャーが見つからず、自分で作ったことが始まりに。それがたまたま青山のギャラリストの目にとまり、ギャラリーで展示販売されるようになった。その当時はまだまだ西洋的な装飾や民芸テイストなガラスが主流であり、対照的なミニマリスト的なアプローチが注目され、ガラス工芸の新潮流の先駆けとして国内外で評価されることになった。
自宅の台所の棚にはピーターさんの作品がズラリ
自宅の台所の棚にはピーターさんの作品がズラリ。ピーターさんは、ふだんから料理や家事を行い、アイデアが浮かぶとすぐにプロトタイプを製作。自宅で使ってみて、何度も修正を重ね、使いやすさを追求し、製品化される
  • 縁側でくつろぐパートナーのいつかさんと息子さん

  • 自宅は古民家の柱や梁を生かしつつ、大胆にリノベーションされている

縁側でくつろぐパートナーのいつかさんと息子さん。自宅と工房、アトリエが隣接して立ち、暮らしと仕事が一体になっている。自宅は古民家の柱や梁を生かしつつ、大胆にリノベーションされている

PETER IVY FLOW LAB
Data

富山県富山市婦中町富崎4717の1

info@peterivy.com

要予約で工房での販売もあり(見学のみは受けつけていない)。

東京「OVER THE COUNTER」「岡の」「08BOOK」、栃木「TAMISER TABLE」、京都「HIN」、兵庫「MORIS」などで取り扱いあり

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