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48歳の今、膣トレ・膣ケアのおかけで更年期の不調なし。アラフィーが今すぐ簡単にできる膣トレとは?【私が「ちつ姉」と呼ばれるまで。膣プランナー 山口明美インタビューvol.3】
独身時代の婦人科系不調、出産時の会陰裂傷で尿漏れ・便漏れ。2ヶ月オムツが手放せないという大トラブルを膣トレと膣ケアで乗り越え、人生がポジティブに動き出した山口明美さん。次の世代にフェムケアの重要性を伝える山口さんが「ちつ姉」とよばれるようになったきっかけは、実は意外な人の発案でした。
【これが私の活きる道】ルワンダで義肢の無償提供を始めて26年。ルダシングワ真美さんの生き方とは?
ふと手にした一冊の本が人生を大きく変えた
’23年の盛夏、東京・日比谷の東京新聞本社で、ひとつの講演会が開かれていた。登壇者はルダシングワ真美さんと、夫であるガテラ・ルダシングワ・エマニュエルさん。アフリカ、ルワンダで四半世紀余、足を失った人たちの、義足作りを続けてきた夫妻である。夫妻は毎年、3カ月間ほど日本に滞在、全国を回りながらルワンダの現状と自分らの活動を伝え、支援をお願いしてきた。
「ルワンダは’94年に大虐殺が起こって、たった3カ月の間に100万人もの人たちが犠牲になりました。たとえ命が助かったとしても、手足をナタで切り落とすような残虐行為が、平然と行われたんです」
講演会の数日後。真美さんとお会いした。Tシャツに化粧っけのない顔。「いつ、どこにいてもこんなです」と笑った。
「すばらしいことをなさっていますねとかいわれますが、そんな大上段なことではないんです。いわれると逆に反発したくなります。義足をつければ歩ける人がいる。じゃあ作りましょう、というだけ」
真美さんとアフリカに、そもそも縁があったわけではない。きっかけとなったのは、書店で手にした旅行本。丸の内にある特許を扱う法律事務所で、平凡なOL生活を送る26歳だった。
「同じ繰り返しの毎日に、このまま人生が過ぎてしまうのかと焦りがあったんです。ケニア留学の記事がふと目にとまりました。アフリカに興味があったわけではないけれど、5カ月で飛行機代、寮代込み70万円。これなら私にも行けると」
大虐殺のあった教会で遭遇した強烈な体験
住んでみたら居心地がいい。この時期に、「友人と同じ長屋に住んでいた」9歳年上のガテラさんと出会った。ルワンダ出身だったが、難民としてケニアで暮らしていたのだ。彼は足に障害があった。
「子供のころ病気の治療ミスで、自由に歩けなくなって。彼は障害者施設で育ったんです。紛争の中で、虐殺を恐れた家族は他国に逃げた。足手まといになるからと、息子を置き去りにしたんですね」
それらの話は真美さんが初めて知る、世界の重い現実だった。帰国後、ふたりは文通を始める。さほど会話したわけではなかったが、どこか気になった人だった。やがて真美さんの故郷、湘南・茅ヶ崎に彼を招いた。
「そのとき、突然、足の装具が壊れたんです。経年で古びていたのでしょうね。あわてて修理先を探して、横浜の平井義肢製作所というところを見つけて行きました」
工房では義肢装具士と呼ばれる人たちが、熱心に働いていた。ガテラさんは興味深く見つめ、真美さんは「彼の新しい装具ができる!」と心はずませた。
「弟子入りさせてください!と親方に頼み込みました。彼と一緒にいるためには、何か技術を身につけてアフリカに行く必要があると、探していた時期でした」
運命が大きく動いた瞬間だったのだろう、5年間の修業が始まった。義肢装具士になるには国家資格がいる。時給は400円。冬はしもやけだらけになった。
「昔気質の親方はそれは厳しかったです。一度、仕上げ作業で手抜きをして、『見えないところもきちんと仕上げるのが、けじめってもんだ』と諭されました。今でも私を支えてくれている言葉です」
ルワンダに帰ったガテラさんとの交流は、月に一度の公衆電話での会話だった。しかし’94年4月、世界を震撼させた大虐殺が起こり、音信がパタリと途絶える。
「もう死んでしまったのではないか……と、いてもたってもいられなかったです」
不安な3カ月が過ぎたころ、懐かしい声で電話があった。
「生きていてくれた! よかった……と心底思いました」
翌年、ルワンダに向かった真美さんを、彼はある教会へと連れていった。
「5000人もが亡くなった場所でした。遺体がまだ折り重なるように残っていて、強烈な腐臭がした。人が朽ちていくにおいを嗅(か)ぐことがあるなんて……ただ衝撃でした。鍋釜やおもちゃも血まみれのまま散乱していた。教会という神聖な場所なら殺戮は起こらないだろうと、人々は逃げ込んだのです」
当時、植民地としてルワンダを支配していたベルギーは、人々をツチ、フツ、トウと3つの民族に分け、ツチをあらゆる面で優遇、特にフツの憎悪を煽ることで支配構造への不満を逸らそうとしていた。虐殺は、独立後、フツの怒りが爆発し、対立が激化した結果だった。
教会の外に出ると樹木の葉がさわさわと風に揺れていた。その奇妙で静かな光景を、真美さんは忘れられないという。
“義足作りに出会って、モヤモヤが晴れた。やりたかったことの道すじが見えました”
ソケット作りをする義肢装具士、アシエールさんと。ベテランなので安心して任せられる。
ふたりで義足のソケットに、部品を組んでいるところ。角度など細部にわたり注意深く行う、根気のいる作業だ。一人ひとりのためにすべて手作りし、仮合わせをして不具合や痛みがないかを確認。さらに修整を繰り返して完成する
政府からの強制撤去後、’22年に再建した製作所。傾斜地に建っているので2階建てに見えるが実際には3階建て。1階は製作所、2階が自宅とレストラン、3階がゲストハウス。
色とりどりの地野菜。ルワンダ料理のメインは豆の煮込み。白い猫は瓦礫の中から保護したドロ君。「いっぱいグチを聞いてもらう」癒しの存在だそう。
ゲストハウスは旅客や患者が利用する
1963年 神奈川県茅ヶ崎市に生まれる
1989年 英語専門学校卒業後、6年間の会社員生活を経てケニア・ナイロビのスワヒリ語学校に入学
1991年 神奈川県横浜市の平井義肢製作所に弟子入り
1994年 ルワンダ大虐殺が起きる
1997年 ルワンダに移住し、「ムリンディ/ジャパン・ワンラブ・プロジェクト」設立。ルワンダ・キガリに義肢製作所を開設
2000年 シドニー・パラリンピックでルワンダ代表を初出場に導く
2001年 ガテラさんと結婚
2007年 アビリンピックに参加すべく働きかけ、静岡大会への代表選手出場を導く
2011年 アビリンピック韓国大会への代表選手出場を導く
2016年 アビリンピックフランス大会への代表選手出場を導く
2017年 外務大臣表彰。地球倫理推進賞受賞
2018年 読売国際協力賞受賞
2020年 大洪水で義肢製作所が被害を受けた後、政府から強制撤去される
2021年 吉川英治文化賞受賞
2022年 新しい義肢製作所が完成
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