損しないために知っておきたい!リタイア後の年金の受け取り方

各種年金は、老後の生活を支える大切な資金。いつ、どうもらうの? 1円たりとも損したくない!そんな気持ちに応えるべく、賢い受け取り方&損しないためのポイントを、専門家・板倉京さんがアドバイス!
教えてくれた人
マネージャーナリスト、税理士 板倉 京さん

マネージャーナリスト、税理士 板倉 京さん

いたくら みやこ●女性税理士の組織、ウーマン・タックス代表。相続や資産運用などシニア世代を中心に年間100人以上の相談を受け、メディアでも活躍するエクラ世代。『定年前後のお金の正解』(ダイヤモンド社)ほか、著書多数。

年金は請求しないと受け取れない

年金と名がつくものはどれも“申請主義”

「公的年金に当たる老齢年金も、確定拠出年金も、請求して初めて受け取れるもの。自動的に口座に振り込まれるわけではありません」

受給可能な時期が近づくと、老齢年金は年金請求書が、確定拠出年金は受給権資格取得通知書が手元に届く。それをもとに、いつ、どのような受け取り方をするのかを決め、自ら手続きするように。繰り下げ受給を選択する際は、65歳時点で「〇歳から受給を開始したい」と申し出るのではなく、希望時期になったら請求すればOK。万が一手続きし忘れた場合、5年以内ならさかのぼって請求が可能。65歳から受給のつもりだったとしたら、70歳までに申請すれば、受け取り損ねた分が取り戻せる。

「ただし、年金を受け取る権利は5年で時効となるのでご注意を」

年金

公的年金の繰り上げ受給or 繰り下げ受給は、経済状況や今後の生き方など多角的に検討を

繰り上げれば額が減り、繰り下げれば額が増える

公的年金の受給開始年齢は原則65歳だけれど、希望すれば、60歳~64歳に繰り上げることや、66歳~75歳に繰り下げることも可能。

「繰り上げは、65歳で受け取りはじめるより受給額が減り、反対に、繰り下げだと受給額が増えます。どちらがいいかは、持ち家か借家か、資産や同居家族の収入がどれくらいかといった経済状況や、老後のライフプラン、健康状態などで変わってきますが、“損益分岐点”を判断材料のひとつにするのも一案です」自分の年金がどれくらいになるかは、「ねんきんネット」などで試算できるが、65歳時点で毎月16万円の年金を受給すると仮定、それを基準に、60歳~75歳の各年齢での受給額と、何歳になったら、「65歳受給開始」より受給額が多くなるかという損益分岐点を記したのが、下の表。「もっとも何歳まで生きるかは誰もわからないので、『当分働くから75歳で』とか『元気なうちにお金を使いたいから60歳で』など、考え方優先でもいいと思います。なお、働きながら年金を受け取る際は、給与と年金の合算額に税金が課せられるので、その点、留意してください」。

何歳でもらうかで、年金額はこんなに違う!

損しないために知っておきたい!リタイア後の年金の受け取り方_1_3

平均的な年金受給額をベースに作成した表。60歳で受給を開始した場合、80歳未満で亡くなると年金総額は多くなり、80歳以上長生きすると年金総額は少なくなることに。75歳開始の場合は86歳未満で亡くなると年金総額は少なくなり、86歳以上長生きすると年金総額は多くなることに。判断材料のひとつとして活用を

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