名越 僕ね、基本的に相手を尊敬していれば、気持ちは通じると思ってます。子ども相手でも子ども扱いはしません。もちろん、しつけが必要な場面ではきちんと叱ったらいい。そしてひとりの人間として話せば、わかってくれます。
富岡 それは、ほめて育てる、というのとはちょっと違いますね。
名越 違います。相手が何かやったことに対してほめるのは、型にはめるのと同じやと僕は思うんです。ほめて育てるなら、何もしていない相手をほめるべきです。花を愛(め)でるように、そのままがキレイだよって。
富岡 では、大事なのは?
名越 相手のいいところ、尊敬できる点をひとつでも見つけておくこと。僕は相手が子どもに限らず、誰に対してもそう接しているつもりです。その気持ちのまま話せば、心は通じますよ。
富岡 なんだか、素敵な講演会を独り占めしたような気分です。ありがとうございました!